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洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 日本の経験#59 政府 洋上風力発電施設 EEZ内設置可能改正法案概要まとめる

2023-12-29 17:35:04 | 日記

2023年12月28日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#59 政府 洋上風力発電施設 EEZ内設置可能改正法案概要まとめる]

2023年12月28日、NHKは、日本政府が洋上風力発電促進を目的に、EEZ(排他的経済水域)内での発電施設の設置を可能にする法律の改正案の概要をまとめたと伝えた。

NHKによると、経済産業大臣が設置区域を設定した上で希望する事業者を募り、漁業関係者などとの協議が整えば設置を認めるとしている。

洋上風力発電について政府は、脱炭素社会の実現に向けて将来の主力電源の1つと位置づけたい考えですが、今の法律では、発電施設を設置できる場所が領海などに限られているため、事業者から「十分な電力を得られない」といった声が出ている。

これを受けて政府は、新たに日本のEEZ内での発電施設の設置を可能にする方針で、そのための法律の改正案の概要をまとめた。

それによると、まず経済産業大臣が関係省庁と協議した上で、発電施設の設置区域を設定し、設置を希望する事業者を募るとしている。

その上で事業者に事業計画案などの提出を求め、経済産業大臣や国土交通大臣が妥当だと判断し、漁業者など利害関係者との協議が整えば設置を認めるとしている。

政府は今後、与党との調整を経た上で、改正案を来年の通常国会に提出する方針としている。

 


洋上風力発電と漁業 日本の経験#58 スケトウダラ産卵場形成ポテンシャル域 洋上風力発電 江差沖ゾーニング素案

2023-12-28 22:56:11 | 日記

 

2023年12月28日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#58 スケトウダラ産卵場形成ポテンシャル域 江差沖ゾーニング素案]

2023年12月28日付北海道新聞(米林千晴様)は、これまでスケトウダラ日本海北部系群の重要な資源再生産のための産卵場だった経緯があり、今後もそのポテンシャルがある江差町沿岸沖合のゾーニング素案を、江差町が同27日発表したと伝えた。

当該資源の成魚の利用者は、当該ゾーン漁業者ばかりでなく、少なくとも北海道の日本海側全体に及び、広域の多くの漁業者となっており、納得のいくプロセスが求められることになる。

現在、スケトウダラ日本海北部系群は、低位な資源評価から、世界中のスケトウダラ漁場において資源開発率(漁獲割合)が10%-20%に設定されているにもかかわらず、この漁場のみ5%を切る極めて低い総許容漁獲量設定で資源回復に取り組んでいる最中となっている。

 

2023年12月28日 北海道新聞(米林千晴様)

 【江差】町は2023年13月27日、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー導入に向け、整備に適した区域などを示す「ゾーニング(区域分け)」の素案を明らかにした。洋上風力発電では積極的に洋上風車の立地促進を図る「促進エリア」をゼロとし、3割は風車立地ができない「保全エリア」に区分するなどの内容。来年1月に成案をまとめ、最終的に条例化する考えだ。

 同日、町保健センターで開いたゾーニング検討協議会の第2回会合で、町が示した。協議会は9月に初会合を開き、その後は陸上、洋上の専門部会に分かれて議論を進め、町内全体や沖合を「促進」「保全」、関係者などとの調整が必要な「調整」、風車立地に適さない「不適」の4区分に分ける素案をまとめた。

 洋上では再エネ海域利用法に基づく「有望区域」に指定された海域(4747ヘクタール)だけでなく、将来の「浮体式」の導入も見据え、水深500メートルの海域までの1万2248ヘクタールについて検討。「保全」には陸上の住宅から300メートル以内、フェリー航路の南北1キロ、定置網などの漁業権海域、厚沢部川河口といった海域を振り分けた。眺望の点から江差港の港湾区域全体も保全に追加。渡り鳥の影響などを鑑み、その他の海域をすべて「調整」とした。魚礁などの周囲についての区分けは今後、最終調整する。

