Nature が、福島の論文記事をピックアップするのは、珍しいことである。
今まででは、ノルウェーの気象研究所のストールらの論文記事が超有名となった。
瞠目すべき事実として、
1.核種によっては(キセノン、クリプトン等)、福島事故は、チェルノブイリ事故よりも大量の放射能物質を
放出している。
【際立って注目されているセシウムに関しては、「フクイチ」からのセシウム137の放出量は、
日本政府の公式発表のほぼ倍にあたる、3.5×10・16(10の16乗)Bqに 達していた。
これはチェルノビリのセシウム137放出の半分に相当する。】
”The new model shows that Fukushima released 3.5×10・16Bq caesium-137,
roughly twice the official government figure, and half the release from Chernobyl”.としている。
(当初日本は、セシウム放出はチェルノブイリの1/20程度としていた。その後修正し、今でも1/6程度としている。)
2.放射能漏洩は、津波到達よりも前に起こっていた確かな証拠がある。
という、当時としては驚天動地な事実を、【世界中のモニタリングポストの計測結果を総動員することで】、
世界に知らしめた。
(東電は、故障でモニタリング結果は無いとし、福島県は、3年間モニタリング結果を隠蔽し通した。)
驚くべきことに、今でも日本政府、東電は、この事実を黙殺したままであり、
あらゆる国の委員会で、放影研、放医研のお歴々は、このことに、一切触れない。
(もっと驚くべきことに、全ての委員が、全く話題にしない。)
さて、それ以来のNature Selection がリリースされた。
これは、国内では、全く(朝日デジタルのみ例外的に1度だけ)報道されていないが、
ここでは、その重大性から、何度も紹介している。
阿武隈流域の汚染状況、その「定量化」と、そのおびただしい量(推定890テラベクレル!!!!!)のうち、1%余が、風雨によって海に押し流されたという事実が2年余に渡る調査研究から明らかになった。
その量が半端でなく(セシウム総計10テラベクレル級)、いわゆる、【原子力事故のレベル3相当の、「漏洩が自然現象によって起こっている」】、という驚愕の事実が公表された。
Natureもびっくり仰天である。それゆえピックアップされたのだが。
特に台風15号が、重篤であったとの指摘がなされているが、
この台風だけで、海に押し流されたセシウムは6.18テラベクレル(TBq)。
このうち、84~92%が粒子態だという。
つまり、これだけの放射能物質(セシウム)が、環境中を彷徨っているのだ。
観測期間全体における阿武隈川流域からの太平洋へ”漏れでた”放射性セシウムは、
137Csが5.34 TBq、134Csが4.74 TBq。
「
2011年8月10日から2012年5月11日の期間において、
この盆地の河川流域で輸送された放射性セシウム全体の84~92%が粒子態で運ばれたと推定される。
このモニタリング期間において、2011年9月の台風15号によって、
放射性セシウムの著しい輸送が一時的に生じたことが観測された。
この台風によって陸域から沿岸域に流下した放射性セシウムは6.18テラベクレル(TBq)であったと推定される。
これは、観測期間に沿岸域へ放出された全フラックスの61.4%に相当する。
観測期間全体における阿武隈川流域(流域面積5,172 km2)からの太平洋への放射性セシウムフラックスの
推定値は、137Csが5.34 TBq、134Csが4.74 TBqであった。
これは、阿武隈川流域全体に降下したと推定される全放射性セシウム(890 TBq)の1.13%に相当する。
これは、2011年6月から2012年9月に福島第一原発から直接漏洩したと推定される量(17 TBq)や、
2013年8月21日の国際原子力事象評価尺度【レベル3】の漏洩量(24 TBq)に匹敵する量である。
」
フルペーパーPDF: http://www.nature.com/…/…/140116/srep03714/pdf/srep03714.pdf
つまり、阿武隈川流域というのは、【恒常的に、レベル3の放射能事故発生状態にあるのだ】
なぜそれを、安全だ、とか、安心せよとか、NOxや、SOxの方を気にせよ大したことない、とか、
バカなことを言う輩が、次から次へと絶えないのであろう。
放影研、放医研は、歴史的罪を背負っているので、しようがないとしても、国の意思決定機構からは、外すべきだろう。
この方々は「空間線量」20mSv、「水脈」は常にレベル3の事故状態、「地層、土壌」は直接降下はもちろんのこと、
メルトスルーしてどうなっているかもワカラナイ、その場所に、帰還だ帰還せよと大騒ぎし、
日本の子どもたちを平気で殺す人種(お役目とは言え、重松逸造、山下俊一らは、チェルノブイリで安全宣言し、
少なくとも数十万人を死に追いやった。)である。
原発事故関連死が事故後3年で1000人を超えたとの報道があったが、
これまでに一体、法律で定められたシミュレーション結果も知らせず、ヨウ素剤も与えず、何人殺したのだろう、
そしてこれからも、しらばっくれたいがために、どれだけの人を殺すつもりなのか?
自己防衛の重要性を、この記事を契機に再認識、さらに強化されたい。
”
Abukuma River itself had become the source of Level 3 nuclear accident radiation leakage to the environment. This paper is an original, well-grounded one, and is full of verified numerals.
”
Source:Nature Asia :
"福島第一原子力発電所の影響を受けた最大河川流域から海洋への粒子態放射性セシウムの初期フラックス"
http://www.natureasia.com/ja-jp/srep/abstracts/52665
転載以上