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洋上風力発電と漁業 海外と日本の経験

Offshore wind farms and fisheries
”洋上風力発電と民主主義”

洋上風力発電と漁業 日本の経験#90 スケトウダラ資源産卵場周辺海域で風力発電 賑々しく事務所開き 地方自治体の前のめり 拙速な取り組み

2024-10-22 11:29:14 | 日記

 

2024年10月21日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#90 スケトウダラ資源産卵場周辺海域で風力発電 賑々しく事務所開き]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

2024年10月18日、北海道新聞(青山修二様)は、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC、東京)が同日、後志管内岩内町に北海道連絡事務所を開設した。道内日本海側の洋上風力発電計画について、現地の関係機関との調整などを行うと伝えた。

職員は福田真人所長ら3人で、岩宇・南後志地区沖、島牧沖などでの洋上風力発電を目指し、関係自治体や漁協、北海道庁や北海道経産局などとの調整を図り、住民説明にもあたるとしている。

岩内町内で開かれた開所式に、同町の木村清彦町長ら地元首長や漁協組合長らが出席、JOGMECの高原一郎理事長が「事務所を設け、調査を円滑にしっかりやっていく。ご支援をよろしくお願いしたい」とあいさつ、木村町長は「事務所ができたことで(地元と)より密接に連携しながら調査が進むと理解している。事務所の発展を祈る」と期待感を表明したと加えている。

一方、これらの沿岸海域には、重要な北海道日本海側資源(日本海北部系群)スケトウダラ資源再生産のための産卵場が含まれている。

また、成魚の資源利用者は、この海域漁業者ばかりでなく、北海道の日本海側全体に及び、広域の多くの漁業者となる

現在、北海道日本海側資源(日本海北部系群)は、低位な資源評価から、世界中のスケトウダラ漁場において資源開発率(漁獲割合)が10%-20%に設定されているにもかかわらず、この漁場のみ7%を切る極めて低い総許容漁獲量設定で資源回復に関係漁業者は取り組んでいる最中で、これらの洋上風力発電プロジェクトによる大きな悪影響が懸念事項として指摘されるところとなる。

 

2024年10月20日 北海道新聞【岩内】(青山修二様)から転載

洋上風力の進展に期待 岩内にJOGMECが事務所開設 漁業者は影響懸念

独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が18日、町内に北海道連絡事務所を開いたことについて、地元自治体からは洋上風力発電計画の進展を期待する声が上がっている。漁協関係者からは漁業への影響を懸念する声も出ており、JOGMECや同事務所には、より丁寧な説明が求められそうだ。

岩内町の木村清彦町長は同日の開所式で、事務所開設について「より密接に(地元と)連携して調査されると理解している」と述べ、期待感を表明。寿都町の片岡春雄町長は「洋上風力は必ず海の活性化につながると信じている。協力しあって(JOGMECの)調査がスムーズに進むよう祈念する」とあいさつした。

後志総合振興局の猪口浩司局長は、取材に対し「後志の洋上風力発電のポテンシャル(可能性)が注目されていると受け止めている。事務所ができたことで風力発電が推進されると期待している」と述べた。

一方、古宇郡漁協(泊村)の池守力組合長は取材に対し、「洋上風力で生態系にどんな影響が出るのか、漁業者は心配しているので、きちんと調べてほしい」とJOGMECに注文した。

同事務所の福田真人所長は開所式で「遅滞なく調査が進むよう、ご指導をお願いしたい」と述べ、出席した地元の首長や漁協組合長らに協力を要請した。

同事務所の職員は福田所長ら3人。関係自治体や漁協などとの調整を図り、住民説明にも当たる。

 

 


洋上風力発電と漁業 海外の経験#102  米国 ブレード破壊事件 漁業・地域への損害補償

2024-10-19 22:40:53 | 日記

 

2024年10月19日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#102  米国 ブレード破壊事件 漁業・地域への損害補償 ]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

日本での先行する欧米の洋上風力発電の漁業分野との共栄、相乗効果等の成功体験は、ほとんどが開発事業者による切り抜き発信で、実際に漁業分野の情報にアクセスしていくと様々な問題が報告されている。

世界中の漁業者は共通に、洋上風力発電プロジェクトについて、自らが知らない間に選定地が決まって唐突に説明会が始まり、漁業当局に十分なヒアリングを行うことなく、他の部局が主導する地方自治体の前傾姿勢による拙速な取り組みが行われ、事業開発者から漁業分野の科学的知見を理解しようとしない姿勢を感じていると指摘している。

