Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

8月3日

2005-08-04 | everyday
昨晩、空には幾筋もの稲妻が光っていた。
子どもたちは、昼間は暴動におびえて、夜は雷に怯えてるんだって思ったら、心が痛くなった。

夜中に数時間雨が降り、朝起きたら空気が少し透明になっていた。燃えてしまったスーク(市場)や車のくすぶっている火がこれで全部消えて良かったなって思い、この雨で人々の気持ちが少しでも冷めたらいいのにって思った。

だけど、そんなに簡単なことじゃない。

朝からまたサイレンが鳴り始めた。

いつもは週に3度お掃除に来てくれている、ダルフール出身のハミッドが、外国人の私が怖い思いをするのはかわいそうだからと、ここ数日は毎日顔を出してくれる。「誰か来ても、出て行っちゃダメだよ」「夜5時を過ぎたら、外に出ないように」いつもはニコニコ笑ってるハミッドの表情が真剣。「政府の声明では、40数人しか死んでないって言っているけれど、私が見ただけでも、あちらこちらで40人以上は死んでたよ」


午後1時ごろ、SPLMの司令官が殺されたとの噂が町中に広がり、再び暴動が激化。午前中は開いていたお店も閉められ、車も避難していった。トラックの荷台に銃をもった南部の若者たちが乗って街中に向かっていく。結局、司令官が殺されたというのは、それはただの噂だった。

ハミッドの話によると、ハルツームに住むSPLMの人々のうち1000名以上が、ジョンガランの葬儀(土曜日にジュバという南部の町でとりおこなわれる)に参列したいと、ハルツームからジュバに向けて歩き始めたとの事。交通費なんてない。食べる事で精一杯なのだから。
ジュバまでは直線距離で1000kmと歩ける距離ではなく、道路もなく、途中は通行不可能な湿地帯、地雷が埋まってる可能性だってある。

絶望と悲しみに打ちひしがれた人々の足並みが、再び揃うのはいつになるのだろう。


私の家では、スーダンのローカルテレビがうつらないので、夕方のニュースを見るために大家のおばちゃんの家に行く。
「ほら、言ったでしょ、南部の人たちは悪い人!!南部の人は家に入れちゃだめよ」
いつもはそんなおばちゃんの話を笑って聞いている大学生の娘も、今日はその意見に同意していた。

何が悪くて、何が悪くないかなんてわからない。
今の私に分かることは、みんな同じ人間で、みんな誰かの子どもで、みんなそれぞれに守らなくちゃならない人や、プライドがある。
ただ、生まれた場所が違っただけ。
日本人の私だってそう。生まれた場所が日本だっただけ。ただそれだけ。



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1 コメント

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大丈夫? (くみ)
2005-08-04 16:24:56
コメントできないくらいすぐいことになっていてだただびっくりで とにかくゆみが心配です 自分の身は何が何でも守るんだよ ゆみのことを大切に思っている人はたくさんいるんだから
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