goo blog サービス終了のお知らせ 

飛び立とうとするアイツ

前だけ見てます。
直前だけ。

理解はできた。だが、納得はできない。

2008-02-01 17:13:18 | Weblog
タイトルは本心だがどうでもよく、今日は最期の実力テストが行われました。
さらにそんなのどうでもよく、多分このブログを見ている8割の人間が忘れている小説(作、俺)の序章が2週間ほど前に完成していたんだ。今あげることにしよう。

あらすじ…前回読め。いや、読んでください。

序章 事の始まり

『A・I・D・A』はシステムにこそ欠陥はあったが、基本的なOSはしっかりと整っていたので、後に『A・I・D・A』をモデルとする多数の新型ネットワークシステムが出来上がる。その中でもっとも多くのシェアを誇るのが、メガ・コングロマリッドが『A・I・D・A』を民間用にリテイクした『Enterprise Brain Entertainment』、略称『E・B・E』である。

利用者の増加に従いネットワーク上での犯罪は増えていった。政府はネットワーク上での治安部隊、『Network Protect』、略称『N・P』を組織した。しかし、もとより多くのネットワーク犯罪者が『A・I・D・A』時代からの犯罪者なのに対し、急増の組織である『N・P』が太刀打ちできるはずもなく、事態は『E・B・E』内を『N・P』がパトロールを繰り返し、現行犯逮捕するのみ、という最新鋭の『E・B・E』には不釣り合いな地道な打開策を打ち出した。

この『N・P』の介入により事態は更に悪化。退屈なゲーマーやハッカー達が手を組み、『T・G』なる組織を作り上げた。一歩政府の管理外エリアに入ればそこでは紛争地域のごとく銃撃戦が展開されている。今日も『T・G』の拠点とするエリアQを壊滅させるべく、『N・P』の1個小隊が潜入任務を始めていた。

主人公、グライアス・ヴェインは『N・P』の一員であった。
グライアス達は全員が背広を着込み、サングラスをかけている。一番後ろのモリニアがトランクを持っている。中身はC4爆弾だ。

今回グライアスが実行する作戦は『E・B・E』のエリアQにある『T・G』の拠点に潜入し、消去することだった。そのためには『E・B・E』内の拠点に直接消去プログラム、つまりはC4爆弾を仕掛けなければいけない。
現在、グライアスが所属している小隊は民間の利用客(といっても8割が犯罪者)に紛れて『T・G』拠点に歩いて近づいていた。グライアスは同僚のバウダーに問う。
グライアス 「あと何mでポイントに到達するんだ?」
バウダー 「あと75mってとこだな。作戦参謀さん?」
バウダーは手元の端末を見ながらやや馬鹿にするような口調で答えた。

政府の管理外エリアといっても『E・B・E』内は活気にあふれているが、それはエリアQでは武器プログラムの横流しが多く、『T・G』などの活動家がこぞって武器プログラムのやり取りをしているからである。
『N・P』は、ここにある『T・G』の拠点をつぶすことができればエリアQではしばらく警戒態勢が敷かれ、武器プログラムの流通に歯止めがかかると考えたのである。

エリアQの町並みはどこかの中東都市をモチーフとして作られており、どことなく紛争地域独特の雰囲気を醸し出している上に、あちこちの路上で武器商人がライフルを掲げ、活動家相手、もしくはごく少数の観光者に売り込む姿が見られる。この紛争地域らしさも、エリアQでの武器プログラムの流通が多い理由の一つである。

75mという距離は歩きでも容易に到達することができた。埃っぽいビルのドアを守るように2人のライフルを抱えた男がいた。右側の男はAK47、左側の男はAKMを持っている。グライアスが話し掛ける。こういう交渉事は作戦参謀であるグライアスに任されている。
グライアス 「約束の物を持ってきた。あれを」
モリニアが打ち合わせ道理にトランクをAKM持ちの男に渡した。
AK47持ちの男 「合い言葉は?」
グライアス 「Load Game」
合い言葉は『T・G』の幹部をフリーズ状態にし、幹部の情報を解析することで割り出した。その後、何事もなかったかのように『T・G』戻したので、本人は自分がフリーズ状態に陥ったことすら知らない。
AK47持ちの男 「確認した。お疲れさん」
AK47持ちの男はゲームに興じている、という感覚しかないのだろう。急に笑顔になった。しかしすぐに、
AK47持ちの男 「なんでも、最近『N・P』の小隊が潜入したらしいっす。気をつけてくださいっす」
真剣な顔に戻してそう言った。グライアスは情報の漏洩元を気にしつつ、相手が少しだけ気の毒になった。まさかその『N・P』が目の前にいるとは思ってもいないだろう。だが本当のことを言うわけにもいかないので、
グライアス 「ご苦労さん」
少しだけ、険しい表情を崩してそう言った。

グライアス達はもときた道を帰り始めた。500mほど歩くと、これまたよく言えば趣のある、悪く言えばただ古いだけのホテルが見えてきた。C4爆弾のはいったトランクをあのAKM持ちが解析する前にホテルの屋上から起爆し、ホテルに備え付けられているアクセスポータル(『T・G』内にも設置されているが、爆破する時に消し飛ぶ)から離脱すれば作戦完了だ。小隊で飲みにいこう、とグライアスは思った。

ホテルの屋上についた。屋上といっても高さ40mほどしかない。しかし、その屋上からは『T・G』の拠点が十分に見える。技術要員であるバウダーが先ほども見せてきた端末を掲げた。
バウダー 「そろそろいいですかい?」
バウダーは隊長であるウォリアにきいた。
ウォリア 「タイミングは大丈夫か?」
声だけで隊長に選抜されたとしてもおかしくない深みのある声でグライアスに聞いた。きくまでもないとグライアスは思ったが、上司との中を取り持つために、こう答えた。
グライアス 「いつでも大丈夫です」
それを聞いて安心したウォリアは意気揚々と指令を下す。
ウォリア 「爆破せよ!」
バウダー 「了解!」
バウダーは手元の端末のタッチパネルをつついた。