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東京の人 70

2014-04-10 10:35:08 | 残雪
「私に?」
「そうなんだ」
寺井はかおりの目を見て笑った。
「かおりさんのお客さんに新潟の人がいたよね?」
「あの、藤代さんのこと」
「その人十日町の生まれじゃない?」
母と同じことを言っている。
「何で知っているの」
「仕事関係だけど、彼のお父さんが不動産の仕事をしていて、なかなかやり手らしいよ」
「そうなの」
「ところがよくない噂もあってね、お年寄りの持っている土地を安く買い上げて儲けているんだって」
「母も査定をしてもらったそうよ」
寺井は、かおりが店を休んだ時をみはからって、何度か店に顔を出していた。
夜の仕事は誘惑も多いから、確かめておきたかったのだ。
店に通う内、藤代の行動も間接的にだがみえてきて、どうも最初から仕掛けてきているのではないかとの疑いが強くなってきた。
「今度藤代さんが来たとき連絡くれないかな」
「いいけど、あのひとと話すのですか」
「いやちょっと見て置くだけだよ」
「いい方ですよ」
「いや、そうだと思うけど、お父さんのことが気になってね」
「お父さんとは別でしょう」
「そうだね・・いや、僕のいいが方悪かった」  
かおりは何で寺井がこだわるのか、理解に苦しんだ。

話が途切れて、明日の仕事も気になり、早めに寝ることにした。
かおりはしかし目が冴えて眠れず、寝返りをうとうとすると、寺井の手が自然と自分の下半身に触れてきた。それはいままでにない快感だった。
そのまま拒否するでもなくじっとしていると、だんだんとなかに迫ってくるのを感じ、高ぶっていった。
声が出そうになるのを我慢していると、寺井がより大胆になってくるので、反対側を向いて離れようしたが、止めようとしない。
パジャマの中まで手が延びてきたので、拒否しようとしたが、体が痺れて動けない。
息が喘ぎ始め、彼の動きに合わせるように体も反応し始めている。     
下着もずらされて、体が露出してきた。

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