世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
歌意: この世の中には、逃れる道はないものだ。
一途に思いつめて入った山の奥にも、悲しげに鳴く鹿の声が聞こえる。
作者: 皇太后宮大夫俊成(こうたいごう ぐうの だいぶ としなり)
1114~1204 藤原俊成。 定家(97番)の父。
勅撰集『千載集』の選者。歌学書に『古来風体抄』がある。
『千載集』の詞書には
「述懐の百首歌詠みはべりける時、鹿の歌とて詠める」とある。
『述懐百首』は、俊成が27~8歳のころに詠まれた百首歌である。
このころ、西行をはじめとして作者周辺の友人が次々と出家している。
俊成自身がこれからの自分の生き方を真剣に模索していた時期かもしれない。
上の二句では、自分の行くべき道の無い哀愁が詠嘆されている。
「道」とは、世の中の辛さを逃れる出家遁世の道のことであろう。
しかし、隠遁しようと決意して深山に入っても、世俗の哀愁から逃れられない嘆きが、
下の三句には吐露されている。
※参考 文英堂 「原色小倉百人一首」
あっという間に11月もおしまい・・・明日から師走。
お歳暮準備・賀状書き・大掃除等、気忙しい年末がやってきます・・・
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