い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百番

2021-11-22 | 順番
百人の一通り
百人の百通り

平等を謳う個性の配列にある歪み
その他大勢の中の居心地が
ぬるま湯の温度を保つ

顔さえ出ていれば
呼吸もできる話もできる
浸かった部分の揺らめきが
凍える心を隠しながら

ひとつずつが集まった100の重みと
100をつぶしたひとつの塊が
加速しながら転がる道の先

見たいような知りたいような
百通りのそれぞれの考えがある


九十九番

2021-11-21 | 順番
ひとつ足りないと考えるか
あとひとつと思うべきか
九十九の白さ

何色にも染まる強さを武器に
土台に溶け込むか
自らを基盤とするか
選び方で変わるプラスマイナス

格言の厳しさに翻弄されながら
いつしか酔いしれる凡人の掟
何が正解でどれが間違いか
とんちのリズムで時間を稼ぎ

たったひとつを見つける

九十八番

2021-11-20 | 順番
もう一度ともう二度と
数で変わる両極端の願い

叶わないから消えない想い
叶ったつもりのくすぶる気持ち
忘れられない夢心地と
忘れたくない一番の気持ち

日ごと夜ごとに入れ替えながら
きっと明日はと夜空に祈り
変わらぬ自分を励ましながら
変わる自分に希望を託す



九十七番

2021-11-19 | 順番
見たいものしか無かった頃は
すべてが新鮮で
すべてが驚きで
すべてがキレイだった

そこに続く道を知り
流した汗の痛みを感じた
悔しさであり絶望であり
希望であり喜びでもあると

朝と夜の明暗の中で
太陽を求めながら回り続ける時
流星群の鮮やかな光も
夜空だからこそ輝くことを知った

九十六番

2021-11-18 | 順番
さよならの嘘

タイトルにしたら心惹かれるけれど
本当は反対の意味を知りたくなる

落ち着かせるために
タラレバを信じようとした
いくつもの逃げ道を作れば
これで良かったと言える気がした

暴走した頭脳が
立ち尽くすことだけを認めたら
甘い笑顔を上げて
10センチ上を見つめればいい

そこにあるのが
照れてしまうほどの眼差しか
物言わぬはずの背中か
見分けることは出来なくても




九十五番

2021-11-17 | 順番
辞書が教える言葉の意味に
温度と速度と高低まで付けたら
納まりきれない無限大

発する方と受け取り側の
キセキのような大きさが
ぶつかり弾け威力を増す

両手を広げて構えた隙を
自由自在にすり抜けて
バウンドしながら消え去った





九十四番

2021-11-16 | 順番
ろうそくの火を吹き消すみたいに

胸の中のモヤモヤが
不安なのか怒っているのか
逃げ場のない苦い煙が
徐々に視界を悪くする

見えてなくても分かってた
結末を知ってから読む
課題の推理小説みたいに
夢を忘れたおとぎ話

初めてめくる紙の匂いが
期待の温度を上げたとしても
徐々に知るべき心の炎は
ユラユラ揺れて色を変える

九十三番

2021-11-15 | 順番
明けの寒さに重ね着する頃
ようやく眠りにつく人
眩しい光を避けながら
戸を閉めて夜を作る

青空の色を雲の匂いを
記憶の中に閉じ込めて
積み重ねた夢の上に
登る姿を追い求めて

一瞬で消える今を続けて
過去の長さの前に立つ
今までとこれからの間は
どんな景色だろうか




九十二番

2021-11-14 | 順番
どんなことでも笑顔になれる日

ちょっぴりへこんだつもりでも
何故か笑顔の時がある

こんなことがあったよと
愚痴をこぼしたその先に
優しく頷く君がいて
こんなことを言われたと
途切れる涙声にさえ
優しく頷く君がいる

その時の痛みを
何かと比べることは無い
地球ランキングでは最下位でも
大したことは無いと笑われても
弱虫のレッテルを貼られても
自分史上一番の効果はひとつだけ


九十一番

2021-11-13 | 順番
上手い言葉は浮かばない

準備万端
これ以上ないやり方で
24時間後の未来を描く

もしかしての360度を見据え
痒くないところまで
手を伸ばす

思いもしない多角形の
隅の隅に隠れてた
塵にも満たぬ小ささに

吹いた息が言葉を逃がす