「恋飛脚大和往来」こいびきゃく やまとのおうらい の後半部分です。
こちらは前半部分の「封印切り」と違って殆ど近松の原作通りの展開、名セリフもほぼそのまま聞けます。
息子を思う父親孫右衛門の痛々しいまでの心情が伝わってきます。後半ちょっと原作とは変わっていますが、全体のテーマに影響はありません。
あと舞台を雪景色にしたのは歌舞伎のデザインです。キレイでいいです。
公金横領の大罪を犯した主人 . . . 本文を読む
四段目にあたる「十種香(じゅっしゅこう)」と「奥庭(おくにわ)」を書きます。
三段目の「筍堀」(たけのこほり)は=こちら=です。
長いお芝居の一部です。
前後の複雑な部分は巧みにカットされてしまっており、ストーリーは非常に単純になっているので、
設定さえ押さえれば問題はありません。
深窓で育った真っ赤な振袖のお姫様が、「のちとは言わず、今ここで(したい)」なんて言う楽しいお芝居ですよ
(ちょっと . . . 本文を読む
新作歌舞伎です。昭和二十七年初演、戦後の作品です。
舞台は平安時代です。新作ものなので、衣装や設定、舞台装置の考証はていねいですが、完璧というほどではないです。
参内できるようなランクの貴族(五位以上)がお供も連れずに、森の中で丸座(わろうだ)も敷かずに座ってるとかありえないです。
主人公は「春方(はるかた)」というひとです。貴族です。姓や官位や官職は不明です。
江戸時代の「お侍」を平安時代の . . . 本文を読む
「本朝廿四孝(ほんちょう にじゅっしこう)」という長い作品の三段目にあたる部分です。
「本朝廿四孝」は、四段目の「十種香(じゅっしゅこう)」が人気演目ですので、そっちで有名です。
この「筍掘」は、最近は殆ど出ません。主人公の横蔵がかっこいいんですが、こういう文楽原作のキャラクターの男臭いかっこよさは
現代ではうまく通じないのかもしれません。セリフ聞き取れないし。。
十数年前の通し上演で藤十郎さ . . . 本文を読む
何段かあるのでもくじ作りました。お好きな演目にどうぞ。
関連作品も並べてあります。
=一段目・加茂堤(かもつつみ)=
=一段目・筆法伝授(ひっぽうでんじゅ)=
=二段目・道明寺(どうみょうじ)=
=三段目・車引(くるまびき)=
=三段目・賀の祝(がの いわい)、桜丸切腹(さくらまる せっぷく)=
=四段目・寺子屋(てらこや)=
=「女車引(おんな くるまびき)」(所作)=
=50音索引に戻る . . . 本文を読む
「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅ てならいかがみ)一段目の後半にあたります。
「菅原伝授手習鑑」というタイトルの元になっているのも、ここです。
今は出ない、一番はじめの部分、「大序(だいじょ)」に出てきた中の、この幕を見るのに必要な情報をとりあえず書きます。
平安時代、醍醐帝(だいごてい)の時代です。醍醐帝は今は病気であまり政務が取れません。
・いいヒト、菅原道真 すがわらの みちざね。 . . . 本文を読む
心中ものの名手、近松門左衛門の書く、一連の心中もの作品の、これが第一作です。
お話の説明、とにかく事情がいりくんでいるのでまず説明します。。
主人公の徳兵衛(とくべえ)は、おじさんのお店(おたな)で子供のころから働いています。
丁稚制度というのは児童虐待ではなく、貧乏な家の子供でも衣食住を保証されて教育を受けられ、礼儀作法や、仕事も教われる、いい制度だったと思います。
徳兵衛、両親はいません、 . . . 本文を読む
ほかの場面の解説もあります。もくじは=こちら=です
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅ てならいかがみ)」という長いお芝居の二段目の部分です。
平安前半期、醍醐(だいご)天皇の時代です。
