陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「進撃の巨人The Final Season完結編(前編)」

2023-03-12 | テレビドラマ・アニメ

2月半ばごろだったか、そういえば、進撃の巨人のアニメどうなったの、と何気なくネット検索したら。
3月初旬に完結編前半1時間スペシャル放映で、その前に総集編があって、という案内がありまして。

今回の完結編前編は、21時就寝0時起きで、なんとか観ました。
金曜夜でしたから。でも、その前週の総集編は観たいけれども無理でした。最近もう夜中に起きていられないのです。

最終巻だけ買ったものの、だいたいラストまでの流れを知っています。
たしかにアニメの映像はかなりの美しさなのだけども。私の情緒がもはや、こうしたディストピア世界にトリップして楽しめなくなったせいか、うまく感想が出てきませんでした。でも、立体機動装置の動きはかなり圧巻でアニメーションとしての完成度は高い。

残された人類は、巨人に対する憎悪の連鎖を断ち切ろうとするが…。
肝心の主人公が黒幕化してしまって、敵味方入り乱れてしまって。正義って何だろうかとか、命を守るために殺さねばならない矛盾とか。答えの出ない問題ですね。少年漫画みたいなすっきりした友情とか勝利では片付けられなくて。

月曜日に尾を引いたらいけないので、これ以上は深く考えないようにしました。
このアニメも漫画もけっして嫌いではないのだけども、やはり触れると、後味の悪いものが残ります。そこまで残虐に描写しなくても、とか、主人公の動機、特定民族だけ絶滅したらとか、そういう思想を語らせたあたりとか。

最終巻引っ張り出して読みたかったけども、どこにしまったか、探し出せなくて、あきらめました。
マーレ編あたりのアニメはしっかり観ていたんですが、そこでハマって、感想を読み漁ったりしていたぐらいなのですが。なんだろう、その当時の興奮状態が私にはないんですね。今回のいきなり、巨人の群れが地ならしはじめたシーンばかりを観たときに。

やはりこういうショッキングな場面ではじめるならば。
ハリウッドのパニック映画みたいに、ラストの救いまで描き切ってカタルシスを与えるべきだと思うんです。観た人はやっぱりどんよりした気分になると思いますから。ひとが死んでいく連続の場面なんて、休日に観るもんじゃないですね。

今回の記事、感想らしい感想にもなっておらず。
ただの私の感情の覚え書きにしかなっていないのですが。なんだろう、最近の、10代少年が学校で不吉な事件を起こしたのと重なって、なんとなく、モヤモヤした気分になったんですね。命は大切ですよ、と道徳で叫びながら、人間がバタバタ死ぬ物語がネット上で絶賛されている、そんな状況で子どもの頃から育ったらどうなんだろうって。昔で言えば、北斗の拳とかそりゃ怖かったけれども、もうちょっと描写控えめだったんじゃないかしらって思ったのです。

…というわけで。
私はこの土日はマリみてでも読みなおして、荒ぶった気持ちを鎮めることにしました。
深夜アニメってやはり心臓に悪いですね。私の気分が沈んだのと、作品のクオリティとは別物であって。『進撃の巨人』は素晴らしい作品だとは思いますけども。

たぶん感涙しちゃった人は、長らくのファンで、犠牲になったキャラを悼んでいたのでしょう。
私、とくに、この作品の特定のキャラには思い入れがないので、そういった感情は湧いてきませんでした。ちびまる子ちゃんというか、目の下に縦線のくまがあって、陰気な顔をしているのがあまり好きじゃなかったからかもしれません。

にしても、この作品、キャラの描きわけがかなりリアルで。
老若男女、人種、体型、性格などがすごく表現されています。ハンジさんみたいなオタク気質は、女性ファンに受けよさそうですし。クリスタとユミルの友情なんかも百合界隈で好まれていたでしょうし。ふつうの少年漫画だったらば、アルミンを主人公にして、親友のエレンが闇落ちしてその葛藤で、という流れになるところをそうじゃないところにしたあたりが評価になったのでしょうか。あと、極端にイロモノに走っていないのもポイント高い。

けれども原作漫画でもそうでしたが、主人公、最後の最期、報われていないように感じます。それも含めての教訓めいた物語なのでしょうね。

(2023/03/05)

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