成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

夏色の旧白洲邸「武相荘」から新百合ヶ丘「リリエンベルグ」へ

2010-07-01 18:20:04 | Weblog
町田市能ヶ谷町1284番地旧白洲邸「武相荘」を見学した。
長屋門を潜ると大きな柿の木があり、濃い緑、つややかな緑、とりどりの緑、夏色のシャワーは美しかった。

語るまでもないが白洲次郎・正子夫妻の生活信条は農家を改造した素晴らしい造りからも見て取れる。
部屋部屋を巡ってみて大変に残念に感じたことは、足を踏み入れることが出来ない場所が多いことだ。建物の維持のためには仕方がないのか。
また座敷に座ることも禁止で見学者は立ったままだ。
茅葺屋根の農家もモダンカントリーハウスに変じても掛軸や調度品などは、やはり座して拝見したいものだ。

正子を偲ばせる着物や夏の小物類そして骨董など美しい食器類が床や畳に広げられている。品物名は見学者が読みやすい場所に置いてあるが、少し味気ない。
私は溜息をつきながら眺める訳だけれども、展示品が多くてあっぷあっぷしてしまう。
引き算の美。何も置かない美もあると思うのだが。

座敷に座ることがダメなら、せめて縁側だけでも腰掛させて欲しい。
白洲夫妻の流儀や「カントリージェントルマン」を感じさせる物は、物品や着物、食器ばかりからではない。そう思う。


ひと時、部屋の中に静かに座り、風や空や自然の移ろい、瑞々しく温もりのある建物を通して、往時そこにいきいきと生活していた家族そして日本を引っ張っり堂々と生き抜いた人物に想いを馳せてみたい…。白洲邸は箱物ではないはずだ。

白洲邸見学を終えて新百合ヶ丘へ出た。
人気の「リリエンベルグ」に入り、ザッハトルテと紅茶をいただいた。店内は大繁盛で土日の混み様が想像できた。