勇気を持って明るく「生きる」! -B型肝炎ウィルスキャリアの肝臓がん闘病記

  「あと半年、生きているかどうかわかりませんよ!」と医師に宣告され、がん(癌)を克服し「生きる」ことを考える。

3つのがんサバイバー

2020年06月05日 08時19分03秒 | 明るく生きる

肝臓がんを克服して、がんサバイバーとして11年が経った。
ところが、今年に入って、2つのがんに罹患するとは、あまりに理不尽なこと。

2009年に肝臓がんで10年生存率10%と宣告され、あと5年生きられるかと思っていた。
2020年、克服して11年になり、もう10年は生きられると慢心していた。
ところが、直腸がんとS状結腸がんの二つのがんに罹患するとは。
リンパ節への転移もあり、ステージ3aで抗癌剤治療も始まることになる。

二つのがんを切除して、15センチ直腸を切断し、オストメイトとなった。
このストーマを付けると、生活が大幅に制限される。
人工肛門をつけるということが、こんなに大変なこととは思いもしなかった。
なぜなら、人工肛門からずっと排泄物が出ており、おならも所構わず出る。
オンラインで会議をやっていても、「ブブー」は興ざめ。
「いやごめんなさい。隣にペットの犬が寝ていて。」と言い訳しようと思ったが、
最初に事情を話すと理解をしてもらえることに気がついた。

外出したときは、オストメイト用のトイレがどこにあるのか気になる。
普通のトイレでも、排泄物の処理はできるが、洗浄等安心してやりたい。
さらに、排泄物が漏れると憂鬱な気持ちになる。
「また、やってしまった」と罪悪感に苛まれることになる。

この人工肛門は、人工的な弁を体につけるのかと思っていた。
しかし、小腸の一部、すなわち自分の体の一部であり、だんだん愛おしく感じる。
人間、生きるために食べることは大事だが、排泄することも同等に大事だということを実感できた。

ましてや、術後の合併症で腸閉塞になり排泄ができなくなると、苦しいというものではない。
冷や汗をかき、意識が遠のくようだった。
「衣食住」は大事だが、「食べる」だけでなく「うんち」や「おしっこ」ができないと死に繋がる。
だから、オストメイトは身体障害者とされることが良くわかった。

幸いにも、1,2ヶ月で人工肛門は体内に戻す手術が予定されている。
その間は、障害者として生活をし、社会生活での不自由さを感じることになろう。

肝臓がんで「死」の覚悟を決めたので、今回のがんの衝撃はそこまで大きくはなかった。
なぜ、自分ががんに罹るのかというやるせない気持ちはあった。
「生かされている」という思いを持っている。
「生きていて良かった」という実感もある。
しかし、まだまだ「自分の道」、生き方が定まっていないとも感じる。
まだ、死ねない。
死なしてくれないだろう。
自分の道を探しに、今日も懸命に生きたいものだ。