い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

九十八通

2021-08-12 | 便り
望むばかりではいけないけれど
我慢しすぎると分からなくなる

本能のままの欲求が許されるのは
ほんの短い期間であって
目の前の誰かがいなくては
現実がなくなると知った時
生きる希望をはるかに上回る
ひとしずくに願いを込める

我儘を悔やみながら様子を窺う
言葉の裏に隠された表情を見る
数秒先の息を吸い込み
数センチ先の未来を予測しながら
実体のない幻を望み
押さえ込む窮屈な現実