「カムイ伝第二部」第八巻まで読了。残すはあと四巻である。正直に言うと、ワタシはもう続きを読む気力を失いかけている。
物語のほとんどが、江戸幕府内の小さな権力闘争である。それが人民の生活にどんな関係があるというのだろうか。百姓や都市のルンペンプロリアートの抵抗と闘いはまだ描かれない。
こういった江戸城内でのやりとりが続く。
カムイの古くからの仲間である江戸の非人たちは、江戸幕府のお家騒動に巻き込まれた草加竜乃進たちの協力者としてしか描かれていない。
第七巻で展開されるカムイと正体不明の追忍の壮絶な闘いはたしかに面白い。だがこの闘いを描くことがなぜ必要なのかがわからない。闘いの激しさ、切なさ、哀しみは「カムイ外伝」を超えるものではない。そしてやがて明かされるであろうこの追忍の正体について、カムイが漠然と推理していることが示される。
巨大な鯉も引き込んだ水中での闘い。
この不動はにせものである。なぜここで追忍が不動の姿をとるのかが、いまいちわからない。
カムイの顔が一定しない。このカムイはまるで別人のように思える。
このあたりから第二部が、第一部に登場した人物たちの同窓会となってしまうのではないかという危惧を、ワタシは抱いてしまうのだ。
あと四巻である。なんとか頑張って読んでいこう。ワタシの現在の落胆と推測を超える展開があることを期待して。