夢の介音楽夜話

音楽、アート、グリーン、クラフトなどなど徒然なるままに

視覚と音と

2020年04月26日 | 音楽



「Ampeg」というミュージカルアンプメーカーが好きだ
とりわけベースアンプで有名で、今でも冷蔵庫のような大きさのスピーカーボックスとアンプヘッドを見かけるだろう

学生時代、「ソリッドステート」という言葉が横行して、オーディオもミュージカルアンプもはトランジスタ化の道を歩んだ
真空管式のアンプは、重くてかさばって大きさの割りに出力が出ない、重いのは変圧器のせいでこれが高熱を発する

トランジスタは軽いし量産化でコストダウンを実現し、あらゆる電気製品に使われることになった
しかし、高級オーディオとミュージカルアンプの一部は相変わらず真空管の伝説を守り続けている

弦楽器は現振動が減衰していくから都合がいいのだが、一方で音の伸びを期待して残響や効果音をつける
エレクトリックギターはエフェクターによって膨大な種類の音色をチョイスできるようで、エレキベースも右にならえのようだ

しかしこうしたエフェクトもので遊んでいるとやがて飽きてきて、きれいに歪んで音が伸びてくれればいいと思うようになる
真空管アンプの頼んでもいないのにまったりした野太さとか、輸送機が飛んでいるような安定感は、ベースマンにとって嬉しい

 

ところで写真はその昔日本で作られていたカマカ、KEIKI(ハワイ語で子供という意味)というタイプで現在もオークションなどで見かける

日本製のウクレレ が格安で売られていた頃、ナイロン製のソフトケースがついて千円以内だった

しかし日本人の感性は価格以上の出来栄えで今でも懐かしい

コアの材で作られたタイプもあったようだが、お目にかかったことがない、、懐かしいあの頃、




Twist and Shout - MonaLisa Twins ft. Mike Sweeney (Bert Russell/The Beatles Cover)


オールアメリカンリズムセクション

2020年04月26日 | 音楽



学生時代ジャズが苦手だったのにも関わらず、部室の階下で練習するビッグバンドは好きだった
ウッドベースを横たわらせて弦を張り替える先輩ベーシストがカッコ良かったし、とてつもなく軽い本物のジャズベースは憧れだった

1979年のオランダでのカウントベイシーオーケストラの映像を見ていたら若き日のジョン・クレイトンがいた
数年前の東京ではほとんど指揮ばかりでベースはちょっとしか弾かなかった彼がフルに弾いているではないか

ドラムのブッチマイルスのプレイが派手で印象的だ                     ジャズドラムを習得するのも長い道のりを必要とするのだろう

学生時代ビッグバンドのドラマー要員は1年から3年まで公園で練習のみ、レギュラーとして活躍できるのは4年になった1年間だけだった

弦楽器のリペアマンから聞いたらベースやバイオリンは微妙に左右非対称になっているという  音響的にそれが良いことは彼のストラディバリも知っていたそうだ

出かけてはいけない長の連休に練習でも励めば良いのだがそれができないのが人間の性     せめて聴いて勉強したことにしよう

 

 







Count Basie And His Orchestra 1979 part 1


浜崎は今日もダメだった

2019年06月01日 | 日記・エッセイ・コラム


幾度となく通り過ぎた通りの奥まったところに佇む古いレストラン
ドアを開けると二人の女性がサービスをしている

こうした隠れたお店を探すのが、外食の際の楽しみとなっている
いやここもチェーン店なのかもしれないが、店内はレトロ、昔を懐かしむようでいい


家人が若い頃、職場の男性に連れられて通ったお店と同じ名前だったこと、どうやらメニュも同じようだ
ネットで調べてみれば小平で外国人の建物を使ったレストランが発祥らしい

赤いスポーツカーに乗る老人が、彼女を連れて通うお店が欲しくて自ら作ってしまったというエピソードが粋だ
建物やインテリアのお洒落さに加えて料理の味が良かったそうだ

従業員達にも居心地が良かったようで、暖簾分けでお店が広がったという
音楽の話をしながら、今年も近づいていた尾崎さんの命日を思いやる


若い頃から愛読していた「釣りバカ日誌」、長崎佐世保を舞台にした映画に尾崎さんが出ている
歌はもちろんのこと、役どころとお芝居が絶妙にはまっていたので驚いたものだ

声を張り上げるカントリータッチの歌い方と風が吹きわたるようなハワイの唱法のミクスチュア
尾崎さんの歌が心を揺さぶるのは、そんな大地から海から響き渡る声に圧倒されるからだろう

