陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

『小説鋼の錬金術師5 それぞれの絆』

2010-08-09 | 感想・二次創作──鋼の錬金術師
ハガレンノベライズ版レヴュー五冊目。
『小説鋼の錬金術師5 それぞれの絆』(原作・イラスト:荒川弘・著:井上真、スクウェア・エニックス、2005年)

前の巻の『小説鋼の錬金術師4 遠い空の下で』に比べると、まだおもしろかったです。
時期としては、ヒューズ中佐が亡くなって、マスタング大佐が中央に移動する直前。

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師匠イズミ・カーティスの元へ滞在していたおなじみエルリック兄弟。ふたりは、人体錬成についての禁忌本のことを知る。
その本を訪ねて出逢ったのが、イシュバール人の子供キップと、その母親がわりのアメストリス人のシェリー。
いっぽう、中央に移動直前の東方司令部のロイ・マスタング大佐は、やっかいな任務を負わされる。東方で多発していた、合成獣事件および軍の要人が襲われる事件だった。
その事件の渦中、ロイは因縁の人物と思わぬ再会を果たすことになってしまう。

この一冊はホームドラマの要素が強いですね。
民族が違うとはいえ、母子の情を結ぶシェリーとキップに、エドワードはトリシアの面影をみる。また序盤に登場した師匠イズミもまた、兄弟たちの母親がわり。
いっぽう、ロイとハボック、リザら部下との信頼関係もていねいに描かれ、その反面として対抗勢力も存在。

しかし、エドワードたちに見せ場を譲るためとはいえ、あえてみずからの知己の人物との正面衝突を避けるロイは、なんとくなくズルいような気もします。
敵は錬金術師なのでそれなりのバトルもありますが、誰も死なないところがポイント。

お楽しみは荒川先生のあとがき。
若きロイは前髪を上げているので今よりも老けてみえますね。そして、あいかわらず四コマがおもしろすぎます。


【小説版鋼の錬金術師レヴュー一覧】

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