ふしょうなブログ

ご不要になった詩は粗大ゴミでお出しください

パンフルートと秋鮭

2005年11月01日 20時29分36秒 | 
このパンフルートの音色で
君の過去を知る事が出来るとしても
僕は知りたくないし

このパンフルートの音色で
ふたりの未来を覗く事が出来るとしても
僕は覗きたくないよ

昨夜からの冷たい雨は
もうすっかりやんでいて
朝帰りの傘はなにげに恥ずかしい

新宿駅東口から吐き出されてくる
人々の流れを遡る君と僕は
故郷へ還る秋鮭になる

堰堤の高みで戸惑う君に
救いの手を差し伸べ
ふたりで故郷の街を目指そう

中央本線ホームは、すっかり秋の装い
傘で藍ちゃんの真似をして
君の笑顔を誘ったら
パンフルートを吹き鳴らそう

婚姻色に染まった君と僕を
祝福する川面の輝きは
寝不足のふたりには眩しすぎるから

過去は知りたくない
未来も覗きたくない
この素晴らしい瞬間に生きる
今の時めきにパンフルートの音色を捧げたい


↓よろしければ、クリックお願いします♪
にほんブログ村 小説ポエムブログへ