夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

2017年 3月25日(土)「道徳と現実の乖離」

2017年03月25日 20時18分23秒 | 「思うこと」
毎日新聞に教科書検定、道徳 修正細部までという記事がある。
「友だちの家のパン屋でおいしそうなパンを土産に買ったりして、自分のまちに愛着を持つ--という設定」(上記サイトより引用)
ところが
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」を学ぶ(同引用)
という検定の結果、「パン屋」が和菓子を扱う「お菓子屋」になったという。
今テレビの番組で「日本はすごい」というようなものがあるが、国が同じようなものを子供に教えるというようなものです。
パン屋はだめで和菓子を扱うお菓子屋ならいいと聞くと笑ってしまいそうになるが、そうも笑ってもいられないでしょう。
「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」。。。国を愛する態度を子供に教えるというのでが、国を愛することとはどのような態度かがパン屋ではなくて和菓子屋なのです。この和菓子屋に「伝統と文化」を見ることになるのでしょう。
これでは相当画一的なことを子供たちにその態度を教え込むことになります。
「朝食はパンではなくてご飯です!」と言えば、先生も国も喜びますね。子供の評価もよくなるかもしれません。これが教育でしょうか?
伝統や文化というのは時代によって変化していきます。朝食にパンの家庭も多いでしょう。一時若い人のコメ離れも話題になりました。生クリームがたくさん入った菓子パンのほうが大福よりもいいという若い人も多いでしょう。すでに日本の文化や伝統はパン食もあれば日本食も入り混じったものになっているのが現実です。
これで思い出すのが明治政府による廃仏毀釈です。
それまで神道も仏教も混在一致した進行になっていました。明治になり神道が国教のようになり、廃仏運動が広がりました。記憶によると世界遺産の法隆寺も危なくは維持になる寸前だったとか。それを救ったのが外国人のフェノロサ。。。。
ですからパンはだめで和菓子ならいいというのは笑い事ではなくて深刻な教育をはじめとした社会システムの悪化なのです。
このような社会においての「伝統と文化の尊重、国や郷土を愛する態度」としての道徳とは何でしょう?
伝統や文化を壊すのも廃仏毀釈に見る、パンはだめで和菓子という思考方法なのです。それを国が行うのです。
国が主導する道徳とはこのような矛盾があります。
子供たちには道徳を教え、大人には公助よりも自助で国への奉仕です。
しかし実際の社会は、お年寄りを敬いという道徳の代わりに年金切り下げ(支給年齢も含めて)が行われます。
ブラック企業がはびこります。100時間未満の残業をしろと言います。
社会保障は受けにくくなり、子供を保育園にも預けられない。
国への道徳や奉仕と現実社会の仕組みは乖離していく一方です。これを我慢しろというのもまた道徳なのでしょう。

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