ぼちぼちいこか。一緒に歩こう!

LDとアスペルガーのボーダーの息子と共に歩いている母の日記

悲しみと怒りと・・・

2010年09月19日 | 子供のこと
学校からの通達は「退学処分」
あまりの内容に身体も頭も固まってしまった。
「いじめをしたら退学処分」とは入学当初から言われていた事。

息子は校外学習の授業の中で、いじめている子達と同じグループ
いじめられた子は自分の気持ちが表現できない特徴があったらしい。
少人数の中でのからかいやいたずらに参加してしまったと言う事。
その子が学校に来れなくなり、事が発覚。
その中に息子の名前があった。

よくよく話を聞くと、この前から、いじめはあったらしい。
その内容は、一線を超えている行為だったが、息子はそれにはかかわっていない。
息子は、いじめを受けた子と特別仲が良かった訳ではないが
馴染んでいないようなのについて来るので、何でだろう?と思っていて
その子にも、話しかけたり、その子に話せそうな話題をふったりしていたらしい。
でも、反応がなく、何でだろう?の連続だったらしい。
からかわれるようになった時、息子はその子に
「嫌なら嫌ってはっきり言った方がいいよ」と声を掛けたが答えがなく
嫌がっていないのかな?と思ってしまったらしい。
対人関係がへたくそな息子らいい。

でも、この事がきっかけとなり、その子が学校に来れなくなってしまった事は事実
その場にいて、止める事ができず、その場の雰囲気に流され参加してしまったことも事実
ゆえに、いじめの内容は関係なく、退学処分と言う事
一方的な内容に思考回路が戻るまで時間がかかった。

しかし、先生は息子の受け止め方をみて、変われる可能性がある、
退学させたくないので
その子が学校に来れるようになるまで、通信制のコースで勉強し
状況が落ち着いたら帰って来てはどうか、との選択肢を提示してくれた。
学校は続けるが、ずっと家にいるって事だ。クラクラする!
その子が落ち着くまで・・・と言われても、発達の問題がある事を考えれば
その可能性はゼロに近いだろう。

黙って聞いてた息子は「少し考えさせて」と答えた。
しかし、私は話を聞く中で、だんだん怒りが込み上げてきた。
なんだかおかしい!
学校で起こったいじめ、でも校外で、先生がいないところで起こった事
だから、監督できなかった=子どもが悪い、と。
しかし、学校は、責任を持って子供を預かっているはず。
どこで起こった事であろうが、そこには監督責任があるはず。
ましてや、担任がほぼ毎日お母さんに連絡し、学校の中でも
かなりの配慮を必要としていた子を、要注意の子供達と同じ班にし
視野に入らないところで活動させた責任はないのか。
そんな環境に置かない配慮があったら・・・。違うかな。
いじめのない学校と掲げるなら、いじめをさせない環境をつくらなければ!
どんないじめでも、即刻退学処分であるならば、尚更いじめをさせない環境を
全力で作ってもらわなければ。
それだけの重みを感じていただろうか?それだけの覚悟で
子供達とかかわっていたのか・・・?
いじめた子を退学にしていけば、確かにいじめは再発しない。
でも、同じ事は必ず起こる。その、同じ事を起こさせないためにも
監督責任を痛感して欲しい。
息子のような体験をさせない為にも。

しかし、監督責任なんて言葉も責任のなすり合いのようで好きじゃない。
責任を取って欲しい訳でもない。

息子だって問題を抱えている子、だからこの環境を選んだのに
1学期の間、何のアプローチもなかった。息子と担任の先生との関係は
友達関係の悩みや、疑問を話せる関係ではなかっただろう。
もし、その子の事を先生に話せる関係であったなら・・・
普通の高校なら、いたしかたない。しかし、しかし
少人数制で、心理面でのケアも同時にしていきます、と言う学校で
普通の学校の先生と同じような対応では、何のためにこんな高い学費を
払って入学させたのか分からない。
担任から私たち親にも、何のアプローチもなかった。
何に困り、何を必要とし、何を目標にしているのか・・・
何も知らずに、何のケアができるのか???
そんな疑問を持ていたところだったので、どうしても納得がいかない!
 
しかーし、怒ってはだめだ。対立してはいけない。
交渉事は怒ってはダメ(父の教え)
ゆっくり確認しながら、一つ一つ、思いを伝えていった。
先生方の表情が変わっていき、真剣に聞いてくれた。
結果的に、処分は変わらないが、息子にとってはとても重いこの処分
先生もこの重みを感じ、必ず元のコースに戻れるようにする事。
その間、息子との関係をしっかり作っていけるよう時間を作っていく事。
親とも面接を行う事。等々約束してもらった。

担任の先生も、泣きながら今までのかかわりの不足を謝ってくれた。
でも、気付くのが遅いよ!

まだ、納得はいかない。
主人は、学校の監督責任とその危機意識や配慮が足りなかった事を学校本部に
きちんと伝えているのか?
伝えた上での処分なのか?
なぜ、一線を超えたいじめをした子と、同じ扱いになるのか?
確認が必要と言う。
でも、どの道、相手の子が登校できなければ息子は学校にいけないのだ。
これもどうかとは思う。
どんな状況であれ、排除して守るとというのは、その場限りの事。
問題の本質は蓋をしたままではないか?
いろんな事が、まだまだ不消化。
でも、こうなった以上、この時間をどう使うか、考えようと息子と話した。
バイト、ボランティア、資格を取る等々。
もう、前を向いて行くしかない。
いつか、この時期があって、今があるんだよと言えるように。