「御所桜堀川夜討(ごしょざくら ほりかわようち)」の三段目にあたります。
「御所三(ごしょさん)」とも呼ばれます。
源平の戦の直後のものがたり、頼朝と義経が不仲になりはじめたころを舞台にしたお話です。
頼朝に謀反を疑われたた義経が、誤解を解こうといろいろ努力するのですがダメで、結局住んでいた堀川御所に攻め込まれ、撃退するところまでが全段通したストーリーです。
全五段ですが、五段目は縁起物っぽ . . . 本文を読む
明治25年の作品ですが、江戸末期のカリスマ作者、河竹黙阿弥(かわたけ もくあみ)の一番弟子だった、
三代目河竹新七(かわたけ しんしち)の作ですので、江戸の匂いが色濃く残ります。
塩原多助(塩原屋太助)は、江戸本所に実在した、上州(いまの群馬)出身の炭商人です。
その半生をお芝居にしたものです。
わかりやすい明るい作品ですので、気楽にご覧になるといいと思います。
もともとこの作品の主人公は二人 . . . 本文を読む
「鬼一法眼三略巻(きいちほうげん さんりゃくのまき)」というお芝居の三段目です。
平安時代の最後の時期、平清盛が全盛を極めていた頃のお話です。
源義朝(みなもとの よしとも)を中心としたアンチ平家勢力は、平治の乱でほぼ全滅しました。
少しだけ残った残党が一生懸命がんばるものがたりです。
四段目の「一条大蔵譚」(いちじょうおおくら ものがたり)も時々出ます。
全段を通してお話の中心になるのは、鬼 . . . 本文を読む
「けいせい倭荘子(けいせい やまとぞうし)」という古い作品があり、
その中に入っていた所作(しょさ、踊りね)なのですが、
お芝居じたいがまず出ません。
お芝居の一部なので「長唄」ではなく、「浄瑠璃」の語りに乗って踊ります。
正確に言うと、所作台を敷いて、長唄で踊るものを「所作」と呼びます。
こういう、もともとお芝居の一部であったものは「所作」とは言わないらしいのですが、
最近ではざっくりひっく . . . 本文を読む
「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょう くるわにっき)二段目です。
わりとよく出る後半の「引窓」に比べると、あまり出ない段です。
大きなストーリーの動きがあるわけではなく、登場人物の性格や人間関係を見せるだけの、導入部のような部分ですので、
見どころは、描かれるキャラクターの魅力や絵的な美しさだけですよ。いやキレイで楽しいですけどね。
通しで出すとカップルが2組出るのですが、この幕には1組しか出ま . . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
所作(しょさ、踊りね)です。人気演目です。
「かのこ」というのは「鹿子絞り」の布のことです。今は布全体に絞り模様を付けた「総絞り」と「鹿子絞り」と言いますが、もともとは鹿のマダラのようにまばらな「絞り」を「鹿子絞り」と言ったようです。余談です。
とにかく、染め物は京都が本場、質のいいキレイな色の「京鹿子」を着たきれいな娘さんの踊り、みたいな意味 . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつである「暫(しばらく)」というお芝居の変形版です。
「しばらく」というのは強力無双の主人公が圧倒的な強さで悪人をやっつけるのが楽しいお芝居です。
この主人公を女にしてしまうという、さらに楽しいお芝居がこれです。
内容ですが、正規版の「暫」とほぼ同じです。
なのに何故わざわざ「女暫」でひと項目作ったかと言いますと、観劇上の非常に重要な注意点があるから . . . 本文を読む
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」という長いお芝居の三段目の前半部分です。
「千本桜」全体の説明は=こちら=にあります。
源平の戦の終わった直後の「源義経(みなもとの よしつね)」と、負けた平家方の武将たちの人間模様を描いたものです。
ところで、この前の段=渡海屋==大物浦=までは一応義経さまが出てくるのですが、
この段は、義経も弁慶も出てきません。
何の予備知識もなくこの段だけ見たら、 . . . 本文を読む
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」 という長いお芝居の三段目の後半部分です。
ここだけ出ることは絶対ないので、前半部分の=「木の実・小金吾討死」=と一緒にお読み下さい
というわけで、源平の戦がおわった直後です。
平家の残党として「若葉の内侍(わかばの ないし)」と「六代君(ろくだいぎみ)」の母子は追われております。
ふたりは、夫の「三位中将維盛(さんみのちゅうじょう これもり)」、つまり . . . 本文を読む
「慶安太平記」けいあん たいへいき が本外題です。
通称「丸橋忠弥」まるばし ちゅうや。
徳川家光が死んですぐのころ、江戸幕府初期の不安定期のお話です。
由井正雪(ゆい しょうせつ)は仲間を集めて鎌倉に秘密組織を作り、幕府転覆を企みますが結局阻止されます。
という史実をベースにした作品です。河竹黙阿弥(かわたけ もくあみ)作。
明治に入ってからの作品なので、登場人物の名前などもおおむね史実どおり . . . 本文を読む
「鬼揃紅葉狩(おにぞろえ もみじがり)」というのもあります。昭和に入ってからの新作です。
内容はあまり変わらないので一緒に書きます。
大きな違いは、「鬼揃」のほうは更級姫の侍女たちもみんな鬼になって、鬼がたくさん出るという点です。サービス月間です。
所作(踊りね)です。
能の「紅葉狩」がベースになっており、いわゆる松羽目ものと呼ばれる、能由来の作品群のひとつです。
能舞台風にしつらえた一面白木の . . . 本文を読む
「ぢいさんばあさん」
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
森鴎外原作の新作歌舞伎です。戦後のものですからかなり新しいです。
洋行帰りのバタくさいイメージが強い森鴎外ですが、歌舞伎界とのつながりはけっこう深いです。
明治時代にあった「歌舞伎」という演劇雑誌の編集長は森鴎外の弟さんで、そこに鴎外も寄稿したりしていますよ。
美濃部伊織(みのべ いおり)と奥さんのるんは、若い仲良し夫婦 . . . 本文を読む
「歌舞伎十八番(かぶきじゅうはちばん)」のひとつです。
有名な「言い立て」部分の全訳と解説は=こちら=です。
これの現行上演のモチーフは有名な「寿曽我対面(ことぶき そがのたいめん)」ですので、
一応まず「対面」のだいたいの流れを書きます。
わかってるかたは飛ばして読んでね。
「曽我もの」が何かわからないかたは、=「曽我もの」解説=を見ていただくとわかりやすいと思いますが、
わからなくてもこ . . . 本文を読む
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」という長いお芝居の一部です。
「吉野山」 よしのやま)の別称でも有名です。
所作(踊りですね)です。
本来「所作」というのは所作台敷いて長唄で踊るものを言うので、こういう浄瑠璃で踊る、本来お芝居の一部だったものは「所作」とは厳密には言わないのですが、まあ、「所作台」敷いてるし。
これは文楽由来の長いお芝居の中に必ずある、登場人物が長距離を移動すす場面で . . . 本文を読む
急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」という長いお芝居の 二段目の後半部分です。
この後のシーン=「大物浦」=(だいもつのうら)とセットで上演されます。
「義経千本桜」という作品は、「平家物語」で有名な源平の戦の後日譚がモチーフになっております。
話の軸としては、頼朝と仲違いして命を狙われる義経があちこち逃げる、行く先々の事件というかんじで . . . 本文を読む