goo blog サービス終了のお知らせ 

斬剣次郎の鉄道・バス斬り

 拙者、斬剣次郎である。たった今から、鉄道・バスを斬る

八木新宮線特急バス 乗車記

2010年06月20日 22時44分31秒 | バス
 先日、日本最長の路線バスで有名な
 八木新宮線
 に乗車してきました。八木新宮線は大和八木駅~新宮駅を結ぶ路線バスで、所要時間6時間半、全区間で168kmもあります。これはもちろん全国一の路線バスです。1日に3往復が設定されており、葛城営業所に所属するトップドアのブルーリボン(U-HU3KLAA)が専属で用いられています。


 起点の
 大和八木駅
 は1番乗り場から出ます。かっては北口から出ていたのですが、バスターミナルの整備に伴い、南口に移りました。
 乗車した八木新宮線の第一便は大和八木駅を9時15分に出発しました。その時、乗客は私を含め3人しか乗っていませんでした。


 大和八木を出て国道24号線と国道168号線を通って、大和八木駅を出て最初にぶつかる鉄道駅である
 高田市駅
 に到着します。乗車券販売所があるほど特急バスを迎える途中バス停としての風格があります。数人が乗車してきました。
 高田市を出て国道168号線を南下していきますが、この時は近鉄御所線とJR和歌山線に挟まれた場所を通って行きます。


 途中の
 忍海
 を通りますが、そこには奈良交通葛城営業所が併設されていて、多数のバスが休憩していました。八木新宮線に充当される車両は葛城営業所所属で、車両はここから大和八木駅まで回送されます。因みに車庫の奥にはJR和歌山線が通っています。


 忍海を出て暫くすると、
 近鉄御所駅
 を通ります。御所駅は御所線の終点ですが、駅前には新宮駅行きバス乗り場と表示されているほど乗り換え拠点としての風格があります。
 近鉄御所駅で老人会と思われる団体が大量に乗りこんで、車内はあっという間に満席になりました。


 御所駅を出ると、住宅が減り、山を越えていくような風景に変わります。でも、2車線道路を通って行くことは変わりなく、バスは快走していきます。
 途中の風の森で例の老人会と思われる団体が一斉に下車していきました。わざわざ八木新宮線に乗ってきたのだから、遠い所まで行くのかと思ったらそうではないようですね・・・。これで、車内は一気に空いてきましたが、大和八木駅出発時点より少しは増えていました。


 国道24号線を快走し、10時23分ごろに
 五條バスセンター
 に到着し、最初の休憩に入ります。五條BCで下車した乗客は多く、車内に残ったのは大和八木駅から乗った人3人でした。そこで、私以外唯一大和八木駅かえあ乗ってきた二人組の女性が運転手と私に対して飴を差し出してくださいました。ここでお礼を申し上げます。
 五條バスセンターで2人が乗車し、10時30分に出発。


 五條バスセンターを出てすぐに
 五条駅
 に立ち寄ります。この五条駅を過ぎると、終点まで鉄道駅に寄りません。後戻りの利かなくなる旅に出る事になります・・・。


 五条駅を出ると、本陣交差点から国道24号線から168号線に移りそのまま南下しますが、途中の野原バス停付近は普通便とは異なったルートを通りますが、ほんの短区間でショートカットしているような感じです(普通便は旧市街の中を迂回する形で通ります)。そして、県立五條病院前を出ると、
 バス専用道
 との分岐点に至りますが、特急バスは国道168号線をそのまま南下します。


 10時50分ごろ、生子~老野間で特急バスとの1回目の
 すれ違い
 がありました。相手は新宮駅を5時53分に出た大和八木駅行きの第一便です。既に5時間も走ってたわけですね・・・。


 賀名生和田付近である橋梁の下をくぐります。その橋梁は
 バス専用道
 です。国道168号線は丹生川を沿うように走りますが、専用道は鉄道を想定して建設されたものなので一直線に走っています。なので、数か所で交差している事になります。
 城戸バス停を過ぎると、いよいよ、特急バスの本番が始まります。そうそう、山越えが始まるのです。道路は2車線のままですが、急勾配かつ急カーブそしてトンネルが続き、バスにとっては難所とも言えるような区間となります。


