成城ガゼータ

やせっぽちガゼータ氏のおしゃべり人生

成城とウルトラマン商店街

2011-03-03 22:40:28 | Weblog
日常品の買物のため結構ウルトラマン商店街まで行くが、買った品の包みを渡してくれながら客に話しかけてくるのは、大抵地域で古くから商っている店だ。
会話といっても挨拶程度だが必ず声を掛けてくる。天気や商品自慢で『ようやく雨が上ってきましたねえ…』『少し暖かいと楽だねえ…』『このチューリップこれからたくさん開きますよ…』『お赤飯に小豆入れすぎて真っ赤だけど美味しいよ…』などなど。私も二言三言相槌をうちながら商店街を歩いていく。惣菜はけやきロードで、切花はどこどこで、お茶はあそこで、パンは福祉の店で、がんもどきはあちらで、普段使いのバッグはあの店でといった具合。考えてみると私が入るのは、ほとんどが古くからある店だ。なぜかそう。

成城にもそういう店はいくつかあるが、どんどん減っている。
宮崎屋、青柳、風月堂、アルプス、ニイナ薬局、小さな家電店、みんな昔からある。
スーパーの石井がまだ本当に石井だった頃、いつもしっかりと店員に目を光らせている店長さんがいた。顔なじみの客が入ってくると『まいどー、お久しぶりです』などと挨拶をしていた。ワインにも詳しく、あるときシャンパンの銘柄を尋ねたら調べて自宅まで電話をくれた。いま石井は名前だけになってしまい、おまけに値段が高くてたまにしか入らない。

その石井の隣には古くて小さな書店があった。近藤書店だったかしら…。勤め帰りにすっと立寄れてパラパラとページをめくれる店だった。仕入れの本も結構個性があって面白かった。ある時の夕方のこと、客が本の取り寄せを依頼したら、老主人が『じゃあ明日注文出します』と答えた。そうしたらレジ担当の老妻がすかさず『5時にはまだ5分あるんだから、いますぐ版元に電話しなさいよ!』と夫に言った。その命令口調がなんとも可笑しく嬉しかった。その近藤書店も店を閉めてしまい、石井が店を拡張した。つまらなくなった。

最近ワイン会のランチで祖師谷商店街にあるイタリアン・レストラン「フィオッキ」を利用したが美味しかった。阿会長は昔事務所が祖師谷にあって、駅前の焼き鳥屋などで一杯やっていたそうだ。『ここもすっかり変わってしまった。う~む』と溜息をついていた。