2025年01月28日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[洋上風力発電と漁業 日本の経験#95 再エネ賦課金頼みの不採算事業“洋上風力”また電気代に上乗せ]
“電気代の高騰は水産加工経費の上昇を招き、それは消費者価格に転嫁され、魚の消費を低迷させ、漁業経営を不安定にさせている要因の一つになっていることを指摘する。”
①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。
日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。
世界中の漁業者は共通に、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。
国が再生可能エネルギー拡大の柱に位置づけている洋上風力発電について、経済産業省は建設コストの上昇が今後の拡大の妨げになるおそれがあるとして、次回の公募からコストの上昇分の一部を電力価格に上乗せできるよう制度を変更する方針を決めたとNHKが伝えた。
2024年12月にまとまった国の新しいエネルギー基本計画の案では、2040年度に再生可能エネルギーが最大の電源になると位置づけられているが、洋上風力は設置にかかるコストが大きいことに加え、最近の資材価格の高騰で発電を開始しても採算が合わなくなる可能性があると指摘されていたとした上で、こうした中、経済産業省は国が指定した海域で行われる次回の事業者の公募から建設コストの上昇分の一部を電力の買い取り価格に上乗せできるよう制度を変更する方針を決めたとしている。
具体的には、企業物価指数などの上昇率をもとに価格に反映させる考えで、今回の対応によって公募に応じる事業者を増やし、洋上風力の拡大を後押ししたいとしている。
一方で、洋上風力発電をめぐっては、脱炭素に向けた取り組みの一環として、世界で開発が進む一方、資材価格の高騰で開発コストが上昇し、採算がとりにくくなっていることを指摘、経済産業省によると、アメリカでは事業から撤退する動きが相次いでいるほか、日本の発電事業者の「JERA」も2024年12月、イギリスの「bp」との間で効率化のため風力発電事業を統合すると発表したことを加えている。
NHKによると、JERAの矢島聡常務はこの時の会見で「資材が相当上がってきていて、当初もくろんでいた採算性が難しくなってきている」と話している。
また、経済産業省によると、国内における洋上風力の開発コストは2018年と比べて去年2024年は40%程度上昇している。
大手電力会社で作る電気事業連合会の林欣吾会長は、2025年1月の会見で「インフレやサプライチェーンの先細りで洋上風力発電はビジネスとして非常に厳しい状況だ。行政に対して投資環境の改善や資金的に後押しする制度を求めていきたい」と話していた。
(報告担当者 原口聖二:電気代の高騰は水産加工経費の上昇を招き、それは消費者価格に転嫁され、魚の消費を低迷させ、漁業経営を不安定にさせている要因の一つになっていることを指摘する。)
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