2024年年明けを襲った令和6年能登半島地震および、その翌日の羽田空港衝突事故。普段はあまり観ないテレビニュースにくぎ付けになりました。東日本大震災以来かもしれません。
ウクライナ等の他国の戦場をリアルタイムで拝める現在でも、日常が破壊されるまさかの事態は、他人事ではありません。非常時こそ、いつもの生活基盤が脆いものである、自分の無力感に苛まれることも多くなります。
・非常時の報道のありかた
東日本大震災をふまえ津波警報による執拗な避難勧告。現地入りの取材するリポーターに対する批判。SNSでの画像投稿過熱や、インプレッション稼ぎのための虚偽の救済ツイートなど。普段はものすごくパッシングを受けているマスメディアですが、やはり国難を争う事態になると、個人のユーチューバーやインフルエンサーよりも、組織的な報道のほうが役立つと感じます。娯楽番組の自粛ムードへの反感にしても、非常時だからこそメンタル保全のために慰安が欲しい声もあって、一概に否定できないものです。
・避難所暮らしの不自由さ
水と食料が不足し、医療体制も整わない。不衛生だから感染症も心配で、高齢化が進む地方での人手不足や交通網の遮断。夜間の冷え込みや犯罪めいた二次被害によるストレス。自分がその場におかれたら、とてもじゃないが耐えられないのではと感じます。
・救援活動や支援物資への考えかた
その昔、お付き合いのあったブロガーさんの中には阪神淡路大震災でトラック一台分の支援物資を自力で届けただとか、東日本大震災時にはボランティアに出かけたという方もいました。ただし、被災地の状況によっては受け入れ態勢が整う前の、個人的な善意の売り込みはありがた迷惑と表明されています。千羽鶴や寄せ書き、応援イラストや写真、古着だとか消費期限切れの食品など、貰ったら困るものリストが公開されているのはよいことですね。自治体にあるフードポストなどがいい例ですね。
・緊急時におけるビジネスのありかた
被災地の一部の商店が格安で販売したとか、銭湯が無料開放したとか、心温まるエピソードの一方で。火事場泥棒的な留守宅への侵入や、ブルーシートや水を高額で売るなどの悪徳商法への警戒や批判も。罹災したら税金などの免除は受けられるでしょうが、しかし、取引先への売掛金や借入金が免除になるわけでもなく…。被害のあった石川県の能登地方は観光地でもあり伝統産業もさかん、町おこしにアニメも利用されていましたが…。経済界の大物が提言したように、大阪万博は中止なり延期なりして、復興に励むべきだという声には賛成ですね。
・人命優先の意識を共有
被災地で孤立した地域では、支援物資が届かないなか、若者たちが歩いて高齢者を避難させたり、私有地のビニルハウスに集まって暖を取ったり、なけなしの食料や生活用品を融通しあって生き延びていたという話も聞きました。JAL旅客機と海保庁の運搬飛行機との事故でも、客室乗務員の動員のもと、乗客たちが手荷物を放棄し、冷静に脱出したことが、全員救出につながった奇跡となりました。
(2024.1.14)