山村有佳里のミュージック+プラス

山村有佳里トーク&ミュージック ベネルクス&ちょっとイタリア編



12月4日山村有佳里トーク&ミュージック オランダ・ベルギー+ちょっとイタリア編 終了しました。


自著「有暮れのアリア」をベースにしているこのシリーズですが、今回はチラシにもある通り「今回だけの特別回」ということで、
今回は1月ソロコンや入試が目前ということもあり、またコンクールに挑戦する人のためのに、審査員を務める身としての
視点でお話ししました。

とはいえ、楽器を演奏する人、その楽器もフルートだけでなく、ギター、ピアノ。。。と様々で、
また、音楽、楽器をたしなまない人も聴きにきてくださっている、会ではありますから、楽譜うんぬん、ではなく、

「楽語=言葉、そしてそこから見えてくる背景、それによってどう演奏するのか?」を考える、という切り口で
エルネスト・ケーラー「子守歌」を題材にして楽譜を読むって?をお話ししました。
どうしてdolceなの?
強弱記号のpは全部同じpなの?
速度記号のagitatoはこの「子守歌」でなぜここで「急き込んで」るの?
最後のmorendo「消え入るように」は「子守歌」的にはどういう意味?

そして極め付け、ドビュッシーのフランス語での指示「lointain遠くへ」

??!!遠くへ??!!

さあ、どう演奏するの?作曲家は何を求めてるの?

何故この切り口からお話したかというと、
コンクールや試験で審査員として入っていて思うのは、
譜読みの上での楽譜を読む、演奏するのは当たり前の人達が出てくる中、要するにみんな素晴らしい技術でもって
出場してくるのですが、一番大事な「音楽」を感じさせる演奏になっていないことが多く、
逆にそんなに演奏できるならもうちょっと「音楽」を考える方向から演奏してみては?と思うことがまあ、多いわけです。
「楽譜は読めて当たり前」の人が出場
受験する場に出てくるとき、それが出来ている人と出来てない人で明暗が分かれます。
もちろん「気分」だけで演奏するのはいけませんが。

それはプロでもアマでも関係なく。技術的な余裕、ではなく音楽を理解して感じ、それを音として具現化できるか?が大事。

今、受験前やコンクール、または何か自分にとって大事な演奏会を控えている人がもしこのブログに出会ったときに
ちょっとだけ、間違わないための技術、受かるための技術、から考えた演奏から少し離れて(譜読みは十分済んでいる時期だと思うので)
一番大事な今取り組んでいる曲の伝えたい部分が表現できている演奏か?という方向から取り組まれるのも良いと思います。
ほんの数時間だけでも変わります。

そんな事言ったって、「ちゃんと」「うまく」「まちがえず」「技術的に完成した」演奏が出来なきゃ、出来なきゃ・・・と
考えがちだと思いますが、別の方向から考えてみる、そういった考え方を受け入れてみる、というのも大切です。

それが、私のベルギー時代の先生やイギリス時代の先生が言った、
「違う考えの人の意見も取り入れてみろ」
「逆から考えるのも良いものです」(詳細は「有暮れのアリア」を参照なさってください)
に通じます。
そしてこの考え方は音楽を学ぶ以外でも職場でも学校でもどこでもありえることではないでしょうか?
「こうでないと」を
一度手放して、違う方向からのやり方を柔軟に取り入れてみることができるか出来ないか、で随分差が出ると思います。



フェルメール「真珠の首飾りの女」  フランドル絵画美しい・・・!
真珠の首飾りを着けてうれしい・・・というのではなく、浮かれていないで本質的なところを見たほうがいいよ、という風刺的な絵です。
ほら、ここでも見えているところばかりでなく本質的な意味が隠れています。
「楽語」も何かを取り入れる「考え方」も同じです。




しかし オランダ・ベルギーは長く住んでいたこともあるけど、それを抜きにしても
お伝えしたいコンテンツ・エピソードがいっぱい。
絵画、食、ヴィクトール・オルタの建築、国民性・・・などまだまだ伝えたりません。。。ので、
また別企画で発表していけたらとおもっています。また告知させていただきます(むふふ)

さて、来月1月16日(日)16時~はJEUGIAイベントはラスト、北欧編です。
皆さんのとって「北欧」ってどこ、どんな国?
もしよかったらお話しと北欧の音楽を聴きにいらしてください。

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