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火星年代記

2024年08月02日 | 読書
家にあったけど読んだ覚えがない本を読みました。
読んだ覚えがないと言いつつ「あぁ、これ読んだわ!」
となると思ったのですが、ホントに読んでませんでした。ははは。
ずいぶん長いことうちにあったと思うんだけど。なぜ読んでなかった?



 火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。
 火星人が探検隊員を彼らなりのもてなし方でもてなしたからだ。
 つづく二度の探検隊も同じ運命をたどる。
 それでも人類は怒涛のように火星へと押し寄せた。
 やがて火星に地球人の町ができたが、
 そこには火星人たちの姿はなかった…
 精神を欠いた物質文明の発達に厳しい批判の目を向ける
 ポエジイとモラルの作家が26篇のオムニバス短編で謳いあげた
 SF史上に輝く永遠の記念塔!

 (裏表紙より)

26篇は以下のとおり。

1999年1月 - ロケットの夏 (Rocket Summer)
1999年2月 - イラ (Ylla)
1999年8月 - 夏の夜 (The Summer Night)
1999年8月 - 地球の人々 (The Earth Men)
2000年3月 - 納税者 (The Taxpayer)
2000年4月 - 第三探検隊 (The Third Expedition)
2001年6月 - 月は今でも明るいが (-And the Moon Be Still as Bright)
2001年8月 - 移住者たち (The Settlers)
2001年12月 - 緑の朝 (The Green Morning)
2002年2月 - いなご (The Locusts)
2002年8月 - 夜の邂逅 (Night Meeting)
2002年10月 - 岸 (The Shore)
2003年2月 - とかくするうちに (Interim)
2003年4月 - 音楽家たち (The Musicians)
2003年6月 - 空のあなたの道へ (Way in the Middle of the Air)
2004-05年 - 名前をつける (The Naming of Names)
2005年4月 - 第二のアッシャー邸 (Usher II)
2005年8月 - 年老いた人たち (The Old Ones)
2005年9月 - 火星の人 (The Martian)
2005年11月 - 鞄店 (The Luggage Store)
2005年11月 - オフ・シーズン (The Off Season)
2005年11月 - 地球を見守る人たち (The Watchers)
2005年12月 - 沈黙の町 (The Silent Towns)
2026年4月 - 長の年月 (The Long Years)
2026年8月 - 優しく雨ぞ降りしきる (There Will Come Soft Rains)
2026年10月 - 百万年ピクニック (The Million-Year Picnic)

1997年に出版された改訂版では年代が2030年から始まるそうです。

1999年1月 最初のロケットが火星に向けて発射。
1999年2月 イラは火星人の女性。テレパシー能力に長けており
船上の地球人の考えを読み取り、まだ見ぬ相手に思いを寄せます。
2人の乗組員はイラの嫉妬深い夫に殺されます。
1999年8月 第2探検隊4名は精神異常者として収監され、のちに殺害。
2000年4月 第3探検隊は火星人により巧妙な幻覚を見せられ
結果的に全員殺されます。
2001年6月 第4探検隊が到着した際には火星は廃墟となっています。
それまでの3つの探検隊が持ち込んだ水疱瘡でほぼ全滅してしまったようです。
ここまでがパート1といった感じ。
2001年8月から2005年12月は火星にやってきた地球人(すべてアメリカ人)が
いかに火星の文明を無視し、アメリカの文化を再構築したかを描いています。
しかし2005年11月に地球上で核兵器に寄る全面戦争が勃発し
ほとんどの人々が地球に帰還します。ここまでがパート2。
最後の3篇は約20年後。火星に残っていたわずかな地球人の話2篇と
核戦争を逃れて密かに火星にやってきた2家族のことが描かれています。
この2家族が新しい火星人になる、というわけです。

時系列の出来事の間に短い詩的な一篇がはさまれ幻想的。
SF小説ではあるけれど第二次世界大戦後のアメリカ批判/風刺がメインですね。

なかなか興味深かった。読んで良かったです。
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