「叔母さんにもお土産よ」
「あらさつきなの、白なのね、有難う、来年が楽しみね」
「叔母さん、忙しそうだったけど、何かあったの?」
「ええ、まあね・・・あなたはもう大体分かっているでしょうけど、私のお付き合いしている方の奥さんが病気になってしまったのよ」
「相当悪いの?」
「子宮癌で、手術は無事に終わったのだけれど、これからどうなるのかしらね」
「叔母さんには直接関係ない事ですものね」
「そう割り切れるものではないわ、本当は早く就職先を探して、もう終わりにしたいと思っていたこの頃だったの」
「いまがその機会じゃないの」
「そうね、そうなのかも知れないわね、だけどあんなに落ち込んだあの人を見ていると・・・」
「放っておけない」
「もう少し成り行きを見届けてからにしようかな、と」
「叔母さんは人が好いのよ、もっと自分のことを大事にした方がいいわ、結婚できない人といつまでも付き合っていられないでしょう」
「そうね」
「ごめんなさい、生意気なことを言って」
「いいのよ、その通りなんだから、きょうは今年一番の暑さだったから、冷房のよく効いたレストランに行って食事をしましょう」
「ご馳走になります」
もし前澤の妻が悪い結末を迎える様になったら、前澤は自分を頼ってくるのだろうか、久美子はそれを考えない事はなかったが、就職先を探しここから出て行く、その決心を鈍らせてはならない、と自分を戒めた。
ただここ1ヶ月は、うろたえている前澤の私設秘書的な動きをしていて、休日や夜に彼を車に乗せて送り迎えをしたり、病院に持っていく細かな買い物を揃えたりしている。
「お父さんはこの頃どうしてる、変らない?」
「少し元気がないかな、あまり電話も掛かってこないしね」
「その後の調査を頼んでいなかったのだけれど、こちらは落ち着いてきたから、また連絡してみようかしら」
「あらさつきなの、白なのね、有難う、来年が楽しみね」
「叔母さん、忙しそうだったけど、何かあったの?」
「ええ、まあね・・・あなたはもう大体分かっているでしょうけど、私のお付き合いしている方の奥さんが病気になってしまったのよ」
「相当悪いの?」
「子宮癌で、手術は無事に終わったのだけれど、これからどうなるのかしらね」
「叔母さんには直接関係ない事ですものね」
「そう割り切れるものではないわ、本当は早く就職先を探して、もう終わりにしたいと思っていたこの頃だったの」
「いまがその機会じゃないの」
「そうね、そうなのかも知れないわね、だけどあんなに落ち込んだあの人を見ていると・・・」
「放っておけない」
「もう少し成り行きを見届けてからにしようかな、と」
「叔母さんは人が好いのよ、もっと自分のことを大事にした方がいいわ、結婚できない人といつまでも付き合っていられないでしょう」
「そうね」
「ごめんなさい、生意気なことを言って」
「いいのよ、その通りなんだから、きょうは今年一番の暑さだったから、冷房のよく効いたレストランに行って食事をしましょう」
「ご馳走になります」
もし前澤の妻が悪い結末を迎える様になったら、前澤は自分を頼ってくるのだろうか、久美子はそれを考えない事はなかったが、就職先を探しここから出て行く、その決心を鈍らせてはならない、と自分を戒めた。
ただここ1ヶ月は、うろたえている前澤の私設秘書的な動きをしていて、休日や夜に彼を車に乗せて送り迎えをしたり、病院に持っていく細かな買い物を揃えたりしている。
「お父さんはこの頃どうしてる、変らない?」
「少し元気がないかな、あまり電話も掛かってこないしね」
「その後の調査を頼んでいなかったのだけれど、こちらは落ち着いてきたから、また連絡してみようかしら」