神無月の巫女ファンの皆さまにお知らせしたいことがあります。
2018年末にご逝去された、メカデザイナー村田護郎氏の功績をたたえるホームページが有志によってオープンしています。
2018/12/28に永眠したメカデザイナー村田護郎氏の追悼サイト「Goro's無限機関Ver.3」の情報提供用に本twitterを開設しました。サイトのURLはhttps://t.co/rgsG1hZSu0です。よろしくお願いします。
— メカデザイナー村田護郎追悼サイト Goro's無限機関Ver.3 (@ver_goro) July 11, 2020
本サイトは2020/4/1に開設、稼働しています。内容は、村田護郎氏の業績の展示と情報募集です。詳しくは「このサイトについて」をご覧下さい。
— メカデザイナー村田護郎追悼サイト Goro's無限機関Ver.3 (@ver_goro) July 11, 2020
私も知ったのはつい最近です。
ツイッター経由からですが、お亡くなりになってからすでに1年と半年。今年の春先に稼働。くしくも神無月の巫女のアニメ放映終了から16年め、そして今年はあのウェブノベル「姫神の巫女」の漫画化がスタートしたという、その年に。コロナ禍でいまだ国内慌ただしい時節に嬉しい知らせですよね。
HPを確認しましたところ、管理人さんは氏と親しい間柄(サークル仲間)の一般人の方の模様。
業績を区分けして保存されてはいたものの、亡くなる近年のものは未整理状態で。ご遺族から預かったものの、整理には苦心されたようです。なお、この公開資料の原本は、氏の故郷にあります「北九州市ミュージアム」に寄贈される予定とのことです。
アニメ「神無月の巫女」のメカデザイナーとして知られる村田護郎氏は、九州の私立大学芸術学部をご卒業のち、専門学校を経て、アニメ制作会社に所属後フリーランスとして活躍されました。主要作品には「円盤皇女ワるきゅーレ」や「鉄人28号FX」など有名作もあり、また、ゲーム作品のパッケージデザインやアニメーションや映画製作を手掛けるなど、多才な作品に携わっていたことが経歴からうかがえます。
2020/7/11現在の内容は、「神無月の巫女」と「鉄人28号FX」です。「神無月の巫女」は完結しました。「鉄人28号FX」は「ブラックオックス」と「鉄人ナンバーズ」が完了し、「各話ゲスト」が途中です。管理人の本業が忙しく、ひと月程亢進がとまっていますが、そろそろ再開する予定です。
— メカデザイナー村田護郎追悼サイト Goro's無限機関Ver.3 (@ver_goro) July 11, 2020
神無月の巫女ファンにとって嬉しいのは。
この作品関連の資料がふんだんに添付されていることですね。3D-CGで立体製作されたヤマタノオロチヘッドや、アメノムラクモ降臨動画(アニメのBGMつき!!)。この動画、ツイッターで流されていたのを見たけれど、まとまって見たかったんですよね!
神無月の巫女放映前の雑誌インタビューもあり、なんとロボットの色紙画像プレゼントもあったという。このアニメ、いまでは純愛百合アニメとして認知されておりますが、当初はほんとのほんとにロボットアニメだったわけですね。どうでもいいが、「月刊巫女の友」というタイトルが笑えます。といいますか、神無月の巫女の放映前、最中の資料って私ほとんど知らない(この作品に出会ったのが最終回間近なので…)ので、所有している方いましたら、どこかで公開してほしいですね。
あと、びっくりどっきりだったのが、美少女デザイナーもやっていて、レーコ先生の漫画原稿の発案者だったこと!! 「あたしのブレーメンラブ」を描いたの、あんただったんかい! いかにも、90年代前半って、絵柄ですよね。アニメ「神無月の巫女」には、脚本の打ち合わせから参加していたそうなのですが、どんなミーティングしていたのか再現してみてほしいですね(笑)。
それからもっとの驚きは、陽の巫女、月の巫女(合体して天の紋章になる)、さらにオロチ衆の紋章のデザインまでも!! メカデザイナーといいましても、じつに幅広いお仕事をこなされているようで。オロチメンバーが井戸端会議している、暗黒の鳥居というか、居城もデザインされている、などなどいろいろびっくりでした。
このサイトを拝見してわかったことは。
アニメふくめた映像作品はじつに多くの人の知恵と技能の結集によって生まれたものであり、決して特定の天才的な監督や原作者、シナリオライター、あるいは声優などのネームバリューのある人だけの仕事ではないということですね。たとえば、最近、痛ましい惨事から1年を迎えました京都アニメーション社にしましても、じつに多くの裏方仕事の方が作品づくりに関わっていることがわかります。
個人的には、士業有資格者として、また美学美術史の学位をもつ者として、こうしたアニメや漫画などのコンテンツ産業の保護と遺業の管理について関心があり、今回のサイトは興味深く拝見させていただきました。
多くの人が関わる複合作品は著作権の範囲があいまいになることもありえます。また、遺族やしかるべき事業承継者がいない場合の故人の業績について、どこまで保存すべきか、また適切な公開はいかにあるべきかについても、いろいろ思いきたす次第です。歴史的な美術作品につきましても、ウェブ上のアーカイブでの公開が進んでおります。かつてのアニメの殿堂のようなハコモノ施設ではない、人類の美的資産として、集合知めいた共有のされ方がなされていくのではないでしょうか。
私も若くして亡くなった家族の作品を保存してはおりますが、年々経年劣化が激しく、悩ましい限りではあります。そのいっぽう、作品のクリエイターにとっては、死後の遺品整理にも悩むところでもあります。愛情があるから捨てられない、保管しておくべきではすまない事情も各ご家庭にはあるわけですし…。お世話になった造形作家のセンセイも、相続対策については検討中とか、いろいろお聞きしますし…、カタチあるものを永久的に残すことがクリエイティブであるのかは疑問に思うところでもあります。
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メカデザイナー村田護郎氏について
「超電動ロボ 鉄人28号FX」「サクラ大戦」「円盤皇女ワるきゅーレ」そして、「神無月の巫女」。数々のロボットの出てくるアニメの裏側をささえたメカデザイナー。日本全国を巡回した、あの「新世紀ヱヴァンゲリヲン」の企画展では刀剣デザインも手掛けていました。日本のアニメ業界は、じつに惜しい人を亡くしました。ご冥福をお祈りいたします。
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