Yumi @ Sudan

北アフリカの国、スーダンでの生活日記

茶色い空

2005-05-31 | everyday
雨季に入ったら、スコールが降るだけかと思っていたら、風が吹くようになりました。風が吹くということは、砂が舞い上がるということ。

ここ数日のハルツームは毎日空が茶色です。
空気が濁っていて、どんより。

今朝起きたら窓がひとつ開いていて(鍵がゆるいので、風が吹くと開いちゃう窓がいくつかあります)、部屋の床が茶色。
あーあ。
その上、水も一滴も出なくて、寝起きの顔のまま大家のおばちゃんの家に行きました。
「8時になったら出るから!」っていう意味のわからない話を信じて、待つこと数時間。10時過ぎに水が出るようになり、最近お掃除をお願いしているハミッドと二人、家中を水拭き。

やっと家がきれいになって外を見ると、茶色い空。
ま、毎日お掃除すればいいのだから、よしとしよう。



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写真のチカラ

2005-05-29 | everyday
パソコンに入っていた写真を、日本で紙焼きしてきたので、近所の人たちにあげてます。

ムスリムは偶像崇拝禁止のため、基本的には写真は奨励されません。従って、写真は結婚の時に写真館で撮るものくらいしか持っていない。
でも、みんな写真は好きみたい。仲良くなると写真撮らないの?って聞かれたりします。
子供たちは自分を撮って!って言ってせがむし、大人は自分の大切な人、自分の子供やおじいちゃん、おばあちゃんの写真を撮って欲しがります。

紙焼きした写真を渡すと、みんな本当に嬉しそう。
大きな声で話ながら、笑ったり、真剣に見つめたり・・・・。

自分の子供の写真を見て、愛しそうに写真を胸に抱いたり、キスしたりする若いママ。
友達同士で写真を見せ合って大笑いしている男の子たち。
遠くに住んでる孫の写真を見て、涙を流すおばあちゃん。
自分の写真を見て、「私、かわいい?」って聞く女の子たち。
1ヶ月くらい前に亡くなったおじいちゃんの写真を見て、おじいちゃんの顔を一生懸命撫ぜるおばあちゃん。

私のただのスナップ写真で、こんなにみんなが喜んでくれる。
これからもずっと大切にしてくれるんだろうなあって思うと、とっても嬉しい。
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いつもの町、いつもの人

2005-05-28 | everyday
一ヶ月近く離れて、戻ってきたハルツーム。
家の前のアパートの外壁の色が青と黄色になった以外は、なーんにも変わってません。

いつもの角には、いつものおじいちゃんが座ってボーっと通りを眺めていて、
いつもの路地裏では、いつもの子供たちが遊んでいて、いつもと同じ様に大きな笑顔で手を振ってくれる。
同じヤギや、犬が歩いてて、同じお茶屋さんとスパイス屋さん、八百屋さんやお肉屋さん。
みんなが毎日同じ速度で、ゆっくりゆっくり生きている。

東京は毎日のようにめまぐるしく色んな事が変わっていくけれど、ここは何にも変わらない。
フルサトってこういう場所の事を言うんだろうなあ。

近所のお友達や、おばちゃんや、子供たちと、
「寂しかったよー!」
「私の方がもっと寂しかったよー!」
っていう言葉を交わしながら、あー、私はここに居られて幸せだなあって思いました。
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水浸し・・・・

2005-05-27 | everyday
家の周りも、どこもかしこも水浸しです!
泥に近い砂の地面は水はけが悪く、水溜りだらけ。
いつも歩いている道は普通には歩けなくなっている。それに、下水が溢れているみたいで悪臭が漂っています。

で、いつものことですが、あつい!!!!

数日前から雨季が始まって、半年間雨の降らなかったハルツームにも恵みの雨が降り始めたのです。
毎日降るわけではないのですが、スコールのような大雨が降ります。

水溜りというよりも、大きな池だらけの道で、子供は足をあらったり、水溜りの間をジャンプして遊んだりしています。
水の中を果敢にも直進するリクシャー、はまっている乗用車。
何事も無いように歩く人々。

私はお買い物へ行くために、水溜りのない道を探さないと、大通りまで出られません。

それでも、ハルツームは生きてるって感じられるところです。
人が、太陽が、大地が、みんな精一杯生きている。私も負けずに思い切り生きたいなあと思わされる町です。

がんばれ私。負けるな私!
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スーダンにもどりました!

2005-05-27 | everyday
スーダンに戻りました。
ドバイを出て、4時間。その間、ただ続く砂漠の上を飛んでハルツームへ。
砂漠はただただ広くて、大きくて、大地に刻まれた深いしわ以外はなんにもありません。

到着予定時刻、ハルツーム上空で機内アナウンスが・・・・。
「空港滑走路に水溜りができてしまい、着陸を見合わせています」
それから上空をぐるぐる旋回すること、40分。
やっと到着したハルツーム空港は水浸し。数日前に雨季が始まり、一日中雨が降ったとの事。
その水をモップではいてどうにかしようってしてるのだから、笑っちゃう。
雨の季節は毎年来てるはずなのに、学ばないのかしら?
さあ!またハルツーム生活がはじまりました。
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自由であるということ

