急ぐとき用の3分あらすじは=こちら=になります。
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」 という長いお芝居の二段目の後半部分です。
直前のシーン、=「渡海屋」(とかいや)=とセットで上演されます。
前半部分「渡海屋奥座敷(とかいや おくざしき)」は、場割りで言うと前の「渡海屋」の続きなのですが、
流れ的にこっちとつなげたほうがわかりやすいのでこっちに書きます。
奥座敷というか、本宅から渡 . . . 本文を読む
所作(踊りね)です。
もともとは「葦屋道満大内鑑(あしやどうまん おおうちかがみ)」というお芝居の一部分です。
お芝居自体は、今は後半の「葛の葉(くずのは)」という部分だけが出ます。
この所作の部分は、前半にあたります。
ここまでのお話をざくっと書くと、
平安期の話です。
主人公の「安倍保名(あべの やすな)」は、
天文博士の「加茂(賀茂)保憲(かもの やすのり)」の弟子です。
「天文博士( . . . 本文を読む
所作(踊りね)です。新作です。昭和4年、坪内逍遥作です。
越後の有名な僧で歌人の良寛和尚の人となりを描写した、ほのぼのとした作品です。
子供好きで有名だった良寛が題材なので、子供がたくさん出てくるので楽しいです。
子供が、さまざまなわらべ唄を歌いながら遊ぶシーンがまずあります。
今の「花いちもんめ」にあたる歌が、ビミョウに違う歌詞だったりするのが興味深いです。
良寛さま登場です。
ここで子供 . . . 本文を読む
所作(踊りね)です。古い作品です。
「獅子」が付くのでおわかりの通り、
お獅子が長い毛を振る、有名な「鏡獅子(かがみじし)」などと同じジャンルの作品になります。
この作品が、だいたいルーツとしては「鏡獅子」の原型と思っていいように思います。
おお元の原型は「石橋(しゃっきょう)」という、能由来の作品です。
中国の清涼山(せいりょうざん)という霊山に、虹のような形の細い石の橋があります。人間には渡 . . . 本文を読む
「矢の根」というのは、「鏃(やじり)」のことです。
「矢尻」といいますが、実際には矢の先端のことです。
なぜ先端なのに「尻」とか「根」とか言うのか調べましたがわかりません。誰か教えてください。
主人公が敵を倒すべく、砥石で矢の根をゴリゴリとぐ場面が勇壮でかっこいいので、このタイトルが付けられています。
主人公は「曽我五郎(そがの ごろう)」と言います。歌舞伎ではとても人気のある登場人物です。
兄 . . . 本文を読む
古い伝承に基づいた「おぐり」という古浄瑠璃がまずあります。
その中のエピソードを歌舞伎の「お家騒動もの」の定番の展開の中にはめこんで、モザイクのようにつじつまを合わせたのが、
歌舞伎版の「小栗判官」です。
当然ですが、客が「おぐり」と「お家騒動歌舞伎のお約束展開」両方について熟知していることを前提にこの作品は書かれています。
なので両方についての知識がないと、この作品で何がやりたいのかわかりにくい . . . 本文を読む
「石橋」 しゃっきょう
所作(しょさ、踊りね)です。
有名な、お獅子が毛を振る踊り、「春興鏡獅子」(しゅんきょう かがみじし)の、原型にあたる作品です。
モチーフになっているのは中国の伝説です。中国の清涼山(せいりょうざん)という山の奥に「石橋」(しゃっきょう)という伝説の橋があるのです。
岩が削れてできた天然の橋です。幅三寸(10センチくらい)長さ3丈(9mくらい)の、雨風にさらされてつるつる . . . 本文を読む
三段目の「実盛物語(さねもりものがたり)」は、=こ
ちら=です。
「源平布引滝」(げんぺい ぬのびきのたき)の二段目です。
三段目の「実盛物語」が有名です。
「平家物語」の世界ですが、
