幽玄洞ブログ

岩手県一関市東山町からローカルな情報を発信していきます。

「化石のお話しと化石掘り」 石と賢治のミュージアム

2010年05月10日 | 東山町

5月10日は地質の日。この日を記念し今回初めて一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」では9日、国立科学博物館の椎野勇太先生による「化石のお話しと化石採集」が行われました。
この催しには小学生25名の募集に対し男性19人女性7人が参加。予約殺到で遠くは花巻からの応募もあるなど反響が大きかったようです。

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講師の椎野先生は今年東京大学大学院をご卒業し、国立科学博物館で特別研究員をなさっており、ここ数年気仙沼上八瀬地区で地質調査をしていたことから同館の紹介で講師として招かれました。
先生は在学中、5億3千万年の生命の進化を化石を調べることによって解明するという地球惑星科学を専門に研究なさっていた方で博士でもあります。

まず化石のお話しでは、化石の定義、海生生物が山で採れる理由を説明。そして子どもたちに先生が持参した4億年前(デボン紀)の本物の三葉虫と腕足動物(わんそくどうぶつ)の特徴をとらえてスケッチをしてもらい、各々の化石の部位の役割などスライドで説明しながら話を進めます。

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つぶつぶのきれいな三葉虫の目を取り上げ、三葉虫から見た外界を紹介。三葉虫は目があまり良くないことを理論づけました。テレビで「仮面ライダーダブル」を見た先生は三葉虫の目に似ていることから動きの悪いものには弱い。敵と戦うには人間の目の方がよいのではといった子ども目線に合わせながらも研究者らしい見解も述べていました。
質問の場面では「日本も地殻変動によって出来たのか?」「火山はどうやって出来たのか?」「アイスランドのマグマは?」と社会情勢もからんだ高度な質問が飛び出すなど、先生も専門外の質問に苦笑いを浮かべるシーンもありました。

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唐梅館公園での化石採集では東山町の化石マニア、岩手地学教育研究会員の七田清先生と元高校教諭の原子内貢先生も加わり化石の指導に当たります。

Kaseki5


しばらくすると「三葉虫が出た!」と声が上がり、本命の発見に採集した花巻から来た小学生は「採れると思っていなかったのでうれしい」と喜びを語ってくれました。

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最後は順番に並んで椎野先生に一番良い化石を鑑定してもらいました。
腕足動物のコケムシはたくさん採集され三葉虫1個という残念な結果になりましたが、この体験を通して大昔の動物をとらえたときに三葉虫と腕足動物が重要であることは子どもたちにとって理解できたのではないでしょうか。

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