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希望の芽よ大きく育て~自衛隊イラク復興支援~2004年2月その6

2018年06月06日 06時16分00秒 | 陸上自衛隊
続きまして、2004年2月9日のイラク派遣部隊活動報告を見てみましょう。




◎サマーワ主力
・先発隊第2梯隊受入
先発隊第2梯隊は、0500キャンプ・バージニア発、役務車両の故障(2両)により、1120ナビスタ到着、1215ナビスタを出発、じ後役務車両1両故障等により前進が遅れたため、キャンプ・シダーの近傍(米軍検問所内)において宿営。人員、武器、装具等異常なし。

(梯隊とは、部隊を縦長の梯形に配置した陣形。
キャンプ・バージニアはクウェートにある米軍の宿営地。)

当時の報道によりますと、第2梯隊は、サマワの宿営地建設に使う重機や隊員の荷物などを載せた民間業者のトレーラー19台と、陸自の軽装甲機動車や装輪装甲車6台、警備担当の英国の民間会社の車3台で走行していたのですが、途中、2台の民間のトレーラーがパンクなどで動けなくなったり、民間車両の運転手が道を間違えたりと、踏んだり蹴ったりで、予定より4時間ほど遅れての国境越えとなったそう。
9日の夜、サマワの南約100キロの米軍施設付近に到着したところで、夜間走行は危険が伴うと判断して移動を止め、1泊したそうです。
10日は午前9時に移動を再開し、10時50分に、サマーワのキャンプ・スミッティに到着しました。

朝霞駐屯地の陸上自衛隊広報センター・りっくんランドには、イラク仕様の軽装甲機動車と、



装輪装甲車が展示されています。




1日半もかかっての移動、本当にお疲れ様でした。
治安情勢の不安定なイラクに来たばかりで、いくら米軍検問所内とはいえ、不安な一夜だったことでしょう。
でも、皆さん無事にサマーワに到着して、良かった!














日々業務内容(CJTF-7LO)
実施した事項
・コンテナハウスの設置業務
電気配線が実施されコンテナでの電気使用が可能となった。
イラク人業者が来訪し設置業務(エアコン4台)を実施した。テレビ、冷蔵庫、VHSビデオデッキ、エアコンの正常稼働を確認した。
入口錠前(1扉)補修、テレビアンテナ設置、天井雨漏補修、戸棚ガラス補修及び戸外灯修理は明日に持ち越しとなった。


業者、来てくれたんだ!良かった!
でも、入口錠前(1扉)補修、テレビアンテナ設置、天井雨漏補修、戸棚ガラス補修及び戸外灯修理って、まだまだいっぱいあるじゃん。
大丈夫かなぁ・・・。


クウェート所在部隊業務報告(陸幕展開支援班・クウェート分遣班)
その他(教訓・要望事項等)
〇本日、輸送に際し、トレーラ2両(この他、イラク国内で1両)の故障等が発生したが、輸送に使う現地業者の選定については、現地での安全確保の観点から、車両整備や労務管理を第一優先とすべきであり、日通に対して指導が必要と思料。
現地でも指導するが、陸幕でも本社に対し徹底して頂きたくお願いする。

手書き部分:日通 道に迷う、パンク←出発前にタイヤチェック、悪そうなタイヤを交換したがパンクが生起


日通か!
ちょっと、日通さん、しっかりしてよ!
当時、あれだけ、自衛隊員に負傷者が出たらどうすんだ、とか、国を二分するような議論があって、小泉さんが半ば強引にイラク派遣を決断したみたいなマスコミの報道があったけど、政府と自衛隊は万全を期すために色々と努力をしてるのに、民間業者の怠慢で自衛隊員に何かあったらどう責任取るつもりだったんでしょうね。
今回の一件で、もし負傷者が出てしまったとして、民間業者の怠慢が原因であろうとも、そこの業者を選んだ自衛隊が悪いとか、その道を通った自衛隊が悪いとか、あそこでビバークすることにした自衛隊が悪いとか、何かしら理由を作って、自衛隊が悪者にされたんだろうな。
無事にサマーワに到着出来て、本当に良かった。

佐藤隊長は、著書「イラク自衛隊『戦闘記』」の中で、

隊員は全員、日本のため、現地の人々のために役立ちたいという気持ちで国際貢献に志願する。強い使命感があるからこそ、過酷な生活にも耐えられる。国民から支持されなければ、隊員たちも安心して働けない。今回のイラクでの成功は国民の理解と声援の賜物である。
ただひとつお願いしたいことがある。それは国民の皆さんの「覚悟」だ。今回はひとりの犠牲者も出すことなく、無事任務を終えることができた。しかし国際貢献では、常に不測の事態が起こり得る。万全を尽くしても、百パーセント、事故が起きないとは断言できない。最悪の場合、犠牲者が出ないとも限らないのだ。
そのときに、国民の覚悟がなければ、途中で帰って来いとなりかねない。そうなると、それまで現地で流した隊員の汗が無駄になってしまう。
「たったひとりの犠牲で、お前たちは逃げるのか。俺たちは、犠牲者がいてもがんばっているのに」と他国から非難が集中、国際社会から孤立し、国益も損じる。支援した国からも感謝されない。それでは犠牲になった隊員も含め、現地で使命感を燃やしながら、一生懸命歯を食いしばった者全員が報われない。
隊員たちの胸の内を痛いほど知る私はぜひお願いしておきたい。国民の皆さんも覚悟して隊員たちを温かく送り出していただきたいと。


このように書かれています。

今回の一件、日通は、日本国政府、自衛隊とともにイラクを支えるという「覚悟」もなく、ただ商売としか思っていなかったんじゃないかな、と思います。

イラクに自衛隊が派遣された当時とは法律も大きく変わり、平和安全法制も施行されました。
私たち国民も、あらためて、「覚悟」しなければいけないのだと、強く思います。