陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

ヒャッコと地獄少女 四巡目

2008-11-16 | テレビドラマ・アニメ
一晩寝たら熱がすっきり下がりましたので、またむだに更新してみる管理人です。

・「ヒャッコ」第六話
龍姫(たつき)さんが主役回のお話。虎子、雀、歩巳の三人に誘われずにひとり帰途につく彼女ですが、待っていたのはなんとその三人。いつものツンデレぶりを発揮する龍姫ですが、最後はほろりとする締めでした。でも、大企業の社長令嬢だからといって、とくに学園で神格化されているわけでもなく、住まいも家政婦との二人暮らしでふつうの旧家なみなのは新鮮。そうですよね、いくら大財閥のお嬢だからって、バッキンガム宮殿みたいな館に、執事やらメイドやらわんさか連れて住んでる十代の女の子なんて現実にいるわけないですよね?(いや、本気で探したらいるのかもしれないけど、千歌音ちゃんみたいな人…)
このアニメは意外なところでリアルだし、あと百合アニメによくあるあざとさがないので、観ていて気持ちがいいですね。この第六話は変わった構成で、すこし早いEDのあとに、「京四郎」DVD特典にあったような嘘映画版予告がついていて、おかしかったです。でも来週は野郎がでてくるので観ないかも。
にしても、私はクールビューティな冬馬さんがメインを務める回を楽しみにしてるのですが、いったいいつになるのやら~。

・「地獄少女三鼎」第七話
この第七話、OP前の映像を観なかったので、逆に楽しめました。
このアニメは毎回ゲストキャラが登場し、およそ藁人形の糸を引く者と地獄に流される者という単純な人間関係で成り立っています。しかし、そのターゲットがほんらい流されるべきほど恨みを買っているのかという疑問を呈せざるを得ない状況が続いていますね。二期までなら、閻魔あいも理不尽な地獄送りはしなかったように思うのですが。

第七話は転校生の母子家庭の男の子。母親が病気で、父親は事業に忙しく、家事はすべて任せられている男の子。しかしじつは母親は亭主に捨てられて働く意欲をなくし、世間体が悪いので息子に嘘をつかせているわけです。母親から暴力をうけた男の子は、地獄通信にアクセスし藁人形を手に入れたが、糸を引くことはなかった。しかし、男の子のクラスの委員長は級友の家庭状況をみかねて、母親の浮気を見せつけ、男の子を自立させるべく目覚めさせようとします。しかし、男の子が糸を引いて、地獄に落とされたのは……。
すこし前なら、あの委員長のような正義漢の男の子はもてはやされていたはずなのです。もはやそれは時代遅れな道徳感覚というところでしょうか。でもたしかにああいう男性って、今だったらすごく女性の反感買うと思います。ひとの弱みにつけ込んでヒーロー気取りで、自己本位な励ましでひとの傷口を広げてしまうような御仁。神無月の巫女でいうと大神ソウマ君みたいな人(笑)
でもね、こういう近所にやかましい親父みたいな人がいたからこそ、成り立っていた平和もあったんですよね。家庭における父権の失墜を如実に描くエピソードでしたね。

この地獄通信は、不条理に思えるほど、世の中ですたれた価値観の持ち主を葬っていくシステムのようです。曲がったことがキライでそのうち歪んだ社会に柔軟に適応できなさそうなひとばかりを闇に送っている(もしくは地獄送りの対価を払わせている)のですが、もしかしたら三藁たちも閻魔あいも、そういう犠牲者を愛しているのではないかと思えました。
ヒーロー番組にあこがれて物語の作り手になった男の人の、時代にそぐわない生き方への自虐性めいたものを感じてしまうわけです。

ところで、今回の母親役のCVは田中敦子さま。この方ってこういう男にイタい目に遭わされた悲運な女性を演じたらピカいちですね。
しかし、あの学園は行方不明になったり、とつぜん転校になったりする学生が多すぎなんですが、だいじょうぶなんでしょうか(笑)


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