陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

賃金構造基本統計調査も提出完了!

2023-07-20 | 政治・経済・産業・社会・法務

データを扱い情報分析に長けているのが研究者気質。
今回は私のそんな性分にあった、なかなか楽しかった事務作業のお話です。

政府が主催する統計にはさまざまなものがあります。
有名なのが全国民が回答する国勢調査ではないでしょうか? 今回の「賃金構造基本統計調査」もそのひとつ。

e-Satによれば、以下の説明があります。

「主要産業に雇用される労働者の賃金の実態を明らかにする統計調査です。賃金構造基本統計調査によって得られる賃金の実態は、国や地方公共団体だけでなく民間企業や研究機関でも広く利用されています。
 賃金構造基本統計調査では、雇用形態(正社員・正職員、正社員・正職員以外)、就業形態(一般労働者、短時間労働者)、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数など、労働者の属性別の賃金の結果を、産業、企業規模別などで提供しています。」


七月はじめに当社に送付されてきた調査票。
まず原本をコピーして、下書き用として鉛筆で書き込み。清書はもちろんボールペン。

正規か非正規かの違いはありますが、すべて匿名。
なので下書きには、左端に該当者の名前を書きこんでおきます。勤続年数や経験年数はExcelでで既に作成した従業員の入社、誕生年データを参照。6月分の賃金、昨年一年の賞与は給与計算ソフトをいじって集計。労働保険料申告書や社保料の算定基礎届みたいに、複数項目に渡る集計や四捨五入も不要なので、ストレスなく記入できました。

なお、のちほど調査機関から問い合わせがあるので、かならず控えのコピーとスキャンでデータ保存はしておきます。

ところで、この集計結果は。
毎年度、e-Satの「賃金構造基本統計調査」にて公表されています。

これを見れば、産業別、学歴別、もしくは年齢階級や勤続年数別の給与の平均がわかるわけです。日本の労働者の男女賃金格差は男性を100とすれば女性は75ぐらい。まだまだ性別による格差はありますね。

地域別で、産業別のデータもあります。
管理職の平均年齢。 事務職よりも、やはり運輸系の労働時間は長め。職種による勤続年数の平均値もあり、やはり接客の多いサービス業は短め。ホワイトカラーは若く、清掃や包装などのブルーカラーは年齢高め。つまり中高年で転職するとなれば、資格取得や職業訓練をうけても、経験が乏しければ、いやあったとしても、知的労働生産性の高いキャリアアップは難しくなるということが伺えます。

私はまだ入社して浅いので所定内給与も、年間賞与も、もちろん低め。事務職だから。
大学院修了に応じた給料かといいましたらけっしてそうではありませんが、個人事業主の本業をふくめてみたら、なんとかなるかなといった感じですね。月給水準は低めですけれども、正社員で専門事務職、しかも会社の管理部門にいられるのはありがたいわけですし。

でも、これはあくまでも数字のお話。
労働者の幸福感や満足度は、こうした給与額の数値だけでは見えてこないものでもあります。

好きな仕事だからと選択した業界でも、残念ながら賃金が低いこともありえます。
とくにウェブ関係の仕事はそうですね。そもそもフリーランス(企業に雇用されている立場ではない)に外注費を払っていますから、人件費扱いにならず、この統計には表れにくい職種なのでは、と。

学歴にしても、どうしても勤続年数の長い方は大卒者が少ない傾向になりますし。
高卒だからといいまして、社会人マナーがないかといわれたら、人に寄りけりです。給与が低くても中小企業ですでに管理職の同世代もいれば、大企業や公務に新卒入社・入職したけれども出世レースに乗れずじまいとか、退職勧奨をうけたが派遣職のままになったとか、色々浮沈も聞きますね。

この統計はあくまですべて匿名なので、全体のざっくりした数字しか見えません。
しかも給与なのであって、手取りではないので、総支給額が上昇しているが、社保料などの控除分の負担増でかえって手取り額が減っているという事実は加味されていない。

企業が利用するとすれば、役職へ何人昇格させるか、もしくは定期昇給時の資料として、ではないでしょうか? 私は総務責任者ではありますが、人事評価の資料はつくっても、決定権はもたないので、経営者がどう判断しているかはわかりません。

ただ、この調査票作成を通じて、ふだん何気なしに給与計算しているだけでは見えなかったことが分析できていしまいます。このひとは勤続年数のわりには月給が低いのはなぜだろうか、入社したばかりのわりには昇給が早かったひともいる。勤怠が悪くても、なぜか待遇がいい人もいれば、ほとんど欠勤も有給消化もしない優等生なのに、要領のいい人よりは評価を抑えられているなとか。

急激に昇進したひとは、将来の職長候補として抜擢されつつあるとか。責任が大きくなるから、待遇をよくするのはあたりまえ。そして、割りをうくうのは、扶養内で働きたいからと労働時間を制限してしまう、無断で遅刻早退をしてしまう、再三の指導に従わないパートさんや人間関係のトラブルを起こしがちな正社員は、時給もあがっていません。そりゃ会社への貢献度からしたら当然のことなんですよね。

けっこう、いろいろ想像してしまうんですよね。
社内の人間関係に照らしてみたりして。こういう役得は、派遣や契約職員の事務職ではない味わえない会社経営のお膝元にいる醍醐味でもあります。

いずれにせよ、会社の中心の人事では、日々様々なデータを扱っているわけですね。

ところで、私が給与を減らせばいいと思う職種ナンバーワンは大学の研究者です。
特に文系。趣味の延長のような研究に公金をつぎ込んで、一般人に振り向かれもしない論文を量産しているだけのインテリさん。実は事務能力も高くない。専任のアカポスにつくまで時間がかかるので高給取りもうやむなしではなく、教員の平均給与を減らして人員は増やすべきではないでしょうかね。あと、コンサルみたいな、口先でべらべらいうだけの仕事ね。

そして、農林水産業や生活用品の製造業、医療福祉サービスのひとの人生に関わる必要不可欠な職種は待遇をもっとよくするべきでしょう。


(2023/07/15)

※画像作成Bing Image Creator



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