菅首相の政治モットーの一つは「ブレない政治」なのだそうだ。なるほど「政治姿勢」や「信念」に揺るぎがない、ということであれば立派である。しかし、さして称賛に値(あたい)しない程度の「政治姿勢」や「信念」だとしたら、どうだろう。他人の意見に耳を傾けず、都合の良い意見だけを聞いて自分の考えを通す、つまり固執する--。単なる「頑固」「愚直」ということに、ならないか。
学術会議問題、コロナ禍対策に共通するもの
学術会議の会員任命拒否で浮き彫りになったのは、異なる意見や批判的な意見を排除する政治姿勢であった。GoToトラベル問題では「分科会の専門家から、人の移動では感染しにくいと聞いている」や「(分科会の専門家の意見では)深刻な事態には至っていない」を繰り返し、責任を特定の専門家になすり付けつつ、停止時期を延ばしに延ばしてきた。
中川俊男・日本医師会長、尾崎治夫・東京都医師会長ほか多くの専門家が「もはや医療崩壊の寸前だ」と悲鳴を上げても、こちらの意見は聞こえぬふり。さまざまな情報が入手できる総理大臣の立場にありながら、限られた意見しか参考にしない政治姿勢は、「不勉強」「怠慢」以外の何ものでもない。
過ちては則(すなわち)改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ(「論語」)
至高至上の「理念」や「信念」ならともかく、あえてそうだと強弁するつもりもないなら、異なる意見にも謙虚に耳傾けてみては、いかがか。必要なのは謙虚さである。そんな姿を国民は好感こそすれ、「ブレる政治家だ」などと批判はしない。
学術会議問題、コロナ禍対策に共通するもの
学術会議の会員任命拒否で浮き彫りになったのは、異なる意見や批判的な意見を排除する政治姿勢であった。GoToトラベル問題では「分科会の専門家から、人の移動では感染しにくいと聞いている」や「(分科会の専門家の意見では)深刻な事態には至っていない」を繰り返し、責任を特定の専門家になすり付けつつ、停止時期を延ばしに延ばしてきた。
中川俊男・日本医師会長、尾崎治夫・東京都医師会長ほか多くの専門家が「もはや医療崩壊の寸前だ」と悲鳴を上げても、こちらの意見は聞こえぬふり。さまざまな情報が入手できる総理大臣の立場にありながら、限られた意見しか参考にしない政治姿勢は、「不勉強」「怠慢」以外の何ものでもない。
過ちては則(すなわち)改むるに憚(はばか)ること勿(なか)れ(「論語」)
至高至上の「理念」や「信念」ならともかく、あえてそうだと強弁するつもりもないなら、異なる意見にも謙虚に耳傾けてみては、いかがか。必要なのは謙虚さである。そんな姿を国民は好感こそすれ、「ブレる政治家だ」などと批判はしない。