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アライバル

2021年09月03日 | 読書
今使っている2021年版のほぼ日手帳には
ショーン・タンの絵本「アライバル」が描かれています。



幻想的ですよね。
ぜひ読んでみねば!と去年言ってたのに忘れていました。
ので、読みましたっ。



デカいっす。
絵本ではなく正確にはグラフィック・ノベルだそうです。
子供向けではないんですよね。

1人の男が何やら不穏な影を帯び始めている祖国に
妻と幼い娘を残して新天地へと向かいます。
言葉が通じない、右も左も分からない土地で
なんとか住居を見つけ、仕事を見つけ、友達も作ります。
その友達もみな移民。
弾圧や戦争や貧困から逃れてきた人たちです。
月日が流れ、ようやく男は妻子を呼び寄せることができます。
再会を喜び、表情も明るくなる家族3人。
最後のシーンではお使いに出た娘が
道端で途方に暮れている移民らしき女性を助けてあげていました。

このお話すべてが言葉を使わずに描かれるのがすごいですね。
新しい土地で書類や看板に使われている文字も架空のもの。
だから読者も主人公の困惑を体感することができます。

プーは海外に暮らしたことはありますが
社命で赴任する父や夫の家族としてなので
(要するにいずれ帰国する身なので)
「アライバル」の主人公ほどの疎外感や孤独感、
そこに生活の地盤を作らなければならないという
必死さは経験したことがありません。

いろんな人に、多くの人に、読んでもらいたい本だと思いました。
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