 天辻峠越えが終わると、阪本に着きます。阪本は国鉄の未成線の終点にあたりますね・・・。で、赤い鉄橋の大塔橋を渡ると、阪本バス停に着くのですが、ここから
 狭隘道路
 が続きます。大型車がすれ違う事が不可能なほど・・・。写真は狭隘道路上にある辻堂集落付近でのものですが、トラックと出会い、バスが後退しています。つまり、写真から大型車のすれ違いが不可能なほど狭隘道路であることが伺えます。特急バスの行路の中で一番はらはらさせられる区間です。


 11時45分ごろ、宇井口付近で新宮駅を7時46分に出た大和八木駅行きの第2便と2回目のすれ違いました。しかし、この先は宇井集落内の狭隘道路に入る事になるので、私が乗ったバスはここで一旦停車し、バスが来るのを待っていたのです。


 ここは
 宇井
 付近です。本当に狭隘道路になっています。しかし、山々に囲まれているため、住宅が密着しています。それでも、住人がちらほり出ていて、大和八木駅から3時間近くかけて走った先にある場所に住人がいる事が信じられない気分です。


 12時6分に
 上野地
 に到着し、ここで2回目の休憩に入ります。上野地は集落の旧道を走ったところにあり、郵便局の側に2~3台分のバスが止まれるスペースが確保されています。バス停の後ろにはトイレがあります。
 その時点で乗客は私を含め4人。乗客の変動は五條バスセンター付近からあまり変わっていません。


 上野地バス停付近には
 谷瀬の吊り橋
 が有名です。観光地にもなっており、撮影当時は団体が橋を渡っていました。上野地では約20分の休憩が設定されているのですが、吊り橋はいっぺんに多数の人が渡れるはずもなく、一方通行なので難しいです。
 今回は私含め4人の客は出発時刻までに車内に戻ってきたため(雨なので車内に残った人もいました)、12時25分定刻に出発しました。


 上野地を出ると、狭隘道路はほとんどなくなり、山あいの道路をひたすら走るだけになります。しかし、時々1車線道路が残るなど道路環境は決して良くなく、道路改良工事の現場に度々出くわします。一方通行になっているところも度々出ているので、山の中の道路は本当に取り残されているなと感じたほどです。
 風屋と野尻を過ぎていくと、
 十津川村役場
 に着きます。日本一広い村で、奈良県南部の村の拠点になります。ただ、村役場は山の中に小ぢんまりと立っていて、山の厳しさを物語っています。
 十津川村役場に着く前の12時55分ごろ、風屋~滝川口間で新宮駅を9時59分に出た大和八木駅行き第3便と3回目のすれ違いです。特急バスのすれ違いはここで終わりですね。


 十津川村役場を出ると、十津川村の中心部を通って行くのですが、それでも写真の通り山の中を走る事は変わりありません・・・。十津川村役場は十津川温泉の入口にあるのだから・・・。
 しかし、随所に温泉があり、旅館も建っています。込の上には村唯一の高校である十津川高校が建っています。


 13時29分に
 十津川温泉
 に到着しました。十津川温泉は温泉の中心部かつ十津川村の交通の拠点になります。バス停は二つあり、案内所の奥には奈良交通十津川営業所が位置していて、多数のバスが休んでいました。昼時なので近くにある店で昼食を調達してきました。とはいえ、途中で調達できるのはここだけなんだよね・・・。
 乗客は上野地出発時点からの変動はありませんでした。新たな乗客は無いまま13時39分に十津川温泉を出発しました。尚、奈良交通の路線は十津川温泉までは五條バスセンター発の普通便が並行していますが、ここからは特急バスの単独区間になります。
 尚、休憩はここで最後となり、運転手の交代が無いまま終点まで行きます。


 十津川温泉を出て次の蕨尾口で一人の地元客が乗り込んできました。そして、途中で国道168号線から一旦外れて
 ホテル昴
 に到着しました。大和八木駅から乗ってきた2人組はここで下車します。ホテル昴にバスが乗り入れるようになったのは今年の4月からなので割りと最近の話です。そして、桑畑小井で地元客も降りて、車内は私も含め2人になりました(一人は五條バスセンターから乗車)。


