(旧)yoyo的日記

台湾での生活について、シェルターから受け入れた黒猫姉妹について、台湾で暮らして10年のyoyoが書いています。

いつか皆「おくられびと」となるために

2009-04-15 | 小説・映画・音楽
久しぶりにとても良い映画を見ました。
日本ではたぶんもう今更な感じの『おくりびと』です。

こちらでは2月末から上映されていましたが、3月中は帰省していたりして忙しく、おとといようやく見ることができました。「まだやってるかな?」と思いましたが、意外にも公開から一ヶ月以上経つにも関わらず、まだまだ多くの映画館でかなりの回数上映されています。このことからだけでも、台湾でもずいぶん人気があるんだなーとわかりますねぇ

さて、見終わった感想ですが、すごかった!久しぶりにこんなに感動する映画を見ました。終わってみると2時間以上ある映画だったのですが、長さとか「中だるみ」みたいなことは一切感じませんでした。後半かなり泣けて、ちょっと恥ずかしいくらい涙が出てしまいました

ストーリーについては、いろんなところで飽きるほど言われているので、ここではあえて紹介しませんが、「納棺師」という特殊な仕事を取り上げ、かつそのきわめて日本的な儀礼の世界を中心としているにもかかわらず、この映画がこんなにも多くの国で好意的に受け入れられていることに驚きました。

「死」はすべての人間が必ず経験する普遍のテーマではありますが、その死生観は民族・宗教によってかなり差があるものです。でも、それを敢えて「人はすべておくりびとであり、おくられびとになる」という根源的な問題にフォーカスすることによって、おそらく誰でもどんな背景の人でも共感できる内容にしあげたところに脚本・監督の力量を感じます。私は原作小説は未読ですが、より深い死生観を哲学的に語るものであるようなので、もっと原作に忠実に作っていればこれほど世界中の人に共感されるのは難しかったかも、と思いました。

この映画は扱っているテーマは重くても、ユーモアがたくさん散りばめられており、そのくすくすっと笑えるところとほろりとくるところのギャップが素晴らしいのですが、もうひとつ見所が。私、この映画を見た後(10時半からの回を見たので、もう夜中の1時でしたが)、速攻で夜食を食べに行きましたよ。中で食べられているご飯のおいしそうなこと!あのふぐの白子~~~クリスマスのチキンでさえもめちゃくちゃおいしそうで、よだれが出そうでした。今回NKエージェンシーの社長を演じた山崎努主演の名作『タンポポ』を思い出しましたねぇ。

それから、チェロを中心とした音楽も素晴らしかったですね。ものすごく久しぶりにサントラCDを買ってしまいました。CDに入っていた解説によると、劇中曲をソロで奏でたのは古川展生というチェリストの方だそうです。(古川さんのオフィシャルサイトはこちら)後はNHK交響楽団や東京都交響楽団の方たちが集まったそうです。もともとチェロの音色は大好きなので、古川さんのCDも買ってみようかしら、と思っています。
そういえば、劇中でチェロのお値段が出てきましたが、いやピンキリなんでしょうけど、それでもものすごいお値段するんですねーーーーー。びっくりしました

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