い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百七十三小節

2019-08-31 | レッスン
弱音を吐いたら苦しくて

思い切り吸い込んだもの

考える余裕はなく
選択する判断力もなく

見えない神様にすがる
最後の頼みのように

目の前に現れた光の正体

確認する必要はなく
心を照らしてくれる
穏やかな力強さに
ただ 両手を広げた

百七十二小節

2019-08-29 | レッスン
指切りで繋いだ約束が切れた時

どうして と理由を聞いてはいけない
たられば の言葉にすがってはいけない
責める言葉に我を忘れてはいけない

風が吹き雲が形を変えるまで
空を見上げる

時計の針が追いかける事を止めないのは
時の流れを信じているから

ほどけた指の儚さも
涙の熱さを知っているから

百七十一小節

2019-08-27 | レッスン
縦に振るか横に振るか
一瞬の迷いがチャンスを濁す

残り物の福にかけて
目を閉じ選んだもの

誘惑のまぼろしは
綺麗に着飾り手招きをする

見えない先の迷路しかなく
進む事しか出来ないのなら

勝負師初心者の幸運は
微笑しか知らないと信じて

進む

百七十小節

2019-08-25 | レッスン
地球の距離がデコボコを覆い
蒼い星を輝かせる様に

乱れた安らぎに尖った心も
手のひらの温もりがそっと包んでくれる

濡れた瞳を隠すように笑う瞼の隙間から
こぼれる本当を受け止めて

離れた距離が映し出す
燃える星の正体を

見守る場所を探し出す





百六十九小節

2019-08-23 | レッスン
横顔の眼差しの先にあるもの

一緒に見ようと背伸びした

透き通る志は遥か遠くを映しても

追いつくことのない距離がある

どうか このまま

羽ばたくことを恐れずに
努力の重さを台にして
離れる呪文を覚えたら

同じ景色が映ると信じよう

百六十八小節

2019-08-22 | レッスン
重い体を棚に上げ
上から目線で見下ろした

人のフリは細部まで見えても
反省のこだまは返ってこない

霊長類の垣根を越えて
マネする賢さもため息に消え

ふつふつと煮えたぎる泡は
空に浮かべずにパチンと

はじけた

百六十七小節

2019-08-21 | レッスン
自問自答の項目が増え窮屈になる

人生の歴史の中で覚えるべき年号と
語呂合わせの知識は一致せず

感情の厚い表紙に覆われて
着実に場所をとる生活

優先すべき年表の記入に一喜一憂し
勉強をおろそかにした

昨日と今日の間で気付く束の間の空間で
浮かぶ想いを記憶に残す

百六十六小節

2019-08-19 | レッスン
大人未満の登場人物は

思い出のゆりかごの中

いつの間にかスヤスヤ眠る

大人の振りした主人公は

理想のまぼろしの中

迷路にハマり途方に暮れる

手を伸ばしても掴めない

ひとひらの陽炎に揺らぎ

眩暈さえ覚えるしがらみの中

背負う重みにカツを入れる

百六十五小節

2019-08-16 | レッスン
ただ 好きになる
いつも 会いたくなる
声が聴きたい
顔が見たい

始まりはいつも突然で
すべてを支配するほどの大きさで
逃げ場はなく
ただ ただ 堕ちていく

今は今
その先がどんどん遠のいても
その時が 今

百六十四小節

2019-08-14 | レッスン
人 になる難しさを痛感する日

記録にも残せないような遠い日から
延々と繋がる命のバトンも

偶然に迷い運命に翻弄され
現在を生きている

ひとりでは生きられない弱さを認め
支えあい人の形を保とうとする

寄り添う重みはそれぞれだとしても
DNAの数ほどの偉大さだとしても

ひとつの心の中のかくれんぼは
本人さえも見つけ出せない