 バスは十津川温泉を出た後、奈良県と和歌山県の県境にある果無山脈を越えているので、狭隘道路と急カーブが続いていますが、その終点付近にある七色地区では
 七色高架道
 を通ります。七色高架道は七色地区にある狭隘道路を改良かつショートカットするために2005年に完成した連続高架道です。バスはかって旧道を走っていましたが、完成後は高架道を通るようになりました。
 七色を過ぎた先にある道の駅奥熊野で一人の乗客が下車し、ついに車内は私のみの貸切状態になりました。とはいえ、新宮までまだ1時間半もあるんですよ・・・。


 山越えが終わると、
 本宮大社
 に着きます。熊野詣の本場で、奈良交通のみならず龍神自動車や熊野交通が乗り入れて来ています。ここから(実際は土河原から)熊野交通と並行するようになります。
 久々に見る落ち着いた道路ですね・・・。ここで乗客が乗ってくるかと思ったら誰も乗ってきませんでした・・・。


 本宮大社を出ると、国道168号線から離れて写真のような山に囲まれた小さな道路を通って行きます。電柱もないので、本当にどこへ行くのかハラハラさせられます。


 その道路が行った先には
 湯の峰温泉
 がありました。山の中にある小さな温泉街となりますね・・・。この辺りは大型車がすれ違えないほどの狭隘道路が続いています。


 湯の峰温泉から約10分ほど走ったら、今度は
 川湯温泉
 に着きました。途中には渡瀬温泉もあるので、本当に温泉が続いていますね・・・。というか、熊野詣の休憩地としての役割があったのだから、そういうことになっています。川湯温泉は大塔川に沿っており、バスは温泉街と川に挟まれた道路を通っています。


 川湯温泉を過ぎると再び国道168号線に入り、新宮駅に向かうことになります。しかし、見どころと観光地は全て経由し終えており、新宮駅付近までの約50分は写真のような景色が続きます。道路も整備された2車線が続いており、熊野川に沿った何もない所を走っているような感じになります。特急バスらしく、途中の熊野交通のバス停を通過していくことになるので、バス停間の距離が長くなる事が増え、特に神丸~新宮高校前は26分間バス停なしで走り抜けます。


 新越路トンネルを越えると、
 新宮市街
 に入ります。久しぶりに見る市街地です。更に車も少しずつ増えていますね・・・。
 ここで、新宮高校前と権現前の二つのバス停を通って行き、最後の狭隘道路に入ります。


 紀勢本線を乗り越える高架道を越え、暫く市街地の中を走ると留置中の熊野交通のバスが見えてきました。ここで、


 定刻より少し遅れて15時50分についに終点の
 新宮駅
 に到着しました。その時の乗客は私一人のみ。6時間半走ってきたにもかかわらず、さびしい終着でした・・・。バスから私を降ろすと、すぐに回送として走り去って行きました・・・。

 こうして特急バスに乗ってきたのですが、紀伊半島を縦断していくという事で、狭隘道路や急カーブなどが続jき、名実と共に山岳路線という雰囲気がありました。しかし、私が乗った時は乗客が一桁台だったので、本当に大丈夫なのか気になりました・・・。

最新の画像もっと見る

12 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (瀬田駅前)
2010-06-22 00:50:25
お疲れ様でした。
この路線は、以前テレビで放映されてました 休憩は途中の上野地だけだったような 三カ所もあるんですね

テレビの場合、平均10名ぐらい乗車してたような感じでしたね

十津川から熊野大社までは、利用者が少なかったです。

でも、十津川内では通学バスや、移動手段のない住民のための足になってるみたいですね。

特急らしくない路線バスとして、いつまでも、走って欲しいですね。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2010-06-22 22:54:14
 瀬田駅前様
 コメントありがとうございます。

 休憩は3ヶ所です。休憩は新宮駅バス停の時刻表と車内案内表示で案内されています。ただ、狭隘道路が続いている事もあって遅れが出る場合もあるようです(今回は新宮駅前の渋滞による遅れのみでした)。
 十津川村内は十津川村営バスが並行して運行されていますが、夕方の新宮駅行きの特急バスは地元の足となりそうな感じです。

