勇気を持って明るく「生きる」! -B型肝炎ウィルスキャリアの肝臓がん闘病記

  「あと半年、生きているかどうかわかりませんよ!」と医師に宣告され、がん(癌)を克服し「生きる」ことを考える。

そのとおり! B型肝炎訴訟 救済遅れは国の怠慢だ 

2012年08月14日 12時13分02秒 | 明るく生きる

 北海道新聞という地方新聞社の社説ですが、私達被害者に応援しているような主張です。

 嬉しいですね!



B型肝炎訴訟 救済遅れは国の怠慢だ(8月12日)

 集団予防接種の注射器使い回しを放置した国の責任が問われたB型肝炎訴訟は、国と感染被害者が和解合意を締結してから1年が経過した。

 国は被害者を最大45万人と推計し、症状に応じて1人50万~3600万円の給付金の支払いを始めた。

 しかし現時点で被害の認定を求めているのは5263人(道内908人)。そのうち給付決定は1割の613人(同128人)にすぎない。

 このペースでは、今救済を求めている人だけでも結論が出るまでに10年近くかかる計算だ。あまりにも遅すぎる。

 被害者の多くが肝硬変や肝がんなど重症患者だ。一刻の猶予も許されない。救済から漏れる人が出ないよう国は認定作業を急ぐべきである。

 給付金は被害者が国を相手に地裁に提訴し、国が予防接種で感染したと認めて双方が和解すれば、支給される仕組みだ。

 国は提訴から2カ月で和解できるとしていたが、実際は7~8カ月かかっている。被害者の証拠収集や国の確認作業が滞っているためだ。

 厚生労働省は被害者に対し、証拠として母子手帳や病院のカルテ、市町村の予防接種記録などの提出を求めている。しかし、接種を受けたのは幼少期のため時間がたち、すでに記録が廃棄されている場合が多い。

 B型肝炎は、母子感染以外はほとんどが注射器の使い回しが原因だ。国は危険性を知りながら放置した責任を和解合意書の中で認め、当面5年間で必要な給付金1兆1千億円の財源確保まで確約した。

 それなのに被害者に無理な立証を求めるのは筋が通らない。注射器以外の感染経路が明確な場合を除き原則、救済を認めるべきである。

 国は証拠を審査する職員を4月に14人から31人に増やした。足りなければさらに増員する必要がある。

 一方、合意書に盛り込まれた医療態勢の整備も進んでいない。

 国の現在の医療費助成は主に慢性肝炎治療薬であるインターフェロンや抗ウイルス剤が対象だ。より症状が進んだ肝硬変や肝がん患者はほとんど恩恵を受けられない。

 入院や手術に費用がかかる重症の患者ほど経済的負担が大きいのは理解に苦しむ。支援は特定の治療薬ではなく症状に応じた形が望ましい。

 助成では自己負担が月1万円を超えた分は原則無料となるが、現状に合っていない。実際にかかる費用は1万円未満が多いからだ。

 ほとんどのB型肝炎患者は一生、薬を飲み続けねばならない。支払期間の長さを考えれば、助成を拡大する必要がある。被害者が安心して治療に専念できる環境を整えたい。

 

北海道新聞 2012年8月12日より

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/395730.html