斉東野人の斉東野語 「コトノハとりっく」

野蛮人(=斉東野人)による珍論奇説(=斉東野語)。コトノハ(言葉)に潜(ひそ)むトリックを覗(のぞ)いてみました。

断想片々(50)【漁師サンの記者会見】

2023年04月18日 | 言葉
 岸田首相が標的になったテロ事件。繰り返し流される襲撃時のテレビ映像で、ひときわ目を引いたのは赤いシャツ姿の漁師男性だった。犯人をヘッドロックで押さえつけた勇敢な行為。よく見れば犯人はこの時、まだ鉄パイプ爆弾を抱えていた。

 筆者としては漁師さんの談話や、どういう人かといった部分を真っ先に読みたいところ、知りたいところだった。ところが某日刊紙がこの部分を報じたのは18日付けの朝刊社会面。事件発生が15日、当の漁師が「記者会見で」語ったのが16日、紙上で報じたのが18日。速報性がイノチの日刊新聞としては、スローモーに過ぎはしないか。
 記者会見を設定したことも、各メディアが競争意識を捨てて歩調を合わせ、安易に流れているようで、なじめない。

 まあ、この新聞社のために弁じれば、新聞休刊日のため17日付け朝刊が発行出来なかったこと、メディアスクラムになるのを避けたこと、といった事情があったのかもしれない。
 新聞休刊日の増加には戸別配達制度の難問が絡む。メディアスクラムの弊害も当然考慮しなければいけない。しかし、仕方がないと言ってしまえば、それまで。他の日刊紙の中には、いち早く漁師談話を載せた新聞もあったのだから。

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