 陸上風力では乙部町の境界に近い鰔川地区や、泊地区の山間部などに点在する計2・1平方キロを「促進」に区分。住宅から300メートル圏内など23・4%を「保全」とし、37・8%を「調整」、37・0%を「不適」に振り分けた。出力20キロワット未満の小型風力については保全エリアを14・1%に縮小。太陽光発電では71・9%を「保全」、21・6%を「調整」、5・1%を「促進」に区分した。

 照井誉之介町長は、来年1月に2度、町民との意見交換会を行う考えを示した上で、「住民の意見をしっかり聞いて、丁寧に進め、江差町の再生可能エネルギーとの向き合い方を示していきたい」と話した。


洋上風力発電と漁業 日本の経験#57 檜山沖法定協議会 道科学研究機関  スケトウダラ産卵場への配慮指摘

2023-12-19 17:17:58 | 日記

 

2023年12月18日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#57 檜山沖法定協議会 道科学研究機関  スケトウダラ産卵場への配慮指摘]

2023年12月18日、檜山管内沖で計画中の洋上風力発電事業にかかる法定協議会の第1回会合が開催された。

会合に出席した、地方独立行政法人北海道立総合研究機構水産研究本部函館水産試験場・板谷和彦調査研究部長は、地元のウニ、アワビ、ナマコの採捕と、伝統的に操業が行われ、タラコを供給してきたスケトウダラを対象とする延縄漁業に直接影響があること、更に、北海道西部日本海から宗谷海峡まで資源がまたがり、広域な漁業者に影響を及ぼす可能性のあるスケトウダラの産卵場であり、これに配慮すべきである旨を言及した。

また、板谷和彦調査研究部長は、スケトウダラ(日本海北部系群)について、資源の減少を受け、20年間にわたり、強い資源管理に取り組み、この2年—3年でようやく資源回復した経緯があることを説明し、特に、現在、産卵場の形成として、熊石相沼沖水深150m域等が重要だと指摘した。

スケトウダラ日本海北部系群の成魚の利用者は、当該沖合漁業者ばかりでなく、少なくとも北海道の日本海側全体に及び、広域の多くの漁業者となっており、納得のいくプロセスが求められることになる。

現在、スケトウダラ日本海北部系群は、低位な資源評価から、世界中のスケトウダラ漁場において資源開発率(漁獲割合)が10%-20%に設定されているにもかかわらず、この漁場のみ5%を切る極めて低い総許容漁獲量設定で資源回復に取り組んでいる最中となっている。

なお、2023年12月18日付北海道新聞(米林千晴様)は、この第1回目の会合の概要を次のとおり伝えている。

 

2023年12月18日 北海道新聞(米林千晴様)

檜山沖洋上風力 法定協が初会合 地元振興策など論議開始

【江差】檜山管内沖で計画中の洋上風力発電事業について、国、道、地元漁業関係者らが意見を調整する法定協議会の初会合が18日、同管内江差町で開かれた。再エネ海域利用法に基づく法定協の開催は道内で2地域目。出席者からは関連産業誘致など地域活性化策の充実や漁業影響調査の実施などを求める声が出た。

 檜山沖は同管内乙部町沖を除く海域が同法に基づく「有望区域」に指定され、電源開発(東京)など4社が計画を表明。事業規模は最も大きい社で出力150万キロワット。事業化できる最終段階の「促進区域」に選定されるには、法定協で合意する必要がある。

 法定協は経済産業省と国土交通省、道に加え、江差、上ノ国、せたなの同管内3町、渡島管内八雲町、ひやま漁協などで構成。オブザーバーとして防衛省や乙部町などが加わった。

 初会合では座長に足利大の牛山泉名誉教授が就任。上ノ国町の工藤昇町長は「先行する秋田沖では地元への恩恵がごく一部にとどまるという報道もある」と指摘し、水素製造業の誘致や建設時の地元企業活用といった雇用対策など全15項目の要望を行った。