お店のKさんが佐世保のご出身と伺って、映画「釣りバカ日誌」の話をすると
彼女のお兄さんが佐世保の観光課にいらしてかの映画ロケを誘致したとか、、、縁は異なもの味なもの、、

カントリーミュージックが聴きたくなってきた
その昔通った銀座や六本木のライブスポットが懐かしい





MY LOVELY TOWN  尾崎紀世彦 with 西田敏行


Little Bit of Love - Jack Johnson, John Cruz & Friends

にじを追いかけて

2018年10月10日 | 音楽


大雨と暴風の続いた10月初旬、久しぶりに秋晴れとなった大学の運動場で、付属幼稚園の運動会を観戦
孫娘たちが男の子たちと手をつないで踊り、三人の幼児たちがひしと抱きしめ合う

かかっていたのは「にじ」という中川ひろたかさんが作曲された曲だった
たまたま雨でできなかったお洗濯も、遠足も、いつかにじがかかって、、、人生ってきっといいことあるよ

中川さんは上智大を中退されて保育士に、絵本作家、作曲家、ミュージシャンの顔を持つ方だそう
メロディが優しくて美しい、ラララの前のブレイクが新鮮だ

今は運動会の親の立場になった娘が幼児の頃、ポンキッキーズなどに佳曲が登場した
乾さんという方が作って歌った「私のお人形」という曲を思い出す

ワンポイントのステレオマイクを持たせた二人の娘を前に12弦ギターで歌ったカセットテープがある
それから20年ほど経ってこの音源にベースやらギターを加えてなんとか一曲にした

残念ながら動画は残っていないが、決して高音質でない音源から二人の娘の当時の面影が蘇る
キッズ向けの音楽は気取らないからいいのかもしれない

ヴィレッジシンガーズの小松さんが「みんなの歌」に向けて作られたという「ハワイアンロックン・ロール」を聴いてみたいものだ
ウクレレをパープルシャドウズの今井さんにお願いして弾いてもらったとおっしゃっていた

キッズの心、いつまでも忘れないで持っていたいもの
幼児たちの姿を見て涙した親御さんたち、経験は送り伝えられる




つるの剛士&中川ひろたか 被災地の小学校で「にじ」をうたう

ニューシネマパラダイス

2018年09月20日 | 映画


思い立ってシネマコンサートなるものに出かける
スクリーンにあのイタリア映画「ニューシネマパラダイス」が、ステージには東京フィルオーケストラのコントラバスが四台並ぶ

考えてみればサイレントからトーキーへと進化してきた映画は、活動弁士よろしくそもそも音声は「生」だったはず
やがて映像と音声は同期して流れる様になってきて、いつしかスクリーンの大型化とスクリーンミュージックの高音質化に慣れきっていた

近年の映画の音声トラックはどういう構造になっているのだろうか
心配していた映画のセリフや音楽と生演奏との切り分けは実にスムーズに行われていて、注視していないとオーケストラを見失うくらいだった

エンニョ・モリコーネの音楽は楽器の使い方が絶妙だ
ピアノ、コントラバス、ガットギター、バイオリン、管楽器、打楽器などの使い分けが、シンプルで効果的だ

この映画、劇場版と監督エディット版とがあるそうだ
恋人との再会までを描いた初版がヒットせず、回想まで短く再編集した劇場版が大ヒットしたという

「青春デンデケデケデケ」の私家版を出版した著者が、初版は編集されたが本音はこっちだと言っていたのを思い出す
初恋の人に会わないでおくのが美しいのかもしれないが、どんな結末であれ「好きだった」というのが作者の気持ちなのだろう

「海の上のピアニスト」というロマンチックな映画も同じ監督で、エンニョ・モリコーネの音楽だった
波のように繰り返すメロディは、洋上に浮かぶ客船のピアノとドラマを物語っていた

「三丁目の夕日」の音楽も美しい
映画音楽はチャップリンの「スマイル」のように、美しくあって欲しいと思う

登場人物のセリフや説明がなくとも、語りかけるような弦の響きは説得力がある
映画監督となった主人公が一人アルフレードの形見のフィルムを見ながら回想に耽るシーンは、この監督自身の姿なのだろう

社会的成功を手にしたトトが、村に帰ってくるなと言ったアルフレードの死を境に回想する
自分の人生とは何だったのか、30年帰らなかった村で目にした変わらなかったものと変わってしまったもの

人は何かを求めて生きている

Ennio Morricone - Cinema Paradiso (In Concerto - Venezia 10.11.07)

映画「ニュー・シネマ・パラダイス完全オリジナル版」日本版劇場予告