つれづれなるままに

日々の雑記

2016年明けましておめでとうございます

2015-12-31 23:43:14 | 日常あれこれ





今年は申年。




阿部秀月様(友人のご主人様)が描いてくださいました大津絵です。

大津絵とは、元もと近江(滋賀県)の大谷・追分辺りで描き売られていた民画で、
追分絵、大谷絵とも称され、その発祥は江戸初期に遡るといわれています。

上の絵は、「釣鐘の提灯を提げる猿」 です。

 猿が提灯と釣鐘を天秤で提げている図。
よくみると、両者の高さが現実とは逆になっています。

考えが足りない者を猿に喩え揶揄するのが大津絵の常套手段ですが、
この場合は”重さ”=”本当の値打ち”を逆さまに扱う人間を諷刺したものです。




5猿

聞かざる  言わざる
   見ざる
考えざる  思わざる




大津絵の代表的な絵柄です
「鬼の寒念佛」


鬼が僧衣をまとっている絵で、慈悲ある姿とは裏腹な偽善者を諷刺したものです。
鬼の住まいは人間の心の内にあるということで、描かれた鬼の角は、佛の教えである三毒(貧欲・瞋恚・愚痴)いわゆる人々の我見、我執であると言えます。

人は自分の都合で考え、自分の目でものを見、自分にとって欲しいもの、利用できるもの、自分により良いものと、限りなく角を生やします。
大津絵の鬼は、それを折る事を教え、鬼からの救いを示唆しているとも言われています。

大津絵には道歌が添えられることも多いのですが、この絵に添えられることの多い代表的なものを2つほどあげておきましょう。

 「真なき姿ばかりは墨染の心は鬼に現れにけり」
 「慈悲も無く情けもなくて念仏をとなふる人の姿とやせん」

大津絵の説明は、大津絵の店様から。



大津絵と俳句

大津絵の筆のはじめは何佛 芭蕉

大津絵に糞落し行燕かな  蕪村

大津絵に丹のすぎたる暑さかな  蓼太



昨年12月に行きましたバルト3国の記事も折をみてUPしたいと思います。

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