一方、新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、内容が悪化しており、このような環境で、漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、はなはだ疑問な状況が伝えられている。

2024年7月13日、マサチューセッツ州沖の“ヴィンヤード・ウインド”(Vineyard Wind)社による洋上風力発電開発プロジェクトのタービンが破壊、その後、ブレードの残骸がナンタケット島に打ち寄せられ、危険でありビーチが閉鎖される等の事態が発生、米国安全環境執行局(BSEE)は、風力発電所の建設と操業を一時停止する命令を発出する事件が起きた。

このプロジェクトのブレードはGEヴェルノヴァ(GE Vernova)社の107m、57トンのグラスファイバー製で残骸とともにガラス繊維が漂着、住民説明会において人体への被害、周辺海域の海洋汚染、魚の食物連鎖を危惧する指摘、意見等が噴出した。

ブレードの回収作業は、タービン破壊から3ケ月が経った現在も続けられており、この事件の重大さから、ナンタケット島執行委員会(Select board)委員長は、住民にあてた書簡において、企業や連邦政府、州政府の指導者らに、彼らが引き起こした損害の責任を負わせることに全力を尽くしていると述べ、島と地域社会に与えられた損害に対処するために私たちが何をしているのかを訴えたいとしている。

この中で、全米で認められた損害賠償専門家を雇用して、ナンタケット島の環境と経済への短期、中期、長期の損害の評価を行うこと、住民、漁業関係者らから情報を収集し、経済的損失やその他の損失を定量化すること、また、将来のタービン故障の可能性とそれに伴う潜在的コストを調査すると言及している。

さらに、海洋エネルギー管理局(BOEM)が将来の故障による自然環境と人間社会への潜在的な損害を徹底的に評価するよう要求するとし、ヴィンヤード・ウィンド社、GEヴェルノヴァ社が、町とビジネスコミュニティを再建することを公約しているが、これらの話し合いが行き詰まった場合には、法廷訴訟を含め、法的選択肢を排除しないと加えている。

 

 

 


洋上風力発電と漁業 海外の経験#101 英国 BP 洋上風力発電少数権益売却を検討 再エネ縮小

2024-10-19 19:31:26 | 日記

 

2024年10月19日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ 洋上風力発電と漁業 海外の経験#101 英国 BP 洋上風力発電少数権益売却を検討 再エネ縮小]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

関係筋の情報として、英国石油大手BPが洋上風力発電事業の少数権益の売却を検討しているとロイター通信が伝えている。

これは、新社長マレー・オーチンクロスによる再生可能エネルギー(再エネ)事業縮小の一環とされている。

BPは、再エネ事業で利益が減り、石油・天然ガスの利ざやが拡大する中で、2020年から取り組むエネルギー移行戦略が投資家から批判されてきた。

2024年1月に就任したオーチンクロスは、再エネ拡大と石油・ガス生産削減という前任者バーナード・ルーニーの方針を転換し、より収益性の高い事業に集中すると発表、洋上風力発電事業部門の雇用を凍結して、新たなプロジェクトを停止すると同年6月に発表した。

BPのライバルであるシェルも2024年6月初め、グリーン成長への野心を縮小し、低炭素ソリューションに携わるスタッフを約200人削減、利益率の高い石油プロジェクトに重点を移し、ガス事業を拡大するという独自の計画を発表している。

新型コロナウイルスのパンデミックを発端とするサプライチェーンの混乱は、ウクライナ紛争で一段と深刻化しており、輸送コストや原材料費の高騰、金利の上昇、そして、インフレにより、風力発電事業者の利益が圧迫され、財務内容が悪化している。


洋上風力発電と漁業 海外の経験#100  豪州 エクイノール イラワラ地域プロジェクト撤退

2024-10-19 09:36:34 | 日記

 

2024年10月19日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 海外の経験#100  豪州 エクイノール イラワラ地域プロジェクト撤退]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

ノルウエーのスタヴァンゲルに本拠を置く北欧最大のエネルギー企業エクイノール(Equinor)とその地元オーストラリアのパートナーであるオーシャネックス(Oceanex)が、ニューサウスウェールズ州のキアマとスタンウェルパークの間に広がる1,000平方Kmのイラワラ洋上風力発電開発プロジェクトから撤退することが分かった。

提案計画は各社のウェブサイトから削除されており、実現可能性のライセンスの正式申請を提出しないことを決定したとされている。
エクイノールとオーシャネックスはこれまで、イラワラでの建設が2028年に開始され、2030年までに稼働開始すると発表していた。