頼朝や義経はともかく、「木曽義仲(きそ よしなか)」という武将の歴史上の立ち位置を正確に把握していないお客さんも多そうな昨今、
さらにその父親の「木曽先生義賢(きその せんじょう よしたか)と言われてもなんじ . . . 本文を読む
「鎌三」(かまさん)の通称で親しまれております。
現行上演、七段目の「絹川村閑居の場(きぬがわむら かんきょのば)」しか出ません。
「鎌三」といえば、この「絹川村」の場を指すと思っていいです。
たぶん、セリフほとんど聞き取れないと思うので、詳しく書きます。
鎌倉時代末期、当時の将軍である「源頼家(みなもとの よりいえ)」と、時の執権「北条時政(ほうじょう ときまさ)」との
京、鎌倉に分かれて . . . 本文を読む
「松羽目もの(まつばめもの)」というジャンルのお芝居です。
「松羽目もの」というのは、能や狂言由来の歌舞伎作品の総称です。
能舞台を模した舞台装置を使います。
下には檜(ひのき)の「所作台」を一面に敷き詰め、舞台の三面を白木張りの壁にします。左右の壁には竹、正面の壁には巨大な松を描きます。
この「羽目板の床と松の絵」のセットから、「松羽目もの」と呼ばれます。
道具類は一切ナシです。
ある意味前 . . . 本文を読む
「義経千本桜(よしつね せんぼんざくら)」 という長いお芝居のさいしょの部分です。
ここでは「義経千本桜」(よしつね せんぼんざくら)の一段目と二段目の前半の解説を書きます。
まず、よく出る二段目の前半部分、「鳥居前」の説明を書きます。
一段目については下のほうに書きます。
「鳥居前」は短い幕ですが、舞台面が派手で登場人物が多彩で楽しいので、ここだけ単独でも出る人気演目です。
現行通し上演でも . . . 本文を読む
「曾我もの」です。
鎌倉初期にあった史実、曾我兄弟の仇討ちをモチーフとした一連の作品群を総称して、「曾我もの」と呼びます。
曾我兄弟は江戸のヒーローだったので「曾我もの」もたくさん作られました。
「曽我もの」については、べつに項目立てました。
=「曽我もの」解説=
こちらです。お時間があったらどうぞ。
今回の「吉例寿曽我(きちれい ことぶきの そが)」というお芝居は、
敵の工藤祐経(くどう すけ . . . 本文を読む
「松羽目もの」です。
「松羽目もの」というのは能や狂言由来の作品を指します。
能舞台風にしつらえた一面白木の羽目板の床の後ろに、能舞台を模して大きい松の木の絵が描いてあるセットの様子から、「松羽目もの」と呼ばれます。
昔から能や狂言はお大名が見る物でしたから
(今、能狂言が国の保護下にあるのは衰退して採算合わなくなったからではなく、はじめからあれは「パトロンあってのもの」なのです)、
江戸時 . . . 本文を読む
お江戸の「大名火消し」 のお話です。
江戸の町々の消火は、いろは四十八組の「町火消し」 が請け負ってました。これは有名な話です。
しかし江戸の面積の数十パーセントは武家屋敷でした。ここでの火事は「町火消」の管轄ではありません。
ここの火事は旗本が作る「定火消し(じょうびけし)」 が請け負いました。
そして、大きいお大名は「マイ火消し組」を持ってました。これが「大名火消し」 です。
江戸には三種類 . . . 本文を読む
昭和7年初演の新作ものです。
「頼朝の死」という副題が付けられています。
「頼家」だけでは知名度が低いのでタイトルとして弱く、父親の「頼朝」の名前を出さなくてはならないわけです。
という事実が、まさに作品の主人公の頼家の悩みと重なります。
ところで、明治時代に、「活歴」(かつれき)という演出手法がはやりました。
江戸時代の歌舞伎の演出は見た目重視です。時代考証は完全に無視だったのですが、
こ . . . 本文を読む