山村有佳里のミュージック+プラス

10月トーク&ミュージック イギリス編@JEUGIA三条本店



10/23(土)、京都JEUGIA/APEX三条本店5階J Square「山村有佳里トーク&ミュージック」イギリス編終了しました。

拙著「有暮れのアリア~歴史を受け止め、今奏でる~」をベースに、今回はイギリス編をお届けしました。
最初に住んだ、イギリスケント州タンブリッジウェルズはくまのプーさんの作者、A.Aミルンの家があったハートフィールドの森が
あり、もちろんそこはあのプーさんのお話しの舞台になったところで、そういった写真やエピソードもご紹介しつつ、(スコーンのジャム論争も話しつつ・笑)
「毎朝15分?!エドワードの練習法」をテーマに本に書いてあることを更に掘り下げてお話ししました。


楽器店主催の演奏家がするお話し、というと、楽器をたしなんでいる人のための、と思われがちだと思いますが、
「練習法」と書いてあるものの、普段のそれぞれの生活、仕事、そして自分の思考、行動の「習慣性」がキーワード。

実は当日、パワーポイントが反映できていないページがあり(ショック)、ここに載せます。


 
  毎朝15分?! エドワード式練習法
  3つのメリット

 ①練習の習慣化
  「練習時間の確保自体に翻弄されないようにするため」
  取り入れやすいシチュエーションを設定することでタスクを除く

 ②持続可能な練習時間の設定
  短時間を毎日→定まってない練習時間を都度考えるタスクを除く

 ③優先事項・目標設定がしやすくなる
  やみくもな「練習」からの解放、無駄な考え方の排除をすることで
  タスクを除く




1部も2部も真面目で和やかなお客様ばかりでした。

共通してたのは「朝15分の練習の確保が難しい」
15分は例えですので、5分でも良いのですよ。
そして朝じゃなくてもいいのですよ。
”毎日1時間よりは15分の方が「持続可能」でしょう? ”という例です。
また、音を鳴らすことだけが「練習」ではないので、頭の中で考えておく、音源を聴く、楽譜を見直す(これが一番)も「練習」だと考えてください。(音が鳴らせる貴重な日に調べ物から入ってたら時間無駄ですよ~、また音が出せる時間が減りますよ~)

そして

「毎朝15分?どこでできる?どこでできるどこでできる~?!」

ほらもう
やっぱり完璧主義、全部出来なきゃいけない、が出て来てる・笑。

3つ挙げたなかのどれか「まず採用できるところ」からいきましょう、ということですよ!

この3つが全て出来たらもちろん良いですが、できなければ、どれかひとつ「できそうなもの」から取り入れるだけでかなり
(もう一回言う)かなり変わります。

特に③の「優先事項、目標設定」がしやすくなる
はかなり効果的です。まずはここから取り入れてはどうでしょう?

毎日決まった時間できなくて、とびとびの練習(勉強、仕事、プロジェクトの準備etc.)の場合でも、
「練習の優先事項」をまず決める。
楽器の練習なら「こうなったら絶対嫌だ」→そこをクリアする練習が一番先。
        「ここは得意だからなんとしても外したくない」→一番大事に練習。

ダメなのは、「難しいところ」を中心に練習してしまって、他にできるところ、得意なところもあったはずなのに
「難しいところ」に気をとられていてあなたの「良いところ」まで出来なくなる、またはどれも「そこそこ」になってしまう。

「どこもまんべんなく」出来るように頑張ったのに、実はどこも極めてない状態、という・・・
そして「いっぱい練習したのに、いっぱい練習したのに、いっぱい練習したのに・・・」(負のループ)

こわ~~~~~~~!!!!!


お勧めは、まず、好きなところ、得意なところ、出来るところからつまりハードルを下げて「小問題はクリアしておく」

そうしておくと自分の出来ているところ、できていないところが明白になるので、

あとは「難しいところ」を「気持ちの余裕」をもって練習できる。

心が安定した状態で演奏できるので→自信を持つことができる。


例えば英語の勉強なら
難しい文法や表現や結構難しいレベルの会話、を求めすぎていて、
そこの部分ばかりを勉強していて、基本的な語彙数を増やす、シンプルな勉強は「後回し」にしてしまい、
結局難しい文法もそこそこしか解けず、「勉強」は沢山したけど外国人を前にろくに会話ができず、
実は語彙を増やす、シンプルなセンテンスをたくさん覚えておいたほうが、点数も獲れたかもしれないし、会話もできたかもしれない。
でも、「難しいところ」からつぶす訓練ばかりしてしまう。
(英語のことは本の後半のイギリス編前に出て来るよ~)

そして来てくださった皆さんに共通すること、すごく真面目で一生懸命生きてる人達ですばらしいな、と。
来てくださって、質問や帰宅してから感想を下さった方たち、すごく切実、楽器だけでなく、日々、すべてに関して
「ちゃんと」生きてるひとばかりだなあ、と。
だって、今回のトーク&ミュージックも「どんなかな」と理由はどうでも、「来てみた」っていうのがないと「共有」も出来ないもんね。

で、すぐに実行、全部実行できなくても、日々過ごしてる中で、楽器だけじゃなく、なにかまた似たような事柄が起こった時に、
この話を「ふと」思い出して紐づけて考える時がきたとき、そのときが一番取り入れ時、つまり「腑に落ちる」
とき、だと思います。それからでいい。

良いところが沢山あるのに、「できないこと」ばかり見つめないで、好きな楽器演奏、”好きなこと”、を思うさま楽しんでください。

来てくださった方、全員のことを応援しています。

そして「自信をもつ」って「謙虚であれ」と育てられる日本人には難しいですね。

ヨーロピアンの”得意なものを子供のころから無理のない方法でトライさせてあげて、自然に学ぶ”ということ、
小さい頃から何にせよ、このやり方だからヨーロピアンの要領の良さ、おおらかさ、
何より「自信をもつ」ということが自然と身につくということ、それが
私がイギリス人の家庭に住んで生活を共にし身をもって体感したことです。

一部に来てくださった、朗読家・馬場精子さんがブログに載せてくださっています。
https://ameblo.jp/readinghitoha/entry-12705736504.html?frm_src=thumb_module

馬場さんも客席から、表現者、指導者としてとても的を得た意見をお話ししてくださいました。
「緊張している自分」や「練習が目的」にならず、一番大事なことは「音楽」「作品」であるということ。

美しき馬場精子さんと、伴奏をしてくださった曽我麻衣子さん。



来月は11月21日(日)です!

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