2005-05-15 | everyday
先日、あるスーダン人が逮捕されました。
彼は活動家であり、多くの人を助けたことをたたえられ、アイルランドで名誉ある賞を受賞することになっていました。その授賞式にアイルランドに出発する前日、彼は逮捕されました。容疑はスパイ。現行の法律が適用されると、終身刑もしくは死刑です。

自由であるということって、私たち日本人にとっては当たり前のことです。
電車のホームでも役所の前でも写真を撮り、知りたい事を知りたいって言える。でも、スーダンではそんな当たり前のことが難しい。
警官がいる前でカメラを出していると、誰もが、「カメラをしまいなさい」って注意します。

自由であるために、戦っている人たちがいます。
それを支援するために、支えるために、私たちは自分たちが自由であるって事をちゃんと認識しなくちゃいけないって思わされる出来事でした。


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嫌われ者の動物

2005-05-07 | everyday
コーランでは、豚は不浄な生き物とされています。だからムスリムの人たちは豚肉は決して食べません。
「日本では豚肉食べるの?」って聞かれて、
「食べるよ」って答えたら、みんながものすごーい怖い顔をして「絶対ダメ、もう2度と食べちゃだめだからね!」って言います。
理由は、豚肉食べると、3年後に肌がボロボロに変化しちゃうんだって。生まれたときから食べてるけれど・・・って思ったけれど、黙ってました。


それから、犬。
これは、ムスリムだからなのか、それとも狂犬病とかもってるからなのか、そういう文化なのか分かりませんが、犬は人々に好かれてません。
野良犬はたくさんいるのですが、犬が近寄ってくるとみんな石を投げたり、蹴飛ばしたりする。

私が犬の写真をとっていると、みんなが不思議そうに見ている。「かわいいじゃん」って言っても、「は???」って言われる。
日本にいる私の愛犬ビーンの写真をみせても、「何で犬がベッドの上にいるの?」って大笑い。


先日、日本で友達と待ち合わせをした場所が「ハチ公」でした。
ハチ公を見ながら考えました。

犬が嫌いなスーダン人、しかも偶像崇拝禁止のイスラム教の世界で、犬の銅像はありえないなあって。
そして、今、愛犬ビーンは私の横にぴったりくっついて座っています。もちろん今晩は私のベッドで一緒に寝るのであります。
これまた、スーダン人がみたら、びーっくりするだろうなああ。
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寒くて・・・・

2005-05-02 | everyday
せっかく日本に帰ってきたのに、寒くて風邪ひきました。発熱中。
ゴールデンウィークに入って暑い暑いってみんなが言っているけれど、私には寒い。
あーん。寒い寒い寒い。
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差別を受ける人、差別をする人

2005-05-01 | everyday
私が、南部出身の人々と仲良くしているのを、大家さんのおばちゃんは快く思ってません。近所のおばちゃんたちは、自分の子供が南部の子供と一緒に遊んでたりすると、複雑な心境のようです。
「南の人たちの中には悪い人が多いから、気をつけなさい」ってよく忠告されます。
モナの話によると、北部出身の女性と南部出身の男性が結婚した話を聞いたことはないとのことです。

高校時代、アメリカにいた時のことを思い出しました。大好きなホームスティ先のママが、私が黒人の友人に学校から車で送ってもらっているのを見て、複雑な顔をしました。
「ユミの友達はみんな歓迎したいけれど、黒人の友達には気をつけなさい」

スーダンの南部出身者、アメリカの黒人。犯罪率が上がるのには理由がある。
平等ではない社会の中で、社会からはみ出してしまう人がいる。

差別を受ける人、差別をする人。
不平等な世の中では、両者の溝はどんどん広がる。

路地裏では子供たちが一緒に遊んでいる。
いつまでもそのままで、大人になっても楽しかった思い出を、一緒に遊んでた事を忘れないで欲しい。
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差別を受ける南部出身の子供たち

2005-05-01 | everyday
日本に帰国する日、家であまってしまったキャンディーを、広場で遊んでる子供たちにあげようって思って、家をでました。

広場では子供たちがいつものようにサッカーをしていましたが、広場の隅で仲間に入らずにいる兄弟4人が目にとまりました。

小学生低学年くらいの男の子が2人、中学年くらいの女の子がひとり、彼女はいつも赤ちゃんをおんぶ紐でおんぶしてます。広場の横に簡素で小さな家を作っていて、そこに何人かの大人と住んでいるようです。他の子供たちと一緒に遊んでいるところを見たことはありません。

挨拶をしても、挨拶を返すことのない彼らと仲良くなれたらいいなって思って、キャンディーを持って彼らの所へ歩みよりました。
「みんなで分けてね」っていう私の言葉に、無表情で真っ直ぐ私を見つめたまま、小さく頷いて、キャンディーを受け取り、小さな家の中へ入っていきました。

心に溶けない氷があるのでしょう。小さな瞳には明らかに、疑いとあきらめの光が宿っていて、ほんの数秒しか目を合わせていないにも関わらず、私の心に重いメッセージが伝わってきました。

同じ国に生まれながら、明らかな差別を受けている南部出身者たち。生まれながらの不平等はあきらめるしかないのでしょうか。
いつか、あの子供たちも大きな声で笑うことができるのかな。

キャンディーをあげること、小銭をあげること。
もしかしたら、私が間違っているのかもしれないと、いつも考えてしまいます。

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