漁業セクター、地域社会等からの激しい反発を受けて政府が開発海域を1/3に縮小、沖合20キロに移動させたことで、エクイノールとオーシャネックスにとって、プロジェクトの開発投資にとって“魅力がなく”、その過程も“複雑すぎる”ことからこの判断に至ったことが指摘されている。

エクイノールの撤退の理由が、開発海域の縮小にあるが、オーストラリア気候変動・エネルギー大臣クリス・ボーエンは、これを元に戻し拡大する考えはないと表明した。


洋上風力発電と漁業 日本の経験#89 水産庁が大臣許可漁業水域利用集計データを発表

2024-10-17 04:57:47 | 日記

2024年10月16日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[洋上風力発電と漁業 日本の経験#89 水産庁が大臣許可漁業水域利用集計データを発表]

①洋上風力発電が本当にCO2削減に貢献するのか、②洋上風力発電事業自体が再エネ賦課金だのみの不採算事業であり漁業分野を含め満足な補償等に対応がなされるのか、③政府が責任をもったMSP(海洋空間計画)を設定すべきではないのか、④政府がベースラインをしっかり作るような漁業影響調査を指導すべきではないのか。

水産庁は、漁業と洋上風力発電等の開発プロジェクトの議論対応として、2013年-2022年の大臣許可漁業の水域利用状況を指し示す操業実績データを、2024年10月15日、次のとおり発表した。

 

令和6年10月15日公表 水産庁

我が国排他的経済水域における漁業による水域の利用状況について

1.趣旨

洋上風力発電や海底鉱物資源の採掘等、我が国の排他的経済水域における漁業以外の産業による水域利用の機運が高まるにつれ、水域の先行利用者である漁業と新たに水域を利用しようとする他産業との共存・共栄の在り方について、各地で積極的な議論が行われるようになってきました。

そこで、水産庁では、こうした議論の参考としていただくべく、排他的経済水域で主に操業している農林水産大臣が許可する漁業(大臣許可漁業)の水域の利用状況を取りまとめ、公表することといたしました。

本データについては、大臣許可漁業の一部について、漁業法第52条第1項の規定に基づき漁業者(許可を受けた者)から提出された「漁獲成績報告書」のデータを集計し、これらの漁業者が所属する各漁業団体のご協力を得て取りまとめたものとなります。

2.集計方法

漁業種類毎に、集計対象期間の操業実績のデータを集計し、操業頻度毎に水域を塗り分けたものを重ね合わせて一枚に表示しています。
<作業条件>
①2013年~2022年における漁獲成績報告書のデータを集計。

②集計対象とする漁業種類は、大臣許可漁業の一部であるかつお・まぐろ漁業(釣り、はえ縄)、北太平洋さんま漁業、いか釣り漁業、沖合底びき網漁業、以西底びき網漁業、大中型まき網漁業。(自由漁業、漁業権漁業、委員会承認漁業、知事許可漁業、遠洋底びき網漁業、東シナ海はえ縄漁業、太平洋底刺し網等漁業、大西洋等はえ縄等漁業、基地式捕鯨業、母船式捕鯨業、かじき等流し網漁業、東シナ海等かじき等流し網漁業、中型さけ・ます流し網漁業、ずわいがに漁業、日本海べにずわいがに漁業は含まない)

③操業実績(操業頻度)を、緯度10分・経度10分毎に集計。

④漁業種類毎に操業実績のある水域を整理し、その水域の中を操業頻度の高い方から30:30:40の割合の面積で、それぞれ青色(上位30%)、水色(上位30%~60%)、薄黄色(上位60%~100%)の水域に分類。

⑤全ての漁業種類の分類結果を1枚に集約。集計対象の複数の漁業種類が同じ水域を利用している場合、最も操業頻度が高い漁業種類の色分け区分を反映。

※ 各漁業種類毎の操業頻度については、我が国排他的経済水域以外を含む全ての操業水域を分母として算出し、表示の段階で我が国排他的経済水域の外側の水域を除いています。
※ 海洋環境の変化や水産資源の長期的な変動によって漁場形成は変化します。本資料は、過去10年の操業実績をまとめたものであり、今後の水域利用や漁場形成を予断するものではありません。
※ 東京電力福島第一原子力発電所の事故後の操業自粛等、東日本大震災からの復興途上の利用状況が含まれています。