勇気を持って明るく「生きる」! -B型肝炎ウィルスキャリアの肝臓がん闘病記

  「あと半年、生きているかどうかわかりませんよ!」と医師に宣告され、がん(癌)を克服し「生きる」ことを考える。

B型肝炎 あなたは大丈夫?

2010年05月21日 00時21分00秒 | 明るく生きる
NHKのニュース解説で、B型肝炎のわかりやすい解説が報道されました。

まだまだ、B型肝炎についての正しい理解が無く、差別や偏見も後を絶ちません。
国がきちんと検査や対応をとってくれると良いのですが、裁判での和解勧告への受け入れ姿勢を見ても、誠実に対応しているとは到底いえません。

なぜなら、和解案も指し示すことなく原告との協議もしようとしていないからです。



NHKのこの解説、ぜひ、ご覧ください!


http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/48771.html#more

2010年05月19日 (水)
スタジオパーク 「B型肝炎 あなたは大丈夫?」
集団予防接種が原因でB型肝炎に感染したとして患者らが国を訴えている裁判で、国は先週、和解協議に入る方針を示しました。後藤解説委員です。



【質問1】今回の裁判、どんな点が注目されるんでしょうか?


この裁判、実は私たち多くの国民にかかわりのある、いわば「ひとごと」ではない裁判なんです。といいますのも、B型肝炎の感染の原因が、私たちが幼い頃、受けてきた集団予防接種だからです。



【質問2】予防接種、私も受けてきましたが、私も関係あるということですか?


そうなんです。予防接種は昭和23年に義務付けられて、ジフテリアや百日咳など、様々な予防接種が広く、行われてきました。この予防接種で使う注射器、使い回しすると肝炎に感染する危険性があるということを、国は昭和20年代にはすでに認識していました。しかし、注射針と筒、その両方を使い捨てにするよう指導したのは、昭和63年。その間、およそ40年にわたって国は、きちんとした対策を取らないまま、放置したんです。予防接種をめぐる裁判では最高裁判所が4年前、患者ら5人が訴えた裁判で、「B型肝炎に感染したのは、国が注射器の使い回しを放置したのが原因だ」として、全面的にその責任を認めています。近田さんも、もちろん、この私も含めて、この間に予防接種を受けた人はみな、感染の危険性にさらされていた、もしかすると感染に気付いていないだけ、という人もいるとみられるんです。



【質問3】心配になってきました。ウイルスに感染するとどうなるんですか?


感染すれば、全員が病気を発症するというわけではありません。B型肝炎ウイルスの感染には、二つの種類がありまして、一つは、体からウイルスが出ていく「一過性の感染」、もうひとつが、ウイルスが肝臓に住み着いてしまう「持続性の感染」です。大人の場合、感染しても、ほとんどが「一過性」なんですが、乳幼児のときに感染すると、免疫が未熟なので、「持続性の感染」になることが多いとされています。だから、6歳までの乳幼児の頃に受けた予防接種が問題になるんです。この持続性の感染者のうち、10%から15%が慢性肝炎になるとみられています。そのまま放置すると、20年から30年以上がたって、肝硬変や肝臓がんになる恐れもあるんです。



【質問4】予防接種で感染した人は、どのくらいいるんでしょうか?


予防接種で感染したとして、裁判で、国を訴えている原告の数は、420人です。ただ、実際には、その数はさらに多いとみられています。正確な統計データはないのですが、感染して肝硬変や肝臓がんなどを発症したB型肝炎の患者は、国の推計によりますと、全国で7万人。感染しているけれども、症状が出ていない人は 100万人から130万人と推定されています。母子感染のケースもありますが、予防接種による感染も相当な数に上るとみられています。原告団が先週、電話での相談を受け付けたところ、自分も被害者ではないかと相談してきた患者や家族が、わずか一日で200人を超えたということです。今後、原告として裁判に加わる人は確実に増えるとみられます。



【質問5】でも、何十年も前に受けた予防接種が原因で今になって病気になるなんて、想像しにくいですよね。


問題は、そうして感染に気付かず、悪化してしまう人が多いということです。肝臓は、「沈黙の臓器」とも言われ、感染しても、自覚症状が少なく、感染に気付きにくいんです。東京訴訟の原告団の一人、田中義信さんは、悪化した肝臓がんの治療を続けています。先日、手術で切り取った肝臓の一部の写真を見せて、その苦しみを訴えました。去年、健康診断をきっかけに、がんであることがわかりました。田中さんは51歳。予防接種を受けたのは、半世紀も前のことです。田中さんによりますと、まさか、そんな前の予防接種が原因で、自分ががんを発症するとは思いもよらず、突然、言い渡された「命の危機」に言葉を失ったということです。



【質問6】私を含め、当時、予防接種を受けた人はみな、B型肝炎の検査を受けたほうがいいということなんですね。検査はどこで受けられるんでしょうか?


今、全国のほとんどの保健所で年齢に関係なく、無料で検査が受けられるようになっています。一般の医療機関でも、都道府県が検査を委託している場合には無料で受けられます。もしも、感染がわかったら、すぐに専門医を受診して、詳しい検査をしなければなりません。異常が見つからなくても、2~3か月ごとに検査を受けて、肝臓の機能に変化がないか、チェックする必要があります。B型肝炎の治療は、一般的には、注射や薬を飲み続けることで、ウイルスの増殖を抑える方法が行われています。



【質問7】こうしたB型肝炎をめぐる国の支援策、十分なんでしょうか?


いえ、十分とは言えません。肝炎の検査にしても、無料で受けられる体制は整えています。しかし、過去40年間の予防接種による感染の危険性について、国民に積極的に知らせ、検査を呼びかける、ということはしてはいないんです。治療費の負担軽減にも取り組んではいますが、恒久的な政策ではなく、長期間の治療を強いられるB型肝炎の患者の間からは、不十分だという声が上がっています。今回の和解協議でも、国は及び腰です。財源問題を言い訳にするのではなく、どうすれば被害を救済できるのか、前向きに方策を考えなければなりません。和解協議の結果は、原告だけではなく、予防接種で感染したすべての人たちに関わってきます。国は、感染症対策を長い間、軽んじたことで、被害を広げた責任をしっかりと受け止めて、被害者の命を守るための救済策を早急に打ち出す必要があります。


投稿者:後藤 千恵 | 投稿時間:14:43

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/48771.html#more