 特急バスとはいえ、十津川村内にとっては村外へ出る貴重な公共交通ですからね・・・。
返信する
Unknown (K2)
2010-06-25 00:16:38
お疲れ様です。
五條に住んでいた時、一度乗ってみたい!と思いながら果たせませんでした。自分の車では十津川、西吉野、大塔などしょっちゅう行きましたが。特急バスと狭い道で鉢合わせになり、自分の車を数十メートルバックさせたこともあります。
ホテル昴までは行ったことがあります。宿泊はしませんでしたがお風呂には入らせてもらいました。
私が五條に住んでいた三年間(03年~06年)あの地域のバス路線はどんどん縮小されていきました。いつまでも残ってほしいですね。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2010-06-25 21:31:21
 K2様
 コメントありがとうございます。

 私もこの前から乗ってみたいという気持ちありましたが、ようやくこの日に実現しました・・・。
 狭隘道路はまさに迫力ありますね。今回ではトラックにバスがバックしてましたし、逆にバックさせる例も多数ありました。
 確かに奈良交通は2005年前後に路線の廃止が進められていましたね。
返信する
Unknown (大阪人)
2011-07-30 09:21:35
奈良交通 168バスハイク乗車券は
大和八木~新宮駅 2日間 5250円で乗り降り
自由で、近鉄連続 3日間全線乗り放題は
4000円ですが、それより少し高いですが、
奈良交通 八木新宮線は来年に乗ってみようと
思いますし、9/25の園田競馬所のバス祭りで
奈良交通 八木新宮線の路線バスが展示されると思うので家から自転車で園田競馬場まで
行って見ようと思います。

八木新宮線でお土産屋のある所は
上野地、本宮大社前ぐらいでしょうか。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2011-07-31 14:16:13
 大阪人様
 コメントありがとうございます。

 八木新宮線は見ごたえにある路線です。168バスハイク乗車券があることは初めて知りましたが、八木新宮線沿線には観光地がいくつかあるので、ピッタリな乗車券ですね。
 八木新宮線沿線でお土産店があるといえば、上野地、本宮大社前以外にも十津川温泉にもあります(バス自体は温泉街の中を走るので・・・)。
返信する
奈良交通 八木新宮線 (大阪人)
2011-09-19 19:30:06
こんばんは
9/12に近鉄週末フリーパスで
奈良交通 葛城営業所に行き、
葛城営業所の方が奈良交通 八木新宮線のバスの方向幕を回してくださり、
五條バスセンター、折立、十津川温泉、
湯の峰温泉幕を出してもらえました。

9/25の園田競馬場でのバス祭りでは
八木新宮線の路線バスは展示されると思うので
楽しみですが、
現在 八木新宮線は台風12号の影響で
五條市大塔町 小代下~新宮駅まで運休で
紀勢本線 紀伊勝浦~新宮~熊野市まで
運休で復旧まで紀勢本線で1年以上かかるそうですので、八木新宮線 復旧も同じくらい
かかるのではないでしょうか。

返信する
Unknown (斬剣次郎)
2011-09-20 23:09:12
 大阪人様
 コメントありがとうございます。

 葛城営業所にて方向幕を回して下さったの事ですが、八木新宮線でも色んな行先の表示が用意されていたんですね・・・。
 八木新宮線は台風の影響で区間運休されていますが、十津川村の道路では壊滅的な被害を受けたところが多いので、復旧は紀勢本線より時間がかかるような予感がします・・・。再び運行出来るといいですね。
返信する
Unknown (大阪人)
2011-09-27 20:20:20
こんばんは
9/25にバス祭りに行ったが、
奈良交通 八木新宮線 路線バスは見ることは出来なかったが、神戸市営バス ボンネットバス、大阪市営バス、京都市営バス、京都市バス
京阪バス、岐阜バス 連接バス、
岡山市営バスなどは見ることができ、
帰りに100円で京阪バスのバス停の板を
購入して、タピオカのココナッツジュース
150円、たこせん 100円などの販売も
ありました。
返信する
Unknown (斬剣次郎)
2011-09-28 00:10:29
 大阪人様
 コメントありがとうございます。

 バスまつり参加お疲れ様です。
 奈良交通の展示はガーラミオのCNGバスでしたね(去年は八木新宮線でしたね)。色んな車両が展示されていて、例年に無い充実した内容ですね。
 因みに岡山市営バスという事業者は存在していません。両備バスの間違いでしょう。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。