陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ワンマン経営者の組織はいずれ淘汰される

2023-09-23 | 政治・経済・産業・社会・法務

日本のアイドル産業は経済のかなめだった。
この夏恒例の24時間テレビなるものでも、プレゼンターは人気アイドル。大河ドラマもバラエティ番組も。これはお笑い事務所も声優も同じなのだろうが。とかく、事務所のネームバリューが幅を利かせているのか、たいがい、似た人ばかりがキャスティングされていたりする。

ここ最近、世事を賑わせているジャニーズ事務所前社長の性加害も、そんないびつな権力構造の徒花というべきだったのだろうか。死後に、ここまで醜聞をまきちらし、ましてやそれが海外報道が発端だったとは。日本の恥さらしもいいところだ。

AKBなんとやらの女性グループもしかりだが。
少年アイドルなるものの存在の異様さに、私は年々気味悪さを感じていた。かつての芸能界コンビは30代ぐらいになると解消してどちらかが独立し、売れない方はまっとうな社会人復帰するという流れが多かったように思う。ところが、いまは40歳過ぎてもいつまでもグループのままで固まって、しかも、いいおっさんが10代のような恰好をしていたりする。若い頃は美貌で目につかなかったが、老けてくると、微妙に背が低いだとか、身体の欠点もちらほら見えてくる。女性を暴行したとか、不倫したとか、覚せい剤使用とか、そんなブラックさがボロボロ出てくる。むしろ、草薙剛のような、若い頃はさえなかったのに、壮年期になって演技力が評価されていくのは、苦節に耐えた末の謙虚さと人望があるからなのだろう。

二次元もそうだが、アイドルという存在の気持ち悪さは、恋愛禁止などという勝手ルールがあることだろう。先般、羽生結弦選手がめでたく結婚したときには、グッズが投げ売りされたという。独身だったら価値が高いが、誰かの伴侶になった途端に興味が醒めるとは。人間を何だと思っていているのだろうか。すぐれたアスリートが家庭をもったりして選手生活に集中できたり、才能が時代に受け継がれていくことを寿ぐべきではないであろうか? 

少年アイドルに夢中になる女性も女性で40歳近くなのに、アイドルの追っかけをしたいから、金持ちの男性に養われたいというパートもいたりして、まずその依存心をなんとかしてほしいといいたくなる。日本のアイドル産業がつくりだしてきたのは、こうした金銭感覚や労働観が狂った労働者たちなのである。政府が少子化対策や無職引きこもり問題に乗り出すのならば、まず、こうしたアイドル業界や同人化したオタク産業にメス入れすべきなのだが、現在では経済的に巨大な利権を持っているために口出ししようとはしまい。

アイドル業界の目的は、ファンとの疑似恋愛願望を消費させることにある。
これはある意味宗教に近いが、新興宗教の教祖よりもアイドルは露出が激しく、なまぐささがつきまとうため、ファンから攻撃を受けやすい。スポーツ選手も同様だろう。

少年少女のアイドル業界のみならず、芸能界の闇というものについても再考する必要があるだろう。
最近は素人くささを売りにしたユーチューバーまでもがテレビに出たり、メディアを賑わしているが。正直、日々、忙しく立ち働く仕事人にとっては、誰それ?状態だろう。不倫だとか買い物だとか、、豪邸だとか、子どものお受験だとか。話題を提供して羨望されたり、叩かれたりする、そんな仕事。たしかに報酬はいいのだろうが、精神を病まないのだろうか? コロナ渦中でも今でも売れなくなった芸能人の自殺や行方不明説が流れるのは、なんとも居たたまれない。人生のどこかでで方向転換しておけば、老後は穏やかなものになったのではなかろうか。

ジャニーズ事務所のみならず、女性アイドルをヒットさせたプロデューサーも、あるいは漫画家とならんだ編集者なども、よくメディアに持ち上げられている。だが人気の絶頂期はいいが、落ち目になるとたいがい立場を追われたり、犯罪沙汰で名前が出たりする。世間は売れっ子に愛憎半ばした気持ちを抱いているため、いざとなれば手のひら返しで総攻撃していくるのだ。アイドルやらや役者やら政治家やらアスリートうやら棋士やらアナウンサーやら、そうした人気職業は、成功すればあたりは大きいが、すべてそうした負の役割を背負っている。

ジャニーズ事務所の一件は、ほんらいはジャニー喜多川氏の生存中に暴露されるべきであったのだろう。今になって明らかになったのは、売れなかった元ジュニアたちの証言とも言われているが、前社長の加害はけっして許されるものではないし、将来のヒットをちらつかせて口封じを行う手口は、どこの会社にもおこりうるパワーハラスメントなのだ。

こうした「俺様のいうことを聞かないと、お前を売れなくしてやるぞ」「クビにしてやるぞ」などという支配者は、特に古い業界のみならず、新興のスタートアップ企業にも多く、たいがい経営者は目立ちたがり屋で従業員の心身の苦痛を考えていない場合が多い。最近の若い人は労働法違反やモラルの乱れにつきしっかりした教育をうけているせいか、声を荒げるひとも多いのだろう。私はこうした意識の変化を歓迎する。

ワンマン経営者の組織はいずれ淘汰される。
盲目的な信仰者たちも、いずれその放埓ぶりにうんざりして離れていき、孤立していく。そうなると裸の王様は金をばらまいて寄ってくる手合いしか信用しなくなるだろう。たとえばうさんくさい占い師だとか、投資家だとかである。

これは、経営者に限らず、学校の教師でも、家庭内のモラハラ配偶者でも、暴力的な引きこもり者でも、地域の有力者でも、職場の上司でも先輩でも、なんでも同じである。言動による精神的苦痛もそれにあたるだろう。暴君はいずれその横暴さによって、自分の信頼を失うのだ。その恐ろしさを法律は、世間の倫理は、しっかりと裁かねばならないだろう。

(2023/09/02)














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