光の風☆★

~画家すずきゆきおの世界~
 夢と希望に癒しの芸術を
生み出す画家の日々の、つぶやき

レクチオ・ディヴィナのように!

2012-08-04 | 絵画
レクチオ・ディヴィナという言葉があるらしい。
古代の修道院では聖書を読むことが祈りであったという。非常にゆっくりと
一つひとつの言葉にさわるように読むことらしい。たんなる熟読とも違うらしい。
読解とか早く読むとかの対極にある方法なので、逆に忙しい現代生活にこそ、
レクチオ・ディヴィナのような姿勢が必要かもしれない。

先日、三枝大二先生の絵を額縁から取りだして手にとって、
じっくりと見ました。
まるでレクチオ・ディヴィナのような方法で絵を見たということでしょうか?
4号大の小さなキャンバスの裏から側面、
もちろん表面の絵の具の状態に筆の跡を追って、
自分で制作する気持ちで、時間をかけて観察しました。

この絵は、20数年前だったか?私が買ったものです。
爾来おりにふれて手にとって観察していましたが、
たぶん10数回?いや、もっと回数が多いかな。
しかし、その回数でも気がつかなかったことを発見したのです。

ほとんど抽象画を思わせる具象画で、
慣れないと何を描いてあるか分からない作風ですが、
漁港の絵です。腰越漁港で先生の代表作の中の一点です。

何が分かったのか?発見したのか?
見落としていた秘密がキャンバスの側面にあったのです。
黄金分割法による構図で制作していることです。

それがための線の跡が側面に記してあり、
正方形になる位置に・S・と印がついている。
自由奔放に制作したように見える作品の、
その自由さを支えるのに黄金分割法があったということです。

三枝大二先生(1912年~2003年)は第一美術会の会長でした。
早稲田大学理工学部建築科の卒業。

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