い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百拝

2021-05-06 | 願い
百個の願い
欲張りな願望がアキラメを叶える
これはここまで
それは忘れよう
あれはそのうち
そして願いの数だけに満足した

だからまだ終わりではなく
たぶん始まってもいない
拾い集めた夢の欠片を
大空のキャンバスにはめ込んでいく
虹色の光に反射して
君の元にも届くはず

九十九拝

2021-05-05 | 願い
区切りをつける

訳も分からず違いも分からず
その時の賢さで線を引く
自信たっぷりの判断は後悔を許さず
通り過ぎた過去として思い出にしまう

今がその時の積み重ねで出来ていても
グラつく足元を嘆いていても始まらない
外した途端崩れ落ちた土台でも
過行くほどに積もり積もって山となる

九十八拝

2021-05-04 | 願い
内面の美しさを求める

慰めだろうが
お世辞だろうが
見えない場所の美しさをホメる

白鳥の優雅さは水面下のもがきであり
縁の下の力持ちは表舞台に立たない

見た目と中身の究極の選択に
命がけのタラレバを問い

どんでん返しの結果に嘘をつく

九十七拝

2021-05-03 | 願い
朝と夜
朝日と夕日が顔をそろえることはない

いつも変わらずそこにいても
同じ顔で挨拶しても
届く距離が姿を変える

さぁ頑張ろうと伸びをして
空の青さに手を広げ
抱え込んだ今日の元気

夕焼け空に頬染めて
今夜の湯気を待ちわびて
影を伸ばす帰り道

時代の速さが変わっても
日々の温度が違っても
変わらぬ思いが今の私

九十六拝

2021-05-02 | 願い
一部分だけでその人を決める

にこやかな挨拶と
丁寧なお辞儀がインプットされる

見返りのための微笑みと
その場しのぎのウワベの言葉
社交辞令の目論見は無く
押し付けられた報酬の下
目標の順番を間違えても
今を乗り越えなくてはならない

心の軋みを悲鳴にかき消し
追い出すための騒音を求める
眠りの門番が立ちふさがっても
扉の向こうの夢を見たがる
周りの景色が鮮明になったら
見えるものは何だろうか


九十五拝

2021-05-01 | 願い
忘れさせてくれる時の流れ

止まって欲しいと願い
今を繋ぎとめる努力をしても
過去へ過去へと流れるのなら
上流目指して遡る体力と
源に広がる景色を夢見て
支え合うのも生きてる証

言葉に出来なくても
すれ違いに傷を負っても
不細工な世渡りを
人のせいにしなくていい
後から付けた年月も
宇宙の距離のほんの一瞬


九十四拝

2021-04-30 | 願い
相応しいを憧れの中に入れる
物語の境目にいる現実の温度

眩しすぎて直視できずに
記憶が光の色に変わる

幾度となくトライした向こう側
足を踏み入れたら泥濘かもしれない

もがきながらハマる罠でも
確かめる価値があると思うなら

熱くても冷たくても捕まえに行く


九十三拝

2021-04-29 | 願い
突き抜けるような感情
苦しいはずなのに
痛いはずなのに
すべてを超えてしまう

やることが多すぎて
計画通りにいかなくて
なぜか上手くいかない
秒針の音に焦る苛立ち

他人から見れば
隙のない超人でも
あり得ないラッキーでも
ひとりでは何もないから

ただ大地を踏みしめて
ただ数センチ上に憧れて
見えない先でも見たい先でも
求める心を連れて行く

九十二拝

2021-04-28 | 願い
聞いているけど聞こえていない
見ているけど見えていない

分かったつもりで扉を押した
いると信じて声をかけた

音を忘れた小さな空間で
枯れることを怖れた小さな花

見守る月明かりは届かない
星も眠る風のない夜

ここから始めるために
これまでを背負ったまま

君の声を聴く
君の姿を映す

九十一拝

2021-04-27 | 願い
反対の言葉が優しさを悪者にする
何通りもの意味を持つひとつの言葉

時に笑いを誘い
すべて浄化されたような
清々しさだけを感じ

時に鼻の奥の痛みが
熱い涙に変わり
泣いてる訳さえこぼれる

時に疑いのぞき込んで
裏側にあるはずの真実を
探ろうとする

細かすぎる心の分別は
その一言で機能を増す