時の右大臣、「菅原道真(すがわら みちざね)」が政敵、左大臣の「藤原時平(ふじわらの ときひら)」の罠にかかって謀反の罪を着せられ、
大宰府に配流になったのは、当時の一大政変です。
藤原氏が政治の実権を完全に掌 . . . 本文を読む
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅ てならいかがみ)」一段目の出だしの部分です。
今は序段(大序)は絶対出ないので、通しで出すときの最初の部分がここになります。
というわけで、「大序」を見ないとわからない細かい設定がすっとばされた状態でお芝居が始まってしまいます。
ここを見るために必要な情報だけ書きます。
今は平安時代、醍醐帝の時代です。
平安時代前半、安定期にさしかかる直前の、ある意味最後の . . . 本文を読む
所作(しょさ、踊りね)ものです。
ベースになっているのは「曽我もの(そがもの)」といわれる作品ジャンルです。
「曽我もの(そがもの)」というのは、父親を殺された曽我十郎(兄)五郎(弟)の兄弟が10年の歳月を経て敵である「工藤祐経(くどう すけつね)」を狙い、ついに敵討ちをした
という史実をもとに作られた、一連の歌舞伎その他の作品群を指します。
一応解説ページへのリンクは貼ってありますが、この踊 . . . 本文を読む
同名の江戸時代の人気読み物の歌舞伎化作品です。
お芝居には関係ないですが「膝栗毛」の意味を書いておきます。
「栗毛」というのは馬のことです。栗毛の馬は、お侍が乗るようなすごくいい馬のイメージです。
そんな馬に乗って旅をしたら楽だし楽しいでしょうが、庶民には無理です。
でも、自分の足(膝)なら自分の思いのままです。どこにでも行けます。しかもタダ!!
なのでタイトルは、自分の膝を栗毛の馬の代わりにし . . . 本文を読む
「鴎」の字が本当は違うんですが、ウエブで表示されないっぽいので上の字で代用します。
ホントは「区」の代わりに「歐」の左側が付きます。
所作(踊りね)です。
タイトルに主人公ふたりの名前も並べて
「お染久松 浮塒鴎(おそめ ひさまつ うきねのともどり)」 と呼ぶことが多いです。
油屋のお店(おたな)の一人娘の「お染(おそめ)」ちゃんと、丁稚(でっち)の「久松(ひさまつ)」くんとの恋と心中は、
. . . 本文を読む
所作です。新作ものっぽい味わいがありますが、江戸の末期の作です。
西行法師は、鎌倉時代の有名な歌人で、諸国を旅して歌を詠んだかたですよ。「山家集」という歌集が有名です。
一応言うと、この時代の「法師」と呼ばれる人は、いわゆる「お坊さん」ではありません。在家出家みたいなかんじで、一応社会生活を送っていますよ。「徒然草」の兼行法師もそうです。お芝居関係ないですが一応ー。
旅をする西行法師が時雨に . . . 本文を読む
童謡にもなっている、安珍清姫のものがたりをモチーフの所作(しょさ、踊りです)です。
有名な所作「京鹿子娘道成寺(きょうがのこ むすめどうじょうじ)」のモチーフである伝説です。
この作品はもともと長い人形浄瑠璃だったものの一部を所作として上演しているので、お芝居部分も多少付いています。
原型である浄瑠璃では平安時代の藤原純友の乱がテーマになっており、
帝を倒して政権掌握をたくらむ悪人の藤原純友( . . . 本文を読む
「弥栄芝居賑」 いやさかえ しばいのにぎわい
弥(いや)というのは、「いよいよ」くらいの意味です。いよいよ栄える、芝居のにぎわい、です。
誰かの襲名披露公演のときにしか出ません。タイトルも一定ではなく、似た感じの違うタイトルになるかもしれません。
舞台に芝居小屋のセットを作り、役者さんたちがが通行人に扮して、芝居小屋の前でそのとき襲名した役者さんの噂をしてほめちぎる、というだけのもの。
襲名ご . . . 本文を読む