夕螺の一言日記

毎日心に浮かんだことなどを書いてみたいと思います。。。(2014年3月13日開設)

gooお題「桜は開花しましたか?

2017年03月24日 18時29分34秒 | 「詩情」
一輪咲きそうでしたが北風が寒い。。。。。
宵の桜の幻想。。。。
2008年に書いたものがホームページから出てきましたので採録

もう何年前だろ。。。
小さな川を渡った次の駅に
僕は誘われるように
降り立った
どうも不思議なのである
いつもの通勤電車の車窓に
桜の季節になると
ピンクの桜が満開になる
線路から五百メートルぐらいだろうか
小さな川のほとりにその桜は咲いている
しかし。。。。
朝の通勤には見えないのである
きまって宵から夜にその桜は見える
ぼうっと浮かぶようにその桜の木は立っていた
その日も桜が満開だった
暮れる宵の空には
春宵月
オレンジ色の欠け行く月が
ぼうっと低く浮かんでいた
小さな川を渡った次の駅。。。
降り立つと宵の暖かな空気が
僕を包み込んだ
僕はひきつけられるように商店街を抜け
小さな川を探してゆらゆらと歩いた
まだ宵というのに人通りが少ない
すれ違う人の顔が見えない
うつむいているのか。。。。
ぼうっと影のように見えない
やがて小さな川のほとりに
その桜は大きな桜だった
もう夕闇になり
桜は霞むように立っていた
一枚そして一枚と
花びらが散り始めた
僕は見上げた
春の風は心地よい
春の風は花びらを落とす
僕は一瞬めまいを感じた
花びらはさらさらと降る
「こんばんわ」
「いらしてくださったのですね♪」
僕は驚いて後ろを振り向いた
そこには透き通るような女性が
僕を笑みを浮かべて見ていた
「こんばんは。。。。」
白いワンピースがゆらゆらと
それは桜色に染まりつつあった
くるくると舞う
くるくると花びらも舞う
「ハハハハ・・・・」
春月夜に声が響いた
僕は周りを見つめた
そこは小さなお墓が
孤独に立つ墓地だった
僕は春月夜を見上げる
くるくると花びらは舞っていた

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