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松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

イメージで遊ぶ

2005-11-11 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
2ヶ月限定のキャンペーンもそろそろ終盤。
今週に入ってからは
呼吸の際のイメージが更に複雑というか
深くなってきた。
毎週のように新たなイメージが加わり、
ちょっと消化不良ぎみか?

太極導引は太極拳の套路練習を利用した運動。
したがって本来の太極拳とは違うけれど、
動きのもととなる型は太極拳だから
動きから要求されるものは
かなり酷似してくると思われる。
太極導引では生死をかけた究極の動きにまで
極めることはしていないけれども、
そこに到達するまでに通るであろう道のりとは、
割合に近いところを通っているのかな
とも思ったりしている。
実際のところ導引練習でも
もう少し明確に動作を意識したいと思えば
武術的考察は欠かせなくなってくるし、
先生の説明にも徐々に武術的な意味あいが
加わるようになってきている。
少しずつより本質に迫っているような感触。

こうして段階が進むにつれて、
戸惑うことにも出会うようになってきた。
ある段階まで来た時に、
いままで慣れ親しんだ練習法が
通用しなくなるというか、
いままで教わってきたことに
あたかも反すると思われるようなことを
要求されたりするのだ。
今回の「呼吸と動作を同調させる」というテーマも
その一例といえるだろう。

いままでは動き方に慣れる、
動作を覚えることが第一義だったから、
呼吸と動作を合わせる要求度も
基本中の基本レベル。
動いている時には呼吸を止めない。
細く長く等しく呼吸を行うというもの。
それが動作練習とともに行われた
「吸って」「吐いて」の号令であり、
そこには動きと呼吸の同調から生まれる
“リズム”に慣れる目的があったのかと思われる。

今また新たな段階として、
導引における呼吸の役割や目的を理解した上で
呼吸を動作にあわせること、
そのためには呼吸による(後天の)気の取り込みを
より効果的にする動きと同調させる必要が
でてくるのだ。
つまり呼吸は生命活動の維持のために
気を取り込む大事な運動であり、
それをより効率よくする動きの組み合わせがある
ということだ。
呼気には呼気に適した、吸気には吸気に適した動きがある。
それを知った上で改めていままでの動きを
検証してみると、
そのほとんどが同調していなかったかも…?
それでちょっと混乱が起きて
消化不良ぎみになっているというわけ。

最初から教えてくれていれば
混乱しなくてもすんだのにとも言えるけれど、
それは今の段階に到達した時点から
振り返っているから言えることで、
おそらく麓にいた当時の自分たちには
“この動きは吸う、この動きは吐く”なんて
ひとつひとつ解析しながら動作練習していたら
どうだっただろう。
はたして導引を続けられていただろうか?

習得というシステムはスパイラル軌道を描くように思う。
何回も同じところに戻ってくるのだけれど、
その度にまわりの景色の見え方感じ方が変わっている。
そしてまた新しいイメージを描きながら進んでいく。

この先の進路を示す新しい海図(イメージ)は
いったいどこへと導いてくれるのだろう。
たまには少しぐらいの消化不良もいいんじゃないかな。