徒然草

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映画「ア ラ ジ ン」―痛快無比!ディズニーワールド実写娯楽映画の真骨頂だ―

2019-06-20 12:15:01 | 映画


 梅雨の中休みもあるが、暑い日々が続いている。
 やがて本格的な夏の訪れとなるだろう。

 言わずと知れた有名アニメーションの実写映画化作品だ。
 話の面白さ、楽しさがいっぱい詰まっている。
 原作は、1991年の大ヒットアニメに実写化「アラジン」の原典「アラジンと魔法のランプ」「千夜一夜物語」に付け加えられたもので、現在も紛争で揺れている中東シリアのルーツをたどるような内容となっている。

 何かと気忙しい今の時代、時には童心に帰って、緻密で華麗なファンタジーの世界に遊んでみるのも一興ではないか。
スピーディーなアクションはもちろん、夢と現実を交錯させ、古典的な物語を幅広い観客層に楽しませてくれる。
 娯楽映画であり、ダイナミックなエンターテインメントそのもので、コミカルな味付けと相まって、比類のない夢空間が次から次へと展開する。
 ガイ・リッチー監督による、近頃妙味満載のアメリカ映画の大作といえる。


砂漠のアグラバー王国・・・。
貧しいながら心の清らかな青年アラジン(メナ・マスード)が、王宮を抜け出した美しい王女ジャスミン(ナオミ・スコット)と出会って一目ぼれする。
ジャスミンを侍女と思って、また会いたいアラジンは城に忍び込むが、王座を狙うジャファー(マーワン・ケンザリ)に捕まって、洞窟から魔法のランプを持ち出すよう命じられ、子猿アブーの失敗で閉じ込められたところを、ランプの魔人ジーニー(ウィル・スミス)に救われる。
ランプをこすると巨人ジーニーが現れ、願いが三つ叶えられるという。

王は娘のジャスミンをどこかの王子と結婚させたい。
でも、娘は白馬のプリンスを待つことなく、自分の国を治めたいのだ。
ジャスミンもまた王座を望み、一方アラジンに惹かれる。
彼女の正体を知って、アラジンは身分の違いが心に影を落とすのだったが・・・。

アラジンとジャスミンが魔法のカーペットに乗って、空を翔ける場面が見もので楽しい。
ここで流れる音楽は「ホール・ニュー・ワールド」で、アニメ版に書いたアラン・メンケンの大ヒット曲だ。
音楽担当のアラン・メンケンという人は、この作品のために新曲まで書き足した。
それは、ヒロインのジャスミンがクライマックスで謳い上げる、力強いバラードだ。
すべての作曲を手掛けたメンケンの役割は大きい。
人柄は気さくだが、大作曲家だ。

ランプの魔人ジーニー役のウィル・スミスは5月に来日したが、この映画では30年間のキャリアで培ってきたものを全て燃焼し尽くした感がある。
アクションあり・ミュージカルありだし、空飛ぶ絨毯で滑空する映像は迫力満点、ヒップホップなノリの歌も悪くないし、サービス満点、にぎやかなお祭りのような豪華な娯楽映画に仕上がっている。
CGを交えているが、全編に渡るリアルっぽい映像はアニメとは違って、視覚的な楽しみを十分与えてくれる。

ヒロインのジャスミンのキャラクター設定は、結婚が最大の関心事ではなく、人間の自由と尊厳、そして民の幸福を願っているところにある。
邪悪な大臣に憤慨し、実写版の新曲では自分の意見を聞いてほしいと訴えている。
このあたりに、何やら政治的にも道義的にも、この2019年という令和の年代にこの作品がつくられた意味があるのではないか。
そこに、今回のアメリカ映画、ウィル・スミス監督の「ア ラ ジ ン」の興行収入が70億円を超えるといわれるゆえんがあるのだろう。
ディズニーの娯楽映画としては、ひときわ傑出した見逃せない作品となりそうだ。
TOHOシネマズほか全国で公開中。

       [Julienの評価・・・★★★★☆](★五つが最高点)

次回は日本・フランス合作映画「横顔」を取り上げます。


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