
2024年10月21日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[洋上風力発電と漁業 日本の経験#90 スケトウダラ資源産卵場周辺海域で風力発電 賑々しく事務所開き]
①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。
日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。
世界中の漁業者は共通に、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。
2024年10月18日、北海道新聞(青山修二様)は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC、東京)が同日、後志管内岩内町に北海道連絡事務所を開設した。道内日本海側の洋上風力発電計画について、現地の関係機関との調整などを行うと伝えた。
職員は福田真人所長ら3人で、岩宇・南後志地区沖、島牧沖などでの洋上風力発電を目指し、関係自治体や漁協、北海道庁や北海道経産局などとの調整を図り、住民説明にもあたるとしている。
岩内町内で開かれた開所式に、同町の木村清彦町長ら地元首長や漁協組合長らが出席、JOGMECの高原一郎理事長が「事務所を設け、調査を円滑にしっかりやっていく。ご支援をよろしくお願いしたい」とあいさつ、木村町長は「事務所ができたことで(地元と)より密接に連携しながら調査が進むと理解している。事務所の発展を祈る」と期待感を表明したと加えている。
一方、これらの沿岸海域には、重要な北海道日本海側資源(日本海北部系群)スケトウダラ資源再生産のための産卵場が含まれている。
また、成魚の資源利用者は、この海域漁業者ばかりでなく、北海道の日本海側全体に及び、広域の多くの漁業者となる。
現在、北海道日本海側資源(日本海北部系群)は、低位な資源評価から、世界中のスケトウダラ漁場において資源開発率(漁獲割合)が10%-20%に設定されているにもかかわらず、この漁場のみ7%を切る極めて低い総許容漁獲量設定で資源回復に関係漁業者は取り組んでいる最中で、これらの洋上風力発電プロジェクトによる大きな悪影響が懸念事項として指摘されるところとなる。
2024年10月20日 北海道新聞【岩内】(青山修二様)から転載
洋上風力の進展に期待 岩内にJOGMECが事務所開設 漁業者は影響懸念
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が18日、町内に北海道連絡事務所を開いたことについて、地元自治体からは洋上風力発電計画の進展を期待する声が上がっている。漁協関係者からは漁業への影響を懸念する声も出ており、JOGMECや同事務所には、より丁寧な説明が求められそうだ。
岩内町の木村清彦町長は同日の開所式で、事務所開設について「より密接に(地元と)連携して調査されると理解している」と述べ、期待感を表明。寿都町の片岡春雄町長は「洋上風力は必ず海の活性化につながると信じている。協力しあって(JOGMECの)調査がスムーズに進むよう祈念する」とあいさつした。
後志総合振興局の猪口浩司局長は、取材に対し「後志の洋上風力発電のポテンシャル(可能性)が注目されていると受け止めている。事務所ができたことで風力発電が推進されると期待している」と述べた。
一方、古宇郡漁協(泊村)の池守力組合長は取材に対し、「洋上風力で生態系にどんな影響が出るのか、漁業者は心配しているので、きちんと調べてほしい」とJOGMECに注文した。
同事務所の福田真人所長は開所式で「遅滞なく調査が進むよう、ご指導をお願いしたい」と述べ、出席した地元の首長や漁協組合長らに協力を要請した。
同事務所の職員は福田所長ら3人。関係自治体や漁協などとの調整を図り、住民説明にも当たる。