 ひやま漁協の工藤幸博組合長は「風車設置による潮流変化や砂の移動を含め適切な漁業影響調査を求める」と語った。オブザーバーの防衛省は「海域は奥尻島分屯基地と大湊分屯基地の通信経路にあり、通信障害への配慮を」と述べた。

 また、オブザーバーの位置付けの明確化を求める声があり、事務局は次回会合で示す考えを明らかにした。巨大風車設置への慎重論が根強い乙部町の意見が、法定協でどう扱われるかも注目される。


洋上風力発電と漁業 海外の経験#70 米欧 逆風の洋上風力 インフレで建設費高騰 採算合わず 一部事業崩壊

2023-12-03 22:26:09 | 日記

2023年12月03日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#70 米欧 逆風の洋上風力 インフレで建設費高騰 採算合わず]

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

地元にこれらの情報が伝わっているのか理解に苦しみ、日本の洋上風力発電プロジェクトのプロモーションは一周遅れ、いや二周遅れ、或いは確信的背景を想像させるものとなってきている。

2023年12月02月付産経新聞(パリ=板東和正様)は、米欧の洋上風力発電プロジェクトがインフレで建設費高騰し採算合わず、一部の事業が崩壊していること、同時に、安価な中国製の風力タービンが世界市場を席巻する中、中国依存の課題も浮上していると伝えている。

 

2023年12月02月 産経新聞(パリ=板東和正様)

米欧で逆風の洋上風力 インフレで建設費高騰、採算合わず

台湾中部沖で稼働する洋上風力発電施設。米欧では逆風にさらされている。

再生可能エネルギーの切り札として米欧で展開されてきた洋上風力事業が逆風にさらされている。インフレや金利上昇でコストが膨らみ、事業の中止や延期が相次ぐ。発電量が大きい洋上風力の計画がつまずけば各国の気候変動対策に影響を及ぼしかねず、米自治体や欧州連合(EU)は支援に向けて動き出した。安価な中国製の風力タービンが世界市場を席巻する中、中国依存の課題も浮上している。

■崩壊する事業

「洋上風力事業は高インフレと金利上昇という巨大な嵐に見舞われている」

洋上風力最大手のオーステッド(デンマーク)のマーズ・ニッパー最高経営責任者(CEO)は11月1日、そう打ち明けた。オーステッドは同日、米東部ニュージャージー州の沖合で計画する2件の洋上風力のプロジェクトから撤退すると発表。合計出力200万キロワット以上で約100万世帯に供給できる規模だったが、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵略により洋上風力の基幹部品などの資材費が高騰。中央銀行の利上げで資金調達コストも膨らみ、計画を断念した。事業費がかさんだ影響により1~9月期決算で284億デンマーククローネ(約6000億円)の損失を計上した。

英石油大手BPも7~9月期決算で、ノルウェーの同業エクイノールと進める米東部ニューヨーク州沖の洋上風力の減損を計上した。損失が相次ぐ事態を受け、BPの低炭素部門の責任者、アンニャイサベル・ドツェンラス氏は「米国の洋上風力の業界は根本的に崩壊している」と述べた。

欧州でも同様の動きが広がる。スウェーデンの電力大手バッテンフォールは7月、英国の大型洋上風力プロジェクトを停止すると発表した。英国の約150万世帯に電力を供給する予定だったが、開発コストが最大で40%上がることが判明し、見直しを迫られた。エクイノールもノルウェー沖で計画した大型洋上風力の建設を無期限で延期した。

業界団体「ウインドヨーロッパ」によると、欧州での22年の洋上風力の投資額は約4億ユーロ(約639億円)で前年の約166億ユーロから激減。全体の風力発電投資額(22年)は約170億ユーロで前年の約410億ユーロから6割程度減り、09年以降で最も低い水準に落ち込んだ。

■抱えるジレンマ

1991年に世界で初めて建設された洋上風力は海上で風が安定して吹くため陸上風力より効率的に発電できる。米欧は「脱炭素」の切り札とみており、バイデン米大統領は2030年までに3000万キロワットの洋上風力発電の導入を目標に据える。域内のエネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を30年までに少なくとも42・5%に引き上げる目標を掲げるEUも、風力発電容量を現在の倍以上にする必要がある。英環境専門家、ジョン・ウォレス氏は洋上風力のプロジェクトがつまずけば「(EUの)30年の目標達成が厳しくなる」とみる。

事業費が巨額な洋上風力はインフレの影響を受けやすく、公的支援が必要不可欠だ。米東部6州の知事は9月、バイデン氏に洋上風力発電産業への支援を強化するよう要請した。EU欧州委員会も10月、風力事業者の支援にあてる予算額を14億ユーロに倍増する緊急対策を公表。融資保証の拡充や設置許認可手続きの加速も盛り込んだ。

ただ、政府は市民の負担増につながる恐れから、電力の買い取り価格を引き上げることには躊躇(ちゅうちょ)している。ニューヨーク州の規制当局は10月、BPなどが計画する洋上風力について買い取り価格を50%以上引き上げる要求を却下。電気料金の上昇により消費者が不利益を被る事態を回避した。

■中国依存も課題に

一方、中国は世界の風力発電市場に攻勢を強め、22年に世界で導入された風力タービンのうち約6割を中国勢が占めた。安価な中国製は欧州メーカーの経営を悪化させている。ウインドヨーロッパは、EUがロシア産天然ガスに依存したことでエネルギー危機に陥った教訓をもとに「このままでは依存先が露産から中国産に置き換わる」と危機感を示した。

EUは中国依存を減らす姿勢を鮮明にしており、メディアによると、欧州委には中国からの輸入の一部制限を支持する声もある。欧州委は関税の上乗せを判断するため、中国が補助金支援で欧州での競争を阻害していないかを調査することを検討しているという。


洋上風力発電と漁業 日本の経験#56 洋上風力汚職 業界団体検証委メンバーの3分の1は〝身内〟

2023-12-03 22:03:26 | 日記

2023年12月02日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#56 洋上風力汚職 業界団体検証委メンバーの3分の1は〝身内〟]

2023年12月1日付産経新聞(西村利也様)は、洋上風力発電事業を巡る汚職事件に関連し、資源エネルギー庁から行政指導を受けた業界団体「日本風力発電協会」(JWPA)が2023年10月に設置した検証委員会のメンバーの3分の1が協会幹部で占められていることが分かったと伝え、協会のガバナンス(組織統治)に対する姿勢が改めて問われそうだと指摘している。

 

2023年12月01日 産経新聞(西村利也様)

汚職事件を受けて設置の検証委、メンバーの3分の1は〝身内〟 日本風力発電協会

洋上風力発電事業を巡る汚職事件に関連し、資源エネルギー庁から行政指導を受けた業界団体「日本風力発電協会」(JWPA)が2023年10月に設置した検証委員会のメンバーの3分の1が協会幹部で占められていることが12月1日、関係者への取材で分かった。不祥事の検証作業は身内の意見が反映されないように第三者が行うのが一般的で、協会のガバナンス(組織統治)に対する姿勢が改めて問われそうだ。

エネ庁は10月17日、第三者の関与の下で意思決定および活動のあり方を検証するように同協会を指導。協会は「JWPAの意思決定及び活動の在り方等に関する検証委員会」を設置するとともに、同31日に初めての会合を開き、年内をめどに検証結果を取りまとめる方針を示した。

協会は検証委のメンバーを公表していないが、関係者によると、メンバー9人のうち3人が同協会の幹部だと判明。残る6人は弁護士や学識経験者、風力発電企業の幹部らとなっている。

これに対し、この汚職事件で前社長が贈賄罪で在宅起訴された日本風力開発(日風開)も同様にエネ庁の行政指導を受け、特別調査委員会を9月に設置。当初はメンバー3人の中に親会社である米大手投資ファンド、ベインキャピタルの幹部が含まれていた。

しかし、中立性を求めるエネ庁から指導を受け、10月に体制を変更。弁護士のみに変えた経緯がある。