斉東野人の斉東野語 「コトノハとりっく」

野蛮人(=斉東野人)による珍論奇説(=斉東野語)。コトノハ(言葉)に潜(ひそ)むトリックを覗(のぞ)いてみました。

断想片々(54)【汚染処理水への疑問】

2023年08月24日 | 言葉
 政府は24日から汚染水の海洋放出を開始した。科学音痴の筆者が言うのもナンだが、福島第一原発汚染水の排水問題がイマイチ理解出来ない。

 政府計画では、汚染処理水のトリチウム濃度を国の排出基準(1リットル当たり6万ベクトル)の40分の1まで薄め、沖合1キロの海底トンネルから放出する。ここで言う「排出基準」とは、平時のもの(基準)のはずだ。これまでの経緯からして、政府が事故前に非常時の汚染処理水の排水基準値を検討したことは、ありえない。

 そもそも汚染水の生成過程が違うのだから、排出基準も平時と非常時とは別物であるべきはないか。排出規模や排出方法、排出期間と集中度を考えれば、数値の意味するものは異なる。ところが政府は今回、平時に用いられるべき基準値を非常時の基準値として用いた。別個に考えるべき数値を同じ土俵上で比較している。

 「40分の1」にしても、要は施設内で薄めるか、海に放出してから自然作用で薄めるか--の問題であるように思える。筆者のような科学音痴の考えそうなこと、